アレイスター・クラウリー|世紀末の魔法使いか稀代のペテン師か

黒の魔法使いアレイスター・クラウリーはイギリスに生まれ、黒魔術の研究と実行のため世界各国を旅し数々の逸話と伝説を残しました。彼の生い立ちと実績そして崩壊寸前だった彼の実生活を紹介しながら悪名の陰に隠れている人間アレイスター・クラウリーに迫ります。

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世界で一番有名な黒魔術師「アレイスター・クロウリー」

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20世紀の中で一番力を持った魔術師と評されています。彼の場合は、奇抜な行為を繰り返したことからブラックな噂が絶えず、多くのバッシングもあった人物です。

厳格な家庭で育ちますが、いつしか神秘性に引き込まれていき、彼独自のワールドを作り上げていきました。たくさんの信じられない武勇伝をご紹介していきます。

アレイスター・クロウリーは現代の黒魔術師

神々しいものに大変興味を強く抱いており、おとぎ話に登場する魔法使いは空想の世界だけでなく、現世にもいると語っています。実際に多くの研究をしており実体験もしています。

タロット占いの一種を作り上げたり、破天荒な儀式を生み出すことで自身の世界観を作り上げていきました。後にこの奇抜さが仇となり多くの批判が挙がる元になるのですが、今までにない行動から異色の目で見られています。

アレイスター・クロウリーは「セレマ教」教祖

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自分が意志を示したことを行うことを教えとし、心の声を聞くことでありのままを受け入れることができ、それが己の人生だという考えを示しています。これが彼の人生の基盤となっています。

起源を辿るとキリストの教えに近いものとなっており、聖書と同じように法の書と名付けた書物を手掛けています。日本でも1980年以上に翻訳されたものが流通しています。

アレイスター・クロウリーは「銀の星団」創設者

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信仰を表現する組織は大勢で戒律を説いたり洗礼を受けたりと集団で儀式を受けますが、珍しく個人で特定の指導者の助言を聞き入れることができる画期的なシステムを作りました。会員制で階級に応じた儀式を取り入れました。

主な目的は、光と神への知識を追求することであり基本的な教えは自分の心のままに動きましょうというセレマ教が基です。

アレイスター・クロウリーの生い立ち

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独特な思考を持っていてユニークといえば聞こえはいいですが、飛び抜けてしまった才能は異色を放ちます。彼の生誕した家庭環境が宗教色の強い生きざまを作りだしたといえるでしょう。

一体どんな家庭で育ったのでしょうか?彼の人格が形成されたであろう生い立ちについてみていきましょう。

アレイスタークロウリーの両親は敬虔なキリスト教信者

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ビール製造を営む裕福な家庭で育ちます。影響は両親が熱心なキリスト教信者だったことでしょう。見えない力を信仰する濃い少年時代を過ごし、神のことばを教えとする私立小学校に入学しています。

家庭から通学するのではなく、寄宿舎で生徒たちと共に過ごし思いやりの心や協調性を学ぶつもりでした。陰湿ないじめが度々起こっており、彼の心を蝕みます。次第に神の教え自体も拒絶するようになっていきます。

アレイスタークロウリー「オカルティズム」へ傾倒

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反抗的な態度をとるようになっていき、オカルティズムに導かれるように心酔していきます。のちに出来上がる黒魔術では、キリストの教えを全否定しています。幼少期のトラウマがあったのでしょうか。

その反対に幼少時代に神のことばの世界にどっぷりつかって成長していることが、その後の彼の理念不一致のきっかけとなったのではないかと言われています。小さなころに経験したいじめや厳格な躾が歪んだ思考を作り上げていったのかもしれません。

キリスト教との決別「黄金の夜明け団」入団

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11歳のときに最愛のお父さんを突然亡くしています。心の拠り所がなくなったこと、神の教えについて違和感を覚えたことから一時は非行へ走ってしまいます。

父が息子の為に残してくれた資産からケンブリッジ大学へ進学すると落ち着きを取り戻し、新たなる居場所を見つけるため魔術サークルへ入ることとなります。これを機に大学は途中で辞めています。

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勉学を投げ出してまで熱中できるものが見つかったことが、前向きで意欲ある日々を送らせてくれたことでしょう。

黄金の夜明け団とは

男女という性別は関係なく、人間は同じで平等であるとの考えが基礎にあり、西洋の魔術を取り入れた考え方や儀式の方法と実行を学べる組織です。

キリストの教えを信仰している人物は意図的に避けられていた傾向があったと言います。これには神の神秘的な力を信じるのではなく、己の持っている力を最大限に向上させ魔術として用いる手法だったためのようです。

ここで学んだ知識は色々な分野で生かされることとなり、彼の人生において大切なエッセンスとなっています。

アレイスタークロウリー「黄金の夜明け団」追放!

