【アゲハチョウの幼虫】餌や種類、飼育の様子もご紹介!  

アゲハチョウの幼虫が何を食べるかご存知ですか?アゲハチョウというとナミアゲハのことと多くの人は考えてると想像できますが、食べ物はアゲハチョウそれぞれです。今回は、そんなアゲハチョウ幼虫の種類や食べられる植物、飼育時の様子を詳しくご紹介となります。

この記事をかいた人

お役にたてる情報を紹介していきたいと思います。
Array

アゲハチョウの成虫や幼虫の時期と種類

KIMDAEJEUNG / Pixabay

良く見るとアゲハチョウは個体によって多少雰囲気が異なります。また季節がかわると成虫の雰囲気が変わってくるのです。それは色調やハネの大きさなのですが、なぜ雰囲気が変わるのでしょうかその理由や雰囲気の違いを見てみましょう。

季節によって成虫の雰囲気が変わる

mageephoto / Pixabay

アゲハチョウは一年を通じてみると代替わりが起こっています。蛹から成虫になる季節が羽のサイズや色に影響しています。季節型と呼ばれ春、夏、秋で少しづつ異なります。ナミアゲハなどを一つ取り上げて特質をご紹介していきます。

ナミアゲハ春型

春型は春に成虫になるもののことです。ナミアゲハの春型は冬の間の数か月を蛹のままで過ごし春の訪れとともに蛹から羽化していきます。ハネの大きさも小さくあくまで夏型と比較ですがハネの色も薄くなっています。春型が小さいのは厳しい冬を過ごしたためエネルギーを消耗したからです。

ナミアゲハ夏型

夏型は夏に成虫になるアゲハのことです。春型に比べると大きいサイズで特色と言えるデザインの黒い色の部分も大きくなっています。蛹のままでいる状態が2週間位と短くひと冬を蛹で過ごす春型などに比べ成長がとても速いのです。

ナミアゲハ秋型

秋型は秋に成虫になるアゲハの呼称です。夏型のナミアゲハが産卵した卵から成長し蛹を経て成虫になったものです。サイズは春型と夏型のちょうど中間レベルの大きさで色調も同様に濃さは真ん中くらいとなっています。

アゲハチョウ幼虫の種類や分布

日本のどこにどのようなアゲハチョウがいてどのような特質があるのでしょうか?関心をそそるポイントなどもありますので写真なども利用しご紹介します。種類によっての持ち味で意匠として使っても美しいハネもみてください。

ナミアゲハ

成虫は全翅長(頭より頭側のハネの端までの長さ)35~60mmの大きさでナミアゲハが唯一アゲハチョウと考えている方も多いのではないでしょうか。北海道から沖縄まで広く分布し、地域によっては3月~11月の長く見ることができます。ハネは大変美しいデザインを持っています。

幼虫は緑の体に目のに見える大きなデザインをもっているのです。これは蛹になる前の終齢と呼ばれるもので体長は5cmほどです、その前は黒ずんだ体色です。鳥からの捕食を避けるために鳥のフンに間違えられるようにしているのです。

ジャコウアゲハ

成虫は前翅長が42~60mmの大きさでハネの色はオスは黒、メスは黄色がかった灰色。赤色や黄色の毛が胴体にはあります。本州、四国、九州、沖縄などに分布しています。ゆったりとあまりはばたかずに飛ぶのが特質です。毒を体内に持っているという特徴もあります。

ジャコウアゲハの幼虫は他のアゲハチョウが終齢になると色が変わるのと異なり、黒い色のままの状態です。中央部に白いラインを有しており。体全体にイボ状の突起物があり少しグロテスクな感じをうけるかもしれません。

アオスジアゲハ

アオスジアゲハの成虫は全翅長32~45mmで青白いスジが黒い下地のハネに入った大変美しいアゲハチョウです。本州、四国、九州、沖縄に分布していますが南方系のチョウで東北地方を北限としています。飛ぶ力に秀でており、速いスピードで飛び回ります。

アオスジアゲハの幼虫(終齢)は大変美しい緑色をしており、ほかのアゲハチョウの幼虫に比べシンプルな外観です。特質的なのは蛹ですが、蛹は幼虫のえさとなる樹木の葉に擬態した形をしており鳥などの捕食から身を守っています。

キアゲハ

成虫は全翅長36~70mmで大きなアゲハチョウの仲間に入ります。北海道、本州、四国、九州に分布しています。ナミアゲハと間違えることもありますが、色調が全体的に黄色いのとハネの前の方の付け根部分が黒くなっているのが特質です。

キアゲハの幼虫(終齢)は緑の下地に横方向に黒いラインが入り黒いラインの途中に黄色の点が規則正しく並んでいます。かなり派手な感じですが、食物である植物の中にいるとなぜか目立たなくなります。鳥などに捕食されにくい模様です。

クロアゲハ

黒い色あいの大きなアゲハチョウがクロアゲハです。成虫は全翅長45~70mmと大きくなるものもいます。本州、四国、九州や沖縄に分布しており暗い場所を好み、樹木が生い茂ったやや暗い場所を飛ぶ姿が見られます。市街地から山岳部まで比較的多くみられる種類です。

クロアゲハの終齢幼虫はナミアゲハの幼虫に似て、緑の体に大きな目のようなデザインが特質です。頭からしっぽ部分にかけて薄茶色の帯のような模様が複数個所あるのがナミアゲハと違っているところです。ナミアゲハはこの帯のような模様があまりはっきりせず少し濃い緑色となっています。キアゲハの飼育方法はこちらです!

