【アゲハチョウの幼虫】餌や種類、飼育の様子もご紹介!  

アゲハのからだ

アゲハの成虫のからだについて少し解説します。成虫の体は頭、胸、腹の3つの部分からなっており、胸にはハネが4枚とあしが6本ついています。頭の先には触角があります。触角はたくさんの節でつながっており、においなどを感じるのです。

目は複眼と呼ばれたくさんの個眼が集まってできています。個眼は6角形をしており約12000個集まっています。個眼には3パターンのフィルターがあり、黄色、赤、ピンクの3パターンの色をしています。アゲハが見ている色は私たちが感じている色とは異なるものです。

ハネは前バネが2枚と後バネが2枚あり表面にりんぷんがついています。アゲハチョウの模様はこのリンプンの色の違いから来ていますが、色ごとに形も異なっています。りんぷんは毛が変化したもので、りんぷんを取るとハネ自体は半透明です。

アゲハチョウなど生きた昆虫にあえるスポット

アゲハチョウの特質や分布地をご紹介しましたが、一度に多くのチョウや昆虫にあえるスポットとして昆虫園があります。ここでは昆虫園について関東と関西でひとつづつご紹介していきます。このほかにも規模の大小はありますが各地に昆虫館はありますので、ネットなどで調べてみてください。

多摩摩動物公園昆虫園

東京の多摩動物公園にある昆虫を展示している施設です。昆虫全般ですのでカブトムシやクワガタ、ゴキブリなども展示されていますが昆虫ユートピアと言う温室内をチョウチョが乱れ飛んでおり、心をいやしてくれるおすすめスポットです。

伊丹市昆虫館

大阪の伊丹市にある昆虫館です。広さ600平米のチョウ温室があり、実際に飛んでいるチョウをまじかに見ることができます。関西地区としては最大級の大きさを持っており、子供たちに人気です。定期的に昆虫に関する催し物も行われています。てんとう虫に関する記事はこちら

世界最大のアゲハ

日本の昆虫は気候風土もあり、それほど大きくはなりませんが熱帯雨林地方などではとても大きな昆虫がいてテレビなどでその大きさにびっくりするものです、日本ではほかのチョウチョに比べてみても大きいアゲハチョウですが海の向こうではどの程度の大きさになるのでしょうか?

アレキサンドラトリバネアゲハ

パプアニューギニアのオロ州でも極めて限られた区域にのみ住んでいるアレキサンドラトリバネアゲハはメスの翼長は28cmになります。金属的な青色の美しい色をしており、成虫はハイビスカスの花の蜜を吸います。幼虫はとても大きく全長12cmです。

アゲハチョウの幼虫が好む食べ物は?

アゲハチョウの幼虫についてご紹介してきました。さてアゲハチョウの幼虫はどのようなものを好むのでしょうか?実は幼虫は特定の葉しか食べないのです。究極の偏食といえるアゲハチョウの食べ物をご紹介します。

チョウの幼虫は偏食家

アゲハチョウの幼虫に限ったこととはいえませんが、チョウの幼虫たちは食草や食樹といわれる特定の食物しか食べません。産卵の時メスの成虫は産卵場所としてそれらの植物を選びます。目当てのチョウを見つけたい場合にはそのチョウの食草や食樹を探してみるのが良いでしょう。チョウの幼虫は特定の植物しか食べることができない偏食家なのです。

同じアゲハチョウでも種類で食草が違う

食べるものが種別によって異なるという面白い習性についてです。アゲハチョウで頭に浮かぶのはナミアゲハのことではないかと思いますが、アゲハチョウはナミアゲハの他に多くの種類が存在します。それら種類ごとに好んで食草や食樹が異なっているのです。

ミカン、カラタチ、サンショウなどの柑橘系の葉を好むものが多いですが、クスノキを好むアオスジアゲハ、ウマノスズクサを好むジャコウアゲハなどもいます。キアゲハはセリ科を食草としています。