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追放されてからの彼は、快進撃を繰り広げることとなるのです。研究を重ね自分独自の奥義を作り上げていくため、ある意味ここが起点となっているといっても過言ではないでしょう。

嫌な出来事を経験し凹んでしまうことも想定されますが、彼は原動力に変えて次なる目標に向かって突き進んでいくことができたのです。これも好きなものをとことん追求したいとの思いからでしょう。なぜ追放されることになったのか、顛末とその後を一つの項目にまとめて、みていきましょう。

アレイスタークロウリー「黄金の夜明け団」権力闘争に敗れる

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創立者の一人に上りつけた師匠メイザースが内部争いを起こしたことで、団が分かれました。結果は、敗れてしまったため追放されることに決まります。

メイザースを心酔していたグループは一緒に追放となり彼も同じく路頭に迷うことになるのでした。ですが、凹んでばかりはいられないと自宅に引きこもって自分流の魔術スタイルを考え込んだのです。

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この機がなければ独自のスタイルを確立させることはなかったかもしれないと言えるほど、引きこもった期間が後に重要ポイントとなるのです。ピンチをチャンスと変えて着実にステップアップしていくのです。

アレイスタークロウリー真理を求めて旅へ

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ネス湖からほど近いの家で学修に没頭したのち、色々な視野を広めることを目的として世界旅行に出かけます。訪れた地で、積極的に魔術の実践を行って、世界中の人々に対し未知の世界であった見聞を広めていくのです。

また彼も世界の色々な文化や風に触れていくことで新たな発見をし、独自の世界観を作り上げていくのです。父の残してくれた遺産があったからこそ未知なる世界へ羽ばたくことができたと言えます。

アレイスタークロウリー「エイワス」との出会い

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新婚旅行先のエジプト、カイロで妻を使って悪魔召喚を行った際、霊的エネルギーを召喚するのに成功します。妻の体にのりうつり自分自身と魂で交信を行います。

このときに、どこからともなく聞こえる声で聖典を伝えたとされます。部屋の隅から聞こえたと語っており、右肩から囁くようだったようです。

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後に名前を守護天使「エイワス」と公表しています。声を元に彼が「法の書」という本を執筆し、現世にも残っています。

守護天使について詳しく知りたい方は、こちらも良かったらご覧ください

アレイスタークロウリー「法の書」発表

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聖書のように教えが綴られており、守護天使の声で書物を書くように告げられたことをきっかけに筆をとります。内容は、自分の思った通りに行動することが記されています。

これを好き勝手に生きることと勘違いしがちではありますが、そうではなく自分の意思を尊重しながらも周りを見渡し、共存しながら生きていく方針を述べています。

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好き勝手と自由の境界線が大変難しいラインではありますが、自分を押し殺してまで他人と合わせることはないという思考を説いており、魂の声をきちんと聴くことで現実は作られていくものということを呼び掛けています。

簡単に整理をすると、夢は念じていれば叶うと言われるように、自分がやりたいと思っていること、意思があれば、それに向かって動くことで夢は現実のものとなり得ることを彼は訴えているのです。

魔術結社「銀の星」設立

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旅先で妻は出産をしています。無事に長女が誕生していますがインドで重度の感染症を患い他界しています。深く悲しみふさぎ込む毎日を過ごすようになってしまいますが、次女が生誕したのをきっかけに、少しづつ笑顔を取り戻していくのです。

気持ちも前向きとなった彼は、新しく「銀の星(A∴A∴)」を作るのです。益々のめり込むように術を磨き自分の可能性を伸ばしていきます。

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2つの団体を運営していくこととなった彼は、精力的な活動の裏で奇抜な思考から、世間の注目を集めるようになっていきます。

以前から夫婦仲はうまくいっているとは言い難い状態であり、このころにアルコールの依存症であった妻と離婚を決めています。独り身となった彼はますます幅広く活動をしていくのです。

アレイスタークロウリー「セレマ修道院」設立

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マスコミからも目をつけられるようになったわけですが、ジャンルを拡げた活動に熱心で新たなことにもチャレンジしていきます。イタリアのシチリア島に念願だったセレマ修道院を設立します。

さらに魔術研究を深めていき自分自身も追及していくのですが、この熱意が仇となりバッシングのきっかけともなったのです。

アレイスター・クロウリー|麻薬とセックス中毒

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10代のころから晩年まで麻薬とセックス中毒症状は続いています。彼の術研究とセットとなっており切っても切り離せないものでした。人生の大半を共に過ごしているパートナーのような存在にもなっています。

これを技習得のためのものなのか、自分自身の欲求の達成のためなのか定かではありませんが、異常ともとれる衝撃な内容をご紹介していきます。

若年期から麻薬の常用「ヘロイン中毒」

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少年時代から薬物にはまっていました。一度使ってしまうと脳が快楽を覚えているために止めることができない薬です。中でもヘロインは他の薬物とは別格とも言われるほど、快楽を感じる度合いが高いとされています。

