幸せの青い鳥とは?
1908年、ベルギー出身のエッセイストであるモーリス・メーテルリンクが執筆者です。兄と妹のファンタジーな世界に出かけるアドベンチャー物語です。
せわしなく過ごしていると気づきにくいものですが、本当の幸いとは何か?を気づかせてくれる話です。現在にピッタリの内容で、執筆者はまるで未来を見据え執筆したのでは?と思えるほど時代にリンクしています。
モーリス・メーテルリンク作の童話劇
世界各国から評価が高く映画化や書籍、本として広いジャンルで世界中から愛されています。理想ばかりを追い続け現実逃避している世界をファンタジーに変えて世の人々に伝えています。
学ぶことの多い作品でもあります。どのような内容なのかを順番にご紹介していきます。
幸せの青い鳥のあらすじ・ストーリー
魔女が突然あらわれるところからスタートします。「自分の孫が病気で寝込んでいて助けてほしい。幸せの青い鳥がいればこの病気が治る」と告げるのでした。
そこから幼い2人のアドベンチャーのスタートです。では、順番にご紹介してきます。
貧しい兄妹が「幸せの青い鳥」を探すために旅に出る
魔女は妖精を彼らに託します。2人はどんなことが待っているのか、ワクワクしながら妖精の後をついていきます。そして色々な空想の世界を尋ねるのです。
妖精の力を使って占う白魔術について詳しく知りたい方は、こちらも良かったらご覧ください
様々な場所を冒険するが、幸せの青い鳥は見つからない
最初に訪れた処では、鳥の住みかを見つけることができ喜びますが、国を出た瞬間に黒々とした鳥へ変わってしまったのです。次を探すことになった彼らは、次なる世界に移動します。
見事見つけることができて喜ぶ2人ですが、そのつかの間、手に入れてしばらくすると死んでしまい持って帰ることができなくなったのです。そこで母親の「朝ですよ」の声で目を覚まします。
作者の思惑とは
手に届きそうにもない自分の身の丈に合わないものを入手できたとしても、無理があり維持することは難しいことを匂わせているのではないでしょうか。無理をしないで自分なりの幸運を見つけることが最適といえます。
冒険から戻ると、幸せの青い鳥は家の鳥かごにいた
残念がる彼らが、ふと飼育している鳥かごを何気なく見ると、いつも見慣れた自分たちの家族でもある「青い鳥」がいたのでした。
というのが概説ですが、実は原作にはこの後の続きがあったのです。
幸せの青い鳥の結末には続きがある!?
絵本だと発見しハッピーエンドになっていますが原作は違いました。一体どんな内容になっているのでしょうか?大人になったからこそ感じる、その結末とは?
青い鳥は飛び去ってしまう
深い意味が詰まっていました。願いを叶える神秘的な青い鳥と、一緒にこれからも暮らしていこうとしていた矢先に逃げて、どこかへ消えてしまったのです。なぜ逃げる必要があったのでしょうか?謎を解明していきましょう。
原作の「幸せの青い鳥」のラストについての考察
とても意味のある文章でつづられており、作者がどうしても世に伝えていかなければいけないと思ったメッセージが刻まれていたのです。
なぜ「青い鳥=幸せ」が逃げるというむなしいラストなのか?
幸福時間は儚くて一瞬で過ぎ去ってしまうことを伝えています。長くは続かないものだという作者のメッセージだったのです。ファンタジーの世界では、ずっとハッピーなことが理想です。
むなしいものではなく、生きていれば色んなことが起こるからこそ味わいある生き様になるという想いが込められているのか?理由に迫ります。
「幸せの青い鳥」の考察①現実を受け入れることへの教訓
私たち人類は今よりももっと上を目指そうと野望を追い求める性の甲斐あって急激な発展を遂げられたのです。でも追い求めていると目の前のことに気づかなくなります。
自分の置かれているポジションに担う生活を受け入れ過ごすことで本当の幸いとは何か?を見つけることができると伝えたかったのではないでしょうか。
囲っておくものは幸運とは言えない
夢は自分で掴むものだから達成感を得られます。幸運もすぐ掴めるところにあれば安心はするでしょう。ですがどこに転がっているかわからない未知の存在だからこそ、訪れたときの幸福感は素晴らしいものなのです。
「幸せの青い鳥」の考察②「幸せ」が「常に」あることへの疑問
人生山あり谷ありとあるように、色んな出来事が起こります。幸いは一瞬のもので、ずっとは続かず過ぎ去るものです。だから私たちはまた感じたくて探し求める旅に出かけるのです。それが生きる醍醐味だと伝えたかったのでしょう。
彩り豊かな生き方になる
ずっと平坦な道なりでは退屈なように、人生においてもさまざまな出来事があるから、面白くなるものです。たくさんのことを経験するからこそ内面も磨かれ、生き方そのものも反映されるのではないでしょうか。
多くの人が共感
題材になっている作品が多く世に出ています。多くの人から共感を得ているから生まれるものです。たくさんの人がより良いものを求め彷徨っていることが浮き彫りになる社会現象といえるでしょう。
「幸せの青い鳥」には続編があった!
幼い兄妹が成長したストーリーも出版されています。本編ではハッピーは身近なところにあるとよ読者に伝える内容でした。続編はどのような内容になっているでしょうか?そして作者は読者にどんなメッセ―ジを残しているでしょうか?
「幸せの青い鳥」の続編「チルチルの青春」
16歳に成長した兄がメインの話です。あのときの魔女が再度姿を出しハッピーな結婚をするため相手を探してあげようと告げるのです。昔と同じように国々を巡ります。その相手はかつて病気だった孫でした。
フィアンセとして決定打となったのは兄の未来の子供たちが魔女の孫に抱きついて、未来の妻に選んだのです。よく子供は親を選んでやってくるといいますが、まさにそのことを再現した物語になっています。
現代へ受け継がれるメッセージ
親が子供を傷つけてしまう悲しいニュースが多いです。親を選んでこの人の子供になりたいとやってくるとあります。選ばれたことを恥じぬよう親としての役目を全うしたいものですね。
「チルチルの青春」から考えること
続編では見えるものに対しての幸運ではなく、見えない命であったり家族、自然という当たり前のように感じてしまう幸いがあるということを伝えたかったのではないでしょうか?
失ってから気づくという言葉があるように、近すぎることで見えないハッピーな存在を改めて感じる結末だといえます。
今考えていかなければならないテーマ
豊かな時代になった今だからこそ、改めて見えない本当の大切なものを壊さないように維持し称えていく必要があるのではないでしょうか。例えば、自然は当たり前のようにあります。ですが人間の手によって汚染や破壊が進んでいます。
たくさんの動生物と共に生活していくため、食べていくためにも自然は大切です。自然があるから生きていけるのです。
「幸せの青い鳥」が由来?「青い鳥症候群」とは
今の自分は本当の姿ではなく、もっと理想を追い求めることができるのではないかと、現実に置かれている状況よりも先のことを考えて追い求める姿のことをいいます。症状や陥りやすい人の特徴、改善法をまとめました。