アゲハのからだ

アゲハの成虫のからだについて少し解説します。成虫の体は頭、胸、腹の3つの部分からなっており、胸にはハネが4枚とあしが6本ついています。頭の先には触角があります。触角はたくさんの節でつながっており、においなどを感じるのです。

目は複眼と呼ばれたくさんの個眼が集まってできています。個眼は6角形をしており約12000個集まっています。個眼には3パターンのフィルターがあり、黄色、赤、ピンクの3パターンの色をしています。アゲハが見ている色は私たちが感じている色とは異なるものです。

ハネは前バネが2枚と後バネが2枚あり表面にりんぷんがついています。アゲハチョウの模様はこのリンプンの色の違いから来ていますが、色ごとに形も異なっています。りんぷんは毛が変化したもので、りんぷんを取るとハネ自体は半透明です。

アゲハチョウなど生きた昆虫にあえるスポット

アゲハチョウの特質や分布地をご紹介しましたが、一度に多くのチョウや昆虫にあえるスポットとして昆虫園があります。ここでは昆虫園について関東と関西でひとつづつご紹介していきます。このほかにも規模の大小はありますが各地に昆虫館はありますので、ネットなどで調べてみてください。

多摩摩動物公園昆虫園

東京の多摩動物公園にある昆虫を展示している施設です。昆虫全般ですのでカブトムシやクワガタ、ゴキブリなども展示されていますが昆虫ユートピアと言う温室内をチョウチョが乱れ飛んでおり、心をいやしてくれるおすすめスポットです。

伊丹市昆虫館

大阪の伊丹市にある昆虫館です。広さ600平米のチョウ温室があり、実際に飛んでいるチョウをまじかに見ることができます。関西地区としては最大級の大きさを持っており、子供たちに人気です。定期的に昆虫に関する催し物も行われています。てんとう虫に関する記事はこちら

世界最大のアゲハ

日本の昆虫は気候風土もあり、それほど大きくはなりませんが熱帯雨林地方などではとても大きな昆虫がいてテレビなどでその大きさにびっくりするものです、日本ではほかのチョウチョに比べてみても大きいアゲハチョウですが海の向こうではどの程度の大きさになるのでしょうか?

アレキサンドラトリバネアゲハ

パプアニューギニアのオロ州でも極めて限られた区域にのみ住んでいるアレキサンドラトリバネアゲハはメスの翼長は28cmになります。金属的な青色の美しい色をしており、成虫はハイビスカスの花の蜜を吸います。幼虫はとても大きく全長12cmです。

アゲハチョウの幼虫が好む食べ物は?

アゲハチョウの幼虫についてご紹介してきました。さてアゲハチョウの幼虫はどのようなものを好むのでしょうか?実は幼虫は特定の葉しか食べないのです。究極の偏食といえるアゲハチョウの食べ物をご紹介します。

チョウの幼虫は偏食家

アゲハチョウの幼虫に限ったこととはいえませんが、チョウの幼虫たちは食草や食樹といわれる特定の食物しか食べません。産卵の時メスの成虫は産卵場所としてそれらの植物を選びます。目当てのチョウを見つけたい場合にはそのチョウの食草や食樹を探してみるのが良いでしょう。チョウの幼虫は特定の植物しか食べることができない偏食家なのです。

同じアゲハチョウでも種類で食草が違う

食べるものが種別によって異なるという面白い習性についてです。アゲハチョウで頭に浮かぶのはナミアゲハのことではないかと思いますが、アゲハチョウはナミアゲハの他に多くの種類が存在します。それら種類ごとに好んで食草や食樹が異なっているのです。

ミカン、カラタチ、サンショウなどの柑橘系の葉を好むものが多いですが、クスノキを好むアオスジアゲハ、ウマノスズクサを好むジャコウアゲハなどもいます。キアゲハはセリ科を食草としています。

アゲハの仲間はとても限られた植物しか食べません。なぜでしょうか?チョウに似た昆虫としてガがいますが、チョウはガに比べて極めて少数派だからです。ガの歴史はとても古く新参者のチョウはガの食べないものを食物として生き延びてきたのです。

チョウの幼虫は食欲旺盛

チョウの幼虫はとても食欲旺盛です。ナミアゲハの幼虫は最初は黒に白い模様で鳥の糞に擬態していますが、サナギになるのが近くなると緑色の幼虫となります。このころには体長も5cm程度になりかなり食欲も旺盛でエサとなる木が小さいと食べつくされてしまいます。特に複数個体を飼育するには多くの食草を必要とします。

食草選びは農薬や殺虫剤に注意

チョウの幼虫を飼育する際には食草を準備する必要があります。その際には無農薬のものや殺虫剤の使用されていないものを選びましょう。幼虫が弱ったり死んでしまうことがあります。山椒の木など比較的簡単に手に入りますが、1ケ月ほど雨にさらしておくのが良いでしょう、あるいは一度冬越しさせ新たな葉がでる翌年からにするとなお良いです。

アゲハチョウの成虫の食べ物

アゲハチョウの成虫の食べ物は花の蜜です。ナミアゲハやクロアゲハ、カラスアゲハなどは赤い色の花を好むと言われています。百日草などの赤い色の花にアゲハが多いのはそのためかもしれません。ヤブガラシの花は赤くないのにいろいろなアゲハが飛んできます。

NEXT アゲハチョウの成虫の食べ物