現代も同じといえますが薬物=セックスとセットになっているように彼も、この構図にはまり抜け出せない迷路のようでした。重度の中毒になっていったのです。

セックス中毒

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厳しい性道徳を推奨し抑圧されたヴィクトリア朝時代に生まれているためか、反抗的になっていった彼は10代のころから娼婦と交わっています。

厳格な母親への密かな反発ともとれますが、母のベッドでメイドと行為にふけるなど性に奔放で社会に対して無言で反論するように、性へのめりこんでいき自分の中の感情をコントロールしていたのかもしれません。

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不満足な部分を、他人と交わることで解消をし肌が触れ合っていないと不安で常に誰かを求めていたのでしょう。

アレイスタークロウリーと性魔術

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魔法研究では性魔術も積極的に行っていました。身体を交わすことで興奮や満足感といった感情から自然的なパワーを交換できるとされます。

セックスをすることで思いもよらない強力なパワーになると考えられました。性とは、心が生きると書いて表すように、人間にとって切り離すことができない自然エネルギーなのです。ここに注目をしたのでした。

イシスの性魔術

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性の力を用いて己の意識を変動させます。脊柱の根元に眠っているといわれているスネークを目覚めさせることを目的とする術です。私たちの目には直接見えないものではありますが、聖なるパワーがみなぎるとされています。

これには、思考や知覚などの感情を司る精神機能である脳中枢までの通り道とされる神経に、神通力を加えることによって興奮を噴流させ、今よりももっと上昇した別の世界が開けるだろうといわれているのです。

パリ作業

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男性同士の行為も積極的に行っていました。初めての男性との行為は弟子のノイバーグとでした。女性だけでなく男性とも実験を行ったのは、神たちを入れ替えて交信をすることで、弟子からお金を寄せ集めることでした。

多くの術を試した結果、部屋中にスネークが湧き出るエネルギーを得たとされています。たくさんの回数を重ねるたびに異次元の世界へ飛び立つことができたのです。

アレイスター・クロウリー|イタリアからの追放

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イタリアに移り住んでからもますます黒魔術研究と儀式にのめりこんでいきます。信仰する信者も集まりなかなか活発だったようです。

精力的な活動とは裏腹に、住まいのある国から追放されてしまうのです。なぜそのような仕打ちがあったのでしょうか?その経緯をみていきましょう。

性教義「リベル・サメク」

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研究と称し麻薬を使っては、会員と儀式という名の元でセックスにふけりました。性の儀式を編み出したとされます。

自分の欲求のためのものだったのか、神秘的な何かを得ることができていたのか定かではありません。ただ、師匠から指示をされれば拒否をするわけにもいかない会員たちは、相手をしていくのでした。

信徒の事故死

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信徒が儀式中に死亡したことが問題視されています。麻薬を使いかなり激しい性行為が行われていたと明かされています。精神に異常をきたす信者も多かったと言われています。

薬物による脳神経伝達の乱れから起こる精神不安定が一因ではないかと憶測が流れています。また彼はサディスティックな一面をもっており、相手の痛がる表情や仕草に興奮を覚えていたようです。

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弟子のノイバーグが鞭で打たれたと本で明かしています。男性信望者の一人が、ネコの生き血を飲用したことで、感染症にかかり命を落としています。

動物・人間のいけにえの必要性を公言

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生きている物には全て力強いパワーを秘めているとされます。パワーの状態は、大きさや状態にも異なるといいます。生あるものが息を引き取ると、魂には制御されるものない状態になります。

神秘的な思考では、最高級のエネルギーを放っているものが生贄なのです。それもピュアな子供で知能の高い男の子だとより上質と称されています。

「アレイスター・クラウリー」ゴシップ雑誌の標的に

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教会内で奔放なセックスが行われていることから、マスコミの耳に彼の情報が入り目をつけられたのです。これによって張り込みや聞き取り取材を徹底的に行われ、化けの皮が剝がれるようにガタガタと正体が暴かれます。

神聖なる場所での不可解な行動、そして命を落としてしまった事実が報道陣にしてみると、格好の獲物でした。「世界一邪悪な男」「食人鬼」などという技を伝達している師とは程遠いニックネームががつけられたのです。

アレイスター・クラウリー「ムッソリーニ」の怒りを買う

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モラルにかける言動、いかがわしい儀式などをマスコミに暴かれたことで、ムッソリーニ率いる政府を敵に回しました。怒りを買い追放と命じられ、国のトップからの指示に従うしかなかったのでした。

独自の順風満帆なルートを進んでいたかと思いきや、一気に奈落の底へと落とされてしまったのです。

アレイスター・クラウリーと占星術戦争

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まことしやかにささやかれる彼と世界大戦の関わりについてです。当時、政治には占いが必須と言われるほど、浸透していました。

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