エロイムエッサイムとは
「エロイムエッサイム」誰もが一度は聞いたことがありませんか?幅広い年代の人に知れ渡っているこの呪文、実は広まった訳があるのです。また実際になんで広まったのかこの呪文を唱えると一体何が起きるのか紹介しましょう。
エロイムエッサイムは悪魔を呼び出す呪文
この呪文は悪魔を召喚する為に唱えるものです。人間関係に疲れてきっかけを作った人をギャフンと言わせたい、または浮気された相手を懲らしめたい様々な黒い気持ちを抑えきれず逃げ込む場所がこの呪文なのかもしれません。実際にアニメ「悪魔くん」で使われた事で世間に知れ渡りましたが、他のアニメや小説、映画などでも使われています。
エロイムエッサイムの使い方
「エロイムエッサイム」の使用方法ですが実は色々なアニメ、小説等でも使用しているのを見ると使用方法は一つではありません。代表的な作品「悪魔くん」では「エロイムエッサイム エロイムエッサイム 我は求め訴えたり」として使うのが定番です。
エロイムエッサイムの出典
響きの良いこの言葉、実はちゃんとした大元、出典があるのです。アニメなどで使われると作者のオリジナルで創作されたものを連想しますが実際に「グリモワール」から引用し使用されていることが明らかになっています。グリモワールとはフランスの魔術書として有名です。
エロイムエッサイムの呪文がのるグリモワール
フランスの魔術書「グリモワールとは一体どの様な書物なのでしょう。「グリモア」「グリモワ」などと呼ばれることもあり日本が発祥の地では無いことが分かります。呪文と「グリモワール」との関係は?そこに迫ってみましょう。
グリモワールは中世ヨーロッパの魔導書
グリモワールは主に中世後期から19世紀までヨーロッパで流布された魔導書です。中身は魔術の手引きや霊的存在の力を利用する「降霊術」等もその該当にあたります、儀式、呪文、護符、悪魔たちを呼び出す召喚術が載っています。
日本で召喚などと言う言葉で連想すると呪いの藁人形や日本古来の言い伝えなどを思い浮かべてしまいます。関わり合いたくないものではありますが、その由来や歴史については奥深いものがあります。興味がある方はぜひこちらもご覧ください。
グリモワールは1冊の本ではない
「グリモワール」と言う名称から一冊の本を思い浮かべがちですが実はフランス語で「魔術の書物」を意味するものです。どこまでがそう呼ばれるのかというのは絶対基準は無いのですが錬金術や占星術などは当てはまらないと言われています。有名なのが「ソロモンの鍵」や「大奥義書」が挙げられます。
エロイムエッサイムの呪文は「赤い竜」というグリモワールにある
先程お伝えした「大奥義書」の異本「赤竜」に加えられた召喚儀式に「エロイムエッサイム」が登場します。その内容には悪魔との取引を行うための手順が書かれています。ちなみに「大奥書」に出てくる呪文は「エロイムエッサイム」を三回唱えるとあり「我は求め訴えたり」の記述はありません。
また別説として「黒い雌鶏」にも同じ「エロイムエッサイム」の呪文が登場しており、呪文はそのまま「我は求めたり」までを含みます。東を向き、ひざまずき、呪文を唱えた後に偉大な名前を唱えるとあります。どちらにしてもグリモワールが出典の場所であることに変わりは無いようです。
エロイムエッサイムが出てくるアニメ
さて実際に呪文「エロイムエッサイム」が出てくるアニメについて紹介していきます。もう思い当たる人はいるんでは無いでしょうか。また面白い事に年代ごとに思い浮かぶアニメが異る事もこの呪文を語る時には欠かせません。
エロイムエッサイムといえば悪魔くん
有名な代表作は、水木しげる作の「悪魔くん」です。「ゲゲゲの鬼太郎」の作者としても有名ですよね。また作者に焦点をあてて朝ドラとしてヒットした「ゲゲゲの女房」では水木しげる役を向井理が演じて更に世に知れ渡りました。
