シイラってどんな魚?
シイラという魚を知っていますでしょうか?世界中の温暖な海に生息し、水の中でも海面に近い表層を泳いでいる魚です。もちろん日本近海でも見ることができ、主に釣りのターゲットとして人気があります。ここからはシイラの生態や生息域など、基本的なことを説明していきたいと思います。
シイラの生態とは?
春から夏にかけて産卵を行い、産まれた稚魚は藻などについて生活、小型の甲殻類を食べて大きくなっていきます。成魚となると魚を捕まえて食べるようになります。1年で約30cm大きくなり、産まれて4年経つと約1.5mの大きさになります。額がでっぱっているのが特徴で、ハワイではマヒマヒと呼ばれています。
シイラの雄雌の見分け方
魚によっては雄と雌で体色が若干異なったり、体の大きさが極端に違う魚もいますがシイラは、ある体の部分に特徴的な違いが見られます。それは額です。雄のシイラのおでこは出っ張っていてほぼ直角になるのが特徴です。対して雌はやや丸みのあるおでこをしており、額の形の違いを見て雄と雌を判断するのが基本的です。
シイラの生息域は?
日本では、沖縄から九州南部の日本海・太平洋沿岸、北海道の全沿岸まで幅広い生息が確認されています。海外では朝鮮半島沿岸から中国沿岸、インド洋や太平洋全域、北緯50度〜南緯40度の大西洋に生息しています。比較的温暖な海に生息しており、水深20mよりも浅い海を回遊しています。
シイラは何色?
実はシイラは生きている時と死んだ後では、体の色が変わってきます。生きている時は、綺麗なエメラルドグリーンで黒色の斑点があります。死んでしまうとエメラルドグリーンの色が消えていき、全体的に黒ずんだ色になります。市場で並んでいるシイラは生きている時は、もっと綺麗な色ということになります。
シイラの釣り方
釣りではとにかく引きが強烈で、左右前後に激しく動き回る為、釣り人たちを楽しませてくれます。強烈な引きだけでなく、派手なジャンプも見せてくれ、1mくらいジャンプします。群れで回遊するので1匹ヒットすると次々に釣れることもあり、大漁も狙えるお魚です。釣り初心者の方にも釣りの楽しさが味わえるのでおすすめですね。
ルアー釣り
シイラは海中の表層、5m〜10mを泳いでいます。ルアー釣りではその表層を狙えるルアーがおすすめです。まずはポッパーやダイビングペンシルで狙うことが基本です。食いつかない時はシンキングペンシルやメタルジグでスキッピングをして数秒間沈めて、またスキッピングをすると食いつく場合もあります。状況によって使い分けが必要です。
泳がせ釣り
ルアー釣りと比べて生きた魚を餌にする為、違和感なく食わせることができます。活き餌にはアジやイワシを使うことが基本です。ラインはPEラインの2号を巻いておけば問題ありません。ショックリーダーはナイロンの12号程度あれば強い引きにも対応できます。泳がせ釣りの記事がありますので、参考にされてください。
シイラの旬は?
釣りでとても人気のあるシイラですが、どんな味がするのでしょうか?赤身の魚ですが、身の色は桜色で脂身が少なく、非常に淡白な味わいが特徴です。鮮度が落ちるのが早いため、産地で消費されることが多いようです。そんなシイラをより美味しく食べられる旬な時期を説明していきます。
11月上旬から3月の下旬頃
どんな魚でも同じことですが、卵を持っていると、体の栄養が卵にとられ、身自体の味は落ちると考えられています。シイラの身に脂がのりおいしくなる旬の時期は、産卵後、養分を蓄え次の産卵へ向けて身を太らせる11月上旬から3月下旬頃です。
シイラのさばき方は?