アゲハの仲間はとても限られた植物しか食べません。なぜでしょうか?チョウに似た昆虫としてガがいますが、チョウはガに比べて極めて少数派だからです。ガの歴史はとても古く新参者のチョウはガの食べないものを食物として生き延びてきたのです。

チョウの幼虫は食欲旺盛

チョウの幼虫はとても食欲旺盛です。ナミアゲハの幼虫は最初は黒に白い模様で鳥の糞に擬態していますが、サナギになるのが近くなると緑色の幼虫となります。このころには体長も5cm程度になりかなり食欲も旺盛でエサとなる木が小さいと食べつくされてしまいます。特に複数個体を飼育するには多くの食草を必要とします。

食草選びは農薬や殺虫剤に注意

チョウの幼虫を飼育する際には食草を準備する必要があります。その際には無農薬のものや殺虫剤の使用されていないものを選びましょう。幼虫が弱ったり死んでしまうことがあります。山椒の木など比較的簡単に手に入りますが、1ケ月ほど雨にさらしておくのが良いでしょう、あるいは一度冬越しさせ新たな葉がでる翌年からにするとなお良いです。

アゲハチョウの成虫の食べ物

アゲハチョウの成虫の食べ物は花の蜜です。ナミアゲハやクロアゲハ、カラスアゲハなどは赤い色の花を好むと言われています。百日草などの赤い色の花にアゲハが多いのはそのためかもしれません。ヤブガラシの花は赤くないのにいろいろなアゲハが飛んできます。

ねぎの花にもアゲハが飛んできますがヤブガラシやネギは小さな花が集まって咲いており、口吻の短いアゲハが好むのです。口吻の短いアゲハチョウは大きな花の蜜を吸うことができません。虫は羽化してから1~2週間しか生きられませんがその間にたくさんの花の蜜を吸うのです。

成虫は口吻と呼ばれる口を伸ばして花の蜜を吸います。口吻には細かい毛が生えていて蜜の味を知ることができます。口吻の長さはアゲハチョウによって違っています、モンキアゲハは約40mm、ナミアゲハは約22mm、アオスジアゲハは約12mmと同じアゲハの仲間でも、長さが違うことで吸える花の種類も違ってきているのです。

アゲハチョウの幼虫の入手方法

さてアゲハチョウを幼虫や卵から飼育するにはどうすればよいでしょうか?どこに行けば手に入れることができるでしょうか?それは意外と簡単に見つかるかもしれません。次は幼虫を獲得するやりかたのご紹介となります。

食草、食樹を調べ探す

アゲハチョウを含むチョウ類の幼虫たちはとても食べ物が偏っていてで特定の草や木の葉しか食べません。食草や食樹といいます。食草や食樹には成虫が産卵した卵がついていたり、幼虫がついていることがあるのです。これらの食草や食樹を探してみるのもよいでしょう。

若い新芽に生んでいることが多いですが、暑い夏は葉の茂った下の方にいることもあります。幼虫がいれば葉をかじった跡があります。家庭にある木などに卵を産んだときは木にネットをかけて逃げないようにしましょう。また幼虫を飼育ケースに移すときは筆などを使うと良いです。

花屋に相談してみる

卵を入手する一つの手として花屋さんに相談してみるのも一つの手です。花屋さんに入荷する苗などにはアゲハチョウの卵がついていることが稀にあります。幼虫になると葉を食い荒らすので嫌がられるので、あらかじめお願いしておき卵のついた苗を購入しても良いでしょう。

オンラインショップで飼育セットを購入する

飼育セットが通販で購入することができますので、購入するのも良いでしょう。アゲハチョウの卵や食草(アゲハ草)などがセットになっており、すぐ飼育を始めることができます。近くに食草や食樹が無い場合とか庭やベランダが無い場合には手軽に始められる方法です。

