主食が大量発生したとは言え、いつでもどこにでもあるわけではありません。季節ごとに数を増やしたり減らしたりするプランクトンやオキアミを求め、クジラは広大な海を回遊することを選びました。
身体は燃料タンクのようなもの。大きければ大きい程遠くまで泳ぐことができます。大量の食事により身体を大きくし、それと同時に大量の食事をするための大きい身体を得る必要があったのです。その結果が今の巨体に表れています。
シロナガスクジラの大きさにも個体差がある
色々と規格外な生物ですから、大きいことに変わりはないのですが、それでも人間と同じ様に個体差というものが存在します。30m以上に育つ個体は極めて稀な例ですが、いないわけではありません。基本は25m前後でメスの方がオスよりも大きい傾向にあります。
赤ちゃんでも十分に大きい
赤ん坊は小さくて愛らしいイメージが強いことでしょう。実際にその通りで幼体のシロナガスクジラも、成体のシロナガスクジラと比べればまだまだ小さいです。その大きさなんと7m。大人の三分の一以下です。
しかし人間視点で見てみれば、7mというのは建物の二階まで至る大きさ。最終的に25mまで成長することを考えれば小さいものですが、7mで産まれてくるというのはさすがといったところでしょうか。
確認されている最大サイズは?
とにかく巨大なシロナガスクジラの今まで確認されている最大記録は34m。これは11階建てビルに相当します。どれほどの餌を食べたのか、どれだけの時間をかけて成長したのか。その大きさに比例する謎を持った個体です。
大きい体は良いことづくめなシロナガスクジラ!?
どんな生き物にもその身体を持ったが故のメリット・デメリットがあります。例えば人間が投擲能力に優れ、手先の器用さを得ているように。例えばツバメが何よりも速く飛行することができるように。良いことがあれば反面悪いこともあるものですが、シロナガスクジラにもそれは当てはまります。
大きいことのメリット
世界中を旅する長距離遊泳が可能なのはシロナガスクジラの巨体のメリットと言えるでしょう。身体が大きいが故に天敵も少なく、長生きをすることも可能です。巨大な身体を活かした尾びれの一撃は立派な武器にもなります。
大きいことのデメリット
大量の食事をするからこその巨体ではありますが、その巨体故に大量の食事をしなければならないのはデメリットと言えるでしょう。また、シロナガスクジラは陸に上がると自重で内臓が潰れてしまい、すぐに死んでしまいます。また、身体が大きいが故に甚大な被害を及ぼしてしまう最期について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
世界最大の「生物」
この記事ではシロナガスクジラが世界最大、地球上最大の「動物」であると紹介してきましたが、実はこの地球上にはシロナガスクジラを超える大きさの「生物」が存在しています。その驚きの実態を紹介します。
世界最大のキノコ
クジラよりも巨大なキノコが存在するのか?と思われる方も多いと思います。「オニナラタケ」というキノコは一つ一つは小さいものの、なんと山一つを覆ってしまう生命として存在しているのです。いくら地球上最大の動物と言えども山ほどは大きくない訳ですから、オニナラタケは世界最大の「生物」となるわけです。
そんなオニナラタケについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
寿命や特徴、シロナガスクジラの生態は?
シロナガスクジラの特徴はなにもその身体の大きさだけではありません。この項ではシロナガスクジラはそもそもどういう生き物なのか?というところに焦点を当て、生態・特徴を紹介していきます。