お店などでは切り身にされて売られていることが多いかと思いますが、釣って手に入れたり、市場で1匹買った場合、自分でさばかないといけません。大型魚ですので、さばく際はそれなりのスペースを確保してさばきましょう。ここからは、さばき方と手順を細かく説明していきたいと思います。
頭を切り落とす
まずは包丁で鱗をとっていきます。鱗は硬くないので比較的簡単にとれると思います。次に頭の付け根から腹ビレに向かって包丁を入れます。反対側は腹ビレから頭の付け根に向かって包丁を入れ、頭を切り落とします。この時、中骨の骨同士のつなぎ目に包丁を入れると切り落としやすいです。
腹を開いて内臓を取り出す
次に内臓を取り出していきます。腹の部分から魚の尻にかけて包丁を入れ、中の内臓を取ります。この時、血合いにも包丁を入れます。内臓を取り出したら、水で血合いと鱗を洗い流し、キッチンペーパーなどでよく水気を取ります。
三枚におろす
腹から腹ビレに沿って包丁で切れ目を入れ、中骨に当たるまで包丁を入れます。背側は尾から背ビレに沿って切れ目を入れ、中骨に当たるまで包丁を入れます。身と中骨にの間に包丁を入れ、中骨と身を切り離します。残った片身は背ビレに沿って切れ目を入れ、中骨まで包丁を入れます。腹側も腹ビレに沿って切れ目を入れ、中骨と身を切り離します。
腹骨をすき取る
三枚におろした後の身に逆さ包丁を入れ、包丁をすき上げて腹骨を取っていきます。皮1枚になったら包丁を立てて切り、腹骨を取り除きます。もう片方の身も同じように腹骨すき取り、取り除きます。
皮をひく
皮の部分を下にして、尾の部分から身と皮の間に包丁を入れ、皮を持ちながら包丁を滑らせて皮と身を分けていきます。コツは皮を引っ張りながら包丁を前後に動かしていくイメージで切っていきます。切り取った身は焼物から揚げ物、煮物まで色々な料理に使えます。
シイラのおすすめ料理①刺身編
それではシイラを生で食べる料理方法を説明していきます。シイラの生の身はもっちりとした食感が特徴的です。食べる時の注意点は傷むのが早いため、保存するときは冷蔵で保存し、傷んでいるものは極力食べないようにしましょう。
シイラのカルパッチョ
生魚の料理として必ず出てくるのがカルパッチョですよね。魚だけでなく野菜も一緒に食べれますので栄養も多く摂れる為、おすすめの料理です。それでは、作り方を説明していきますので参考にされてください。
材料
用意する材料はこちらになります。「シイラ(皮なし)」「サラダ菜 1/2袋」「玉ねぎ 1/2個」「ブロッコリースプラウト お好みで」「プチトマト 10個」「ブラックペッパー 適量」「オリーブオイル 大さじ1」「砂糖 大さじ1」「酢 大さじ1」「醤油 大さじ1」「塩 ひとつまみ」を用意します。
料理レシピ
「1.玉ねぎは薄くスライスして10分ほど水にさらします。その後水分をきっておきます」「2.サラダ菜、ブロッコリースプラウトを洗って、水分をきります」「3.シイラをお好みの大きさに切ります」「4.オリーブオイル、砂糖、酢、醤油、塩を混ぜ合わせソースを作ります」「5.全ての具材をお皿に盛り付け、ソースをかけて完成です」
調理のポイント
シイラや野菜の量を増やす場合は、それに合わせてカルパッチョソースも多めに作りましょう。また、シイラは傷むのが早いため、出来るだけ新鮮なものを使い、作ったカルパッチョは早めに食べるようにしましょう。
シイラのなめろう
次に紹介するレシピはシイラのなめろうです。なめろうとは新鮮な魚と香味野菜や味噌を叩きあわせて作る料理です。具材を混ぜて叩きあわせるだけなので誰でも簡単にできる料理です。これから作り方を説明していきますので、ぜひ作ってみてください。
材料
用意する材料は「シイラ(皮なし)」「味噌 大さじ2」「生姜 1片」「長ネギ 10cm」「大葉 5枚」「ミョウガ 1個」のみです。必要な材料も少なくとってもお手軽です。次に作り方を説明していきます。
料理レシピ
「1.生姜は細かくみじん切りにします。大葉、ミョウガ、長ねぎは、粗くみじん切りにします」「2.シイラは三枚におろして皮を引いたものを細かく切り包丁でなめらかになるまでよく叩きます」「3.なめらかになったら味噌と先ほどの薬味を加えてよく混ぜ合わせて完成です」
調理のポイント
おいしいなめろうのポイントはとにかく叩くことです。より細かく叩くことで食感もなめらかになり、おいしいさもグッと増します。また、合わせる味噌の種類と量によっても味わいが変わってくるため、自分好みの味を探してみるのも良いかもしれません。ぜひ、自分がこれだ!と思う味付けを探してみてください。
シイラの生春巻き
生のシイラ料理の最後は、シイラの生春巻きです。野菜と一緒にライスペーパーで巻いて作ります。カルパッチョやなめろうと比べると、少し調理に時間がかかりますが、おいしいですし、子どもがいる家庭であれば、お子さんと一緒に調理すると楽しめるかもしれません。それでは、作り方を説明していきます。
材料
「シイラの切り身 100g」「カニかまぼこ 1パック」「サニーレタス 5枚」「赤パプリカ 1/4個」「黄パプリカ 1/4個」「きゅうり 1本「赤玉ねぎ 少々」「ライスペーパー 5枚」「塩 小さじ1」「酢 150cc」を用意してください。
料理レシピ
「1.シイラの身に塩を振り、冷蔵庫で20分置き、酢水で塩を洗い流し、酢に20分ほど浸します」「2.シイラをそぎ切りにします」「3.きゅうり、パプリカを千切り、赤玉ねぎを薄切りにします」「4.クッキングシートを敷き、水にくぐらせたライスペーパーを置きます」「5.具材を手前に横長に並べ巻いていき、4等分に切ったら完成です」
調理のポイント
ライスペーパーは水に全体を漬け、周りが少し軟らかくなったら固めの状態で引き上げます。固めに戻すと具を巻いている間に、ちょうど良い軟らかさになります。包丁で切る際には、水につけてから切ると綺麗に切りやすいです。
シイラのおすすめ料理②揚げ物編
続いてはシイラの揚げ物レシピを説明していきます。熱を加える事で、生の時とは違った味わいになりとてもおいしくなります。油を使うので少し手間がかかるかもしれませんが、ぜひ作ってみてください。
シイラの唐揚げ
最初に紹介するのはシイラの唐揚げです。淡白な味わいのシイラですが、揚げる前に調味料に漬け込む事でしっかりと味がつき、とてもおいしい料理になります。それでは、作り方を説明していきます。
材料
「シイラ 4切れ」「酒 大さじ2」「醤油 大さじ2」「生姜すりおろし5cm」「にんにくすりおろし 5cm」「塩コショウ 少々」「片栗粉 適量」「油 適量」「マヨネーズ お好み」を用意してください。
料理レシピ
「1.シイラの骨を取り、食べやすい大きさにぶつ切りし、ビニール袋に入れて酒、醤油、生姜、にんにく、塩コショウ加えて揉み、15分くらい漬けます」「2.ビニール袋に片栗粉を加え、振って全体に片栗粉をつけます」「3.フライパンに油をた入れ、揚げます」「4.カラッと揚がったらお皿に盛り付け、お好みでマヨネーズを添えて完成です」
調理のポイント
揚げ油の温度は180℃くらいを目安に揚げてください。強火で揚げてしまうと中に火が通らない事もあるので、火加減には注意しましょう。片栗粉をつける際には全体にまんべんなくつけることがポイントです。
シイラのフライ
次に紹介する料理はシイラのフライです。フライにするとフワッとした食感になりますが、弾力もありつつ絶品です。タルタルソースのレシピも一緒に説明しますので、ぜひご家庭で作ってみてください。
材料
「シイラ 250g」「塩、コショウ 適量」「小麦粉 適量」「卵 1個」「パン粉 適量」を用意します。タルタルソース用には次のものを用意してください。「卵 2個」「玉ねぎ 1/4個」「乾燥パセリ 適量」「酢 小さじ2」「砂糖 小さじ1」「マヨネーズ 大さじ4」「塩コショウ 適量」