アゲハチョウ幼虫の飼育前に用意するもの

アゲハチョウを育てるにはどのようなものを準備しておけばよいでしょうか?卵や幼虫を手に入れてから慌てないように事前に準備しておきましょう。飼育に必要なものを選ぶ際の注意点などもご紹介していきます。

飼育ケース

ホームセンターなどで売っているプラスチック製の小魚や昆虫などの飼育用ケースを準備しましょう。上面は網目になったふたのついているものが良いでしょう。ただしそこがアミになっているものは幼虫のフンがこぼれてしまいますので避けた方がよいかもしれません。

餌用の食草と割り箸や木の棒

餌用の食草を必要な量準備しましょう。ナミアゲハの場合にはミカンや山椒の葉を枝ごと与えておけば良いでしょう。餌の量ですが4齢までは一日葉っぱ10枚くらい、4齢を超えると50枚くらい必要です。カゴの中が葉っぱでいっぱいになるくらい入れておいても良いでしょう。

アゲハチョウは羽化するときに木につかまって羽を乾かしていきます。羽化の際につかまる木の棒を準備しましょう。割り箸でもいいです。羽化の際に木から落ちてしまうとハネがうまく広がらなくなります。

ティッシュペーパー

ティッシュペーパーを準備しましょう。キッチンペーパーでもいいですが新聞紙などでも代用できます。飼育ケースに入れて使用しますが目的は飼育中の中の余分な水分を吸着し、飼育ケースの中の湿度を保つためです。結露の発生などで幼虫が病気になってしまうことがあります。飼育用ケースの底に敷いて使用しましょう。

アゲハチョウの幼虫を移し替えるときにあると便利です。手で触ると幼虫が弱ったり、小さいときにはつぶしてしまうかもしれません。大きくなった幼虫には必要ないので小さな筆があれば十分です。

アゲハチョウの幼虫飼育時の様子①孵化から5齢

アゲハチョウ(ナミアゲハ)の幼虫飼育時の様子を写真や動画でご紹介します。まず卵の孵化から5齢幼虫までの成長の様子ですが見た目も大きさもとても大きく変化します。まるで同じ種類ではないかのような幼虫の変化はとても興味深いものです。

孵化~4齢はまるで鳥のフン

ナミアゲハは成虫が卵を産んでから5日~7日で生まれてきます。孵化した状態の幼虫の外見は全体に黒っぽく白い大きなスジが入っています。鳥のフンにそっくりです。鳥のフンに擬態することで鳥に捕食されるのを防いでいると言われています。その後3回脱皮をし4齢までは同じ外見です。4齢まで2~3週間です。孵化の動画をご覧ください。

ナミアゲハの幼虫は孵化した後に自分の生まれてきた卵のカラを食べてしまいます。生まれたばかりの幼虫はとても小さく体長は1~2㎜程度ですが、これから食草を食べて脱皮を繰り返し短い期間に5cmの幼虫に成長します。

5齢からは色鮮やかに変化し食欲も旺盛

ナミアゲハの幼虫は脱皮をして5齢になっていくと緑色に変化します。とても鮮やかです。体長も5cmほどになり食欲も旺盛です。食草を切らさないようにしましょう。蛹になる準備をしているのです。5齢で2週間から3週間過ごします。5齢幼虫が脱皮する様子の動画を見てください。

 

元々黒地に白い模様のあった4齢ですが5齢幼虫は緑色です。ただし脱皮した直後は、体色は薄く茶色に見える部分もあります。時間がたつと色鮮やかな緑色に徐々に変わっていくのです。目のように見える特徴的な模様も見ることができます。

稀に6齢や7齢になる幼虫もいる

ナミアゲハは孵化してから5齢幼虫になったあと次のステップとなる蛹に変化します。ところが中にはさらに脱皮を繰り返す個体もいます。過齢幼虫というのですが理由は良くわかっていません。なにか成長過程でエサ不足などの問題があると過齢幼虫になるという説もあります。