実は「悪魔くん」シリーズ物であり、漫画、アニメ、特撮、ドラマで登場人物などが変わるという何個ものストーリが合わさっています。基本的な設定が大きく3つに別れており悪魔くんについてのストーリーと悪魔、妖怪を退治するヒーロー悪魔くんのストーリーに別れます。
なぜ、さまざまなストーリーに別れたのでしょう。作者水木しげるは最初は貸本屋から始まり、部数が伸びずに打ち切りに。しかし「週刊少年ジャンプ」で復活をしその後も次々と作品を残すことになったのです。またモノクロ実写版についてはかねてからの大ファンだったプロデューサーが実現しました。
エロイムエッサイムを唱える悪魔くんは悪魔じゃない
悪魔くんを一度でも読んだこと、見たことがある方は知っているでしょう。実は悪魔くんは「悪魔」ではなく人間なんです。一万年に一人と言われる天才児の為クラスメートからつけられたあだ名がタイトルになっています。
貧富の格差がなくなる世の中を祈る少年ですがその為には悪魔の力が必要と考えているところからストーリーが始まるのです。
エロイムエッサイムの呪文で悪魔召喚
実際に悪魔くんが召喚できたのは伝説的魔術師ファウスト博士の存在を欠かしたら無理だったでしょう。博士の秘技を授かりなんとか悪魔を呼び出すことに成功する悪魔くん、召喚した十二使徒の悪魔を紹介しましょう。
- 第一使徒 メフィスト二世
- 第二使徒 ユルグ
- 第三使徒 ヨナルデパズトーリ
- 第四使徒 幽子(ゆうこ)
- 第五使徒 ピクシー
- 第六使徒 百目
- 第七使徒 妖虎(ようこ)
- 第八使徒 家獣バウー
- 第九使徒 象人(ぞうじん)
- 第十使徒 鳥乙女ナスカ
- 第十一使徒 サシペレレ
- 第十二使徒 こうもり猫
上記に記載した十二使徒は最新版悪魔くん(1988年~1990年版)のものであり悪魔くん「埋れ木真吾」です。初代の悪魔くんは「松下一郎」次に「山田真吾」となり、「埋れ木真吾」は最後の悪魔くんとなります。
アニメ「四月は君の嘘」に出てくるエロイムエッサイム
さて年代別に「エロイムエッサイム」で浮かぶ作品が異る原因がこの漫画「四月は君の嘘」です。2012年度漫画対象にノミネート。2013年には講談社漫画賞少年部門受賞をしている大作です。絵柄から少女漫画を連想しますが「月間少年マガジン」に連載されていました。作者は新川直司です。
宮園かをりが舞台前に唱える呪文「エロイムエッサイム」
なぜこの呪文が注目を浴びたのか、それはヒロインである宮園かをりが舞台前に唱えたことから始まりました。そう、悪魔くんが大ヒットした1990年から約20年も経ってからこの意味を知る人がなかなかいなかったのです。不意に出てきたおまじないのような呪文に世間を賑わせました。
「四月は君の嘘」でなぜ悪魔召喚するのか?
なぜ宮園かをりはこの呪文を唱えたのでしょう。悪魔を召喚したかったのか?いえ実はこの呪文にはもう一つの意味が込められているのです。「神よ、私の声を聞いて」がもう一つの意味で存在します。何を願ったのでしょうか。
物語は中学生の主役「有馬公生」ピアニストとヒロイン「宮園かをり」ヴァイオリニストが互いに共鳴し成長する物語です。
宮園かをりがこの呪文を唱えたのはコンクールの演奏前です。実はコンクールの評価が目的ではなくヒロインの有馬公生に認められることが目的です。技術力ではなく人の心を動かしたい思いが呪文を唱えさせたのかもしれません。
エロイムエッサイムを神を含む「大いなる力」に向けて呼びかける
二つの漫画を題材に「エロイムエッサイム」について解説していきましたが、大きな目的が有りそれを果たしたい時に唱える呪文というのはお分かり頂けたでしょうか。神や悪魔にすがりたいほど自分の気持ちが溢れ出てしまう強い気持ちが呪文として現れ呼びかけるのです。
エロイムエッサイムで悪魔召喚する
実際に悪魔を召喚した時にはどんな事をするのか、どの様なやり方があるのか気になる所です。本格的な話から呪文と魔法陣と関係性、絶対に気をつけなればいけない事までじっくり見ていきましょう。