福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件|クマに襲われ続けた恐怖の2日間

前述したように、ヒグマは基本的に臆病です。なので、人がいると分かっている場所には近寄りません。なので、自分がこの場所にいるとヒグマに知らせるために、口笛を吹く・手をたたくなど定期的に音を出すことが大事です。話し声でも効果がありますので、誰かとすれ違った時に挨拶をするというのもクマ対策として重要なのです。

鈴やラジオはあまり効果がない!?

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クマよけの鈴というものがありますが、近年この鈴の音に慣れてしまったヒグマがおり、鈴を身につけていたのにヒグマに襲われてしまったという事故もあります。ラジオは雑音が多いため周りの音と混同されてしまい、音として判断されない可能性があります。私たちも周りの音が聞こえづらく、ヒグマの接近に気づけないリスクもあります。

ヒグマが居そうな場所は避けて行動する

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ヒグマが出没しそうな場所を避けましょう。春~冬にかけてのヒグマの行動や食べるものについて前述していますので、そちらを参考にしていただき、その付近には近寄らないことが大切です。特に夏はヒグマの行動範囲がかなり広くなっていますので、食料のありそうな場所は避け、周りに細心の注意を払いながら行動しましょう。

動物の死体を見つけたらすぐに離れる

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ヒグマは草や木の実、魚など以外に動物の死体も食べます。シカなどの大きい動物の場合は何回かに分けて食べるためヒグマはその場に留まります。動物の死体を見つけた場合はヒグマが近くにいる可能性が高く、食べかけの場合は既にヒグマの所有物になっている可能性があるので、死体を見つけても近寄らず、すぐさまその場所を離れましょう。

ゴミや食べ物を放置しない

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ヒグマは人の食べ物も喜んで食べます。放置されている食べ物を食べてしまい、味を覚えてしまうと再び食べるために人がいる場所にに入り込むことが多くなってしまいます。それによって人に対する警戒心が薄れてしまい、人を恐れなくったヒグマが人を襲ってしまう事件を起こしてしまいます。絶対にゴミや食べ物を放置しないようにしましょう。

テントのそばで食事をしない

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ヒグマは食べ物のにおいにも反応します。食事を食べた後の残り香につられて夜中の間にヒグマがテントまで来てしまったという事件もあります。なので絶対にテント内で食事をとってはいけまん。少なくともテントから100m以上離れた場所で食事をし、食べ物のくずやゴミなどが残らないように片付け、速やかにテントに移動しましょう。

ヒグマの対処法その②「もし遭遇してしまったら」

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ヒグマに遭遇しないための対処法を紹介しましたが、どれだけヒグマに遭遇しないように対策をしたとしても、残念ながらふいに遭遇してしまうことも少なからずあります。次の対処法として、ヒグマに遭遇してしまった場合にどのような行動をとってはいけないのか、紹介していきます。

まずは冷静になり、大声をださない

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最初の対処法として、まずは冷静になることが大切で、決して悲鳴をあげてはいけません。遭遇したことによって私たちは当然驚きますが、ヒグマも同様に驚いています。その時に大声をだされると、ヒグマは不快に感じ、敵として認識されてしまいます。距離が近い場合は目をそらさずに、自分が人であると教えるために話しかけるのも有効です。

絶対に走らない

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ヒグマの本能で速く動くもの、とくに自分に背を向けて走るものを獲物と判断し、追いかける習性があります。背を向けるのも危険です!ヒグマの方を向いたまま目をそらさずに、ヒグマに話しかけつつゆっくりと後ずさりして、少しずつ離れましょう。ヒグマを刺激をしないために、両手もゆっくり上げ、敵意がないことを教えましょう。

死んだふりは逆効果

「クマにあったら死んだふりをしよう」という言葉を聞いたことがあると思います。ですが、ヒグマに死んだふりは完全に逆効果です!理由は、ヒグマが死んだ動物を食べる習性があるからです。実際にヒグマの前にマネキンを置き死んだふりの実験した記録もあり、逆に興味をひいてしまい近づかれ、食料だと判断されて襲われてしまうのです。

福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件以外のクマ獣害事件

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クマによる悲惨な事件は「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」だけではありません。ヒグマだけではなく他のクマによる事件も起こってしまっています。今回、その中から「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」にならぶ歴史的に悲惨な事件を3つほど紹介します。

国内史上最悪のヒグマ事件「三毛別羆事件」

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前述でも少し触れましたが、1915年12月北海道三毛別六線沢にある民家で起きた事件です。「穴持たず」のヒグマは食料を求めて民家を襲撃し、男児が死亡し女性が捕食されてしまったことが始まりです。人の味を覚えたヒグマは別の民家を襲い、なんと2日で6人死亡・3人重傷、そのうち2人は捕食されてしまうという悲惨な事件でした。

実況中継?ペトロパブロフスク羆事件

2011年8月シベリアの東部にあるペトロパブロフスクで起こりました。被害者はキャンプ旅行をしていた2人の親子です。ヒグマは川原で継父の首を一撃で折り、娘はヒグマに追いつかれてしまい捕食されてしまいます。この時、捕食されながら母親に電話で助けを求めており、娘の電話の向こうでヒグマの鼻息や捕食音が聞こえていたといいます。

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