アゲハチョウの幼虫のからだ

アゲハチョウの幼虫の頭には固い毛があり、大あごや吐糸口と言う糸を吐く口があります。大きな目に見える模様は眼状もんと呼び幼虫はlここを膨らませて敵を驚かします。本当の目は頭に左右6個ずつありますがほとんど見えません。

体は頭から、前胸、中胸、後胸、第1腹節から第10腹節まであります。足は吸盤のような腹部のあしと成虫の足に相当するむねの足とがあります。また前胸と第1~第8腹節には気門とよばれる呼吸する穴があります。

幼虫にはたくさんの敵がいます。アゲハヒメバチやカマキリです。アシナガバチや鳥なども幼虫たちの敵です。幼虫は臭角や眼状紋などで威嚇しますが必ず身を守れるものではありません。幼虫たちの多くは蛹にさえなれないのです。

アゲハチョウの幼虫飼育時の様子②蛹から羽化

ナミアゲハの幼虫が5齢から蛹そして羽化してアゲハチョウになるまでどのように変化していくかをご紹介します。アゲハチョウなど昆虫などが幼虫から蛹そしてチョウへと変化していく様子を完全変態(メタモルフォーシス)と呼んでいます。

アゲハチョウの幼虫の蛹

アゲハチョウの蛹は緑色のものと茶褐色のものとの2種類があることが知られています。周りの状況に合わせて蛹の色を変化させ保護色となるようにしているのです。蛹の時は全く動けないので鳥などから捕食されないようにするためだと考えられています。ナミアゲハが蛹になる動画をご紹介します。

 

10日から2週間程度がナミアゲハの蛹の期間ですが、これは夏型と秋型のナミアゲハの場合です。春型のナミアゲハの場合には蛹の状態で長い冬を約5ケ月間過ごすことになります。(越冬蛹と呼ばれています)蛹になる前は体内の水分を出すためにフンが水分を多く含むようになります。

アゲハチョウの羽化

ナミアゲハは羽化直前には蛹がだんだん黒ずんできます。そしてハネの模様が外側から透けて見えてくるので、そろそろ羽化するのだということがわかります。蛹の上部が割れ成虫が出てくるのですがとても短い時間なので羽化を見るには注意が必要です。羽化の動画をご紹介します。

ナミアゲハの完全変態(メタモルフォーシス)の最終段階です。羽化する時間は様々で特定することが難しくなっています。じっと見ていても少し目を離していたら、羽化がが完了してしまい、もうチョウが飛んでいたということもしばしばです。成虫は1~2週間過ごします。

アゲハチョウにもいろいろな性格がある

ナミアゲハを触ったりすると、頭の後ろの方から黄色いツノのようなものを出します。臭角や肉角と呼ばれるもので、少しいやなにおいを発します。ただし触ったりしてもすぐに臭角をだすものとのんびりとして出さないものがいます。性格なのかよくわかりませんが面白い習性です。

アゲハチョウが産卵時に食草を見分けている方法

アゲハチョウのメスは食草や食樹といった幼虫が食べられる植物にしか産卵しません。メスが本来と異なる植物に産卵してしまうと、その種は途絶えてしまうでしょう。ではアゲハチョウはどのように産卵する植物を選んでいるのでしょうか?

アゲハチョウもドラミングする

アゲハチョウのメスは、産卵する植物を選ぶ際に葉の表面を前脚でコンコンとたたいてその葉が産卵するべき植物かどうか調べます。これは「ドラミング」と呼ばれています。その時に植物が持つ特有の味のようなもの(フラボノイドやアミノ酸)を感じ取っているのです。

蛹からの羽化は一瞬の出来事、見逃さないように!

アゲハチョウの種類や生育場所、成長の様子、飼育方法などご紹介してきました。育てるのはとても楽しく神秘的な体験です。羽化はその集大成ともいえる場面です。でも羽化の時はとても短く予測が難しいものです。見逃さないように、アゲハチョウの飼育を楽しみましょう。

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