鉄棒ぬらぬらとは葛飾北斎!画狂老人卍などの先取りすぎるペンネームと作品たち

「蛸と海女」は多くの芸術家に衝撃を与えた様で、様々な芸術家達が模倣したとも言われています。模倣した作品以外にもパロディ画像や映画作品にも使われ有名になっており、最近では春画ブームを受けてスニーカーのデザインにまでなってしまいました。

春画を描いていた有名絵師たち

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ポルノ作品でもある春画はたくさんの有名な絵師たちがこぞって描いた事でも知られています。「鉄棒ぬらぬら」の他にはどのような有名な絵師たちが書いていたのかご紹介しましょう。一度は聞いた事のある名前で、驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

歌川国芳

国芳は「猫」の絵を数多く描いている浮世絵師です。北斎と同じく江戸後期に活躍した人物で、「広重」や「国貞」と同じ歌川派として活躍していました。他にも宮本武蔵がクジラと戦う姿を描いた作品を書いており、NHKの番組「びじゅチューン」では歌にもなっています。

喜多川歌麿

美人画と言えば歌麿と言われるほど、代表作品の多くに美人画があげられる人物です。「ポッペンを吹く娘」などは様々なアイテムにデザインとして使われています。日本だけではなく世界レベルで有名なデザインとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。

歌川国貞

国貞は歌川派の絵師として、女性の絵や風景の絵を中心に活躍していました。女性の立ち姿や艶やかな着物姿などの作品を多く手掛けていますが、滝沢馬琴による小説「南総里見八犬伝」をパロディにした春画作品も描いています。

鳥居清長

八頭身の女性の姿を絵にしている鳥居清長も世界レベルの人気の高い絵師です。北斎よりも早い時代に絵師として活躍していた人物ですが、晩年は絵本や看板の絵付けなどを仕事にして生活していたとされています。

鉄棒ぬらぬら先生の筆が止まらない!そのほかの代表作

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女性や歌舞伎を描いた作品は、当時少しでも売れるようにと工夫を凝らしていたとされています。「鉄棒ぬらぬら」としての作品にも数々の面白い工夫が加えられており、性的な思考や性癖云々ではなく、浮世絵に込めたユーモラスな部分を表現しているのではないでしょうか。

鉄棒ぬらぬら作品①『萬福和合神』の表紙絵

作品を良く見てみると可笑しな事に気づきます。まず顔がきちんと描かれていません。のっぺらぼうでも描いたのかと考える方もいますが、実は男性の着物を着ているのも女性の着物を着ているのも、男性器と女性器なのです。思わず引いてしまうか笑ってしまうかは、見る人にもよりますが、描かれている男性器と女性器は仲良く肩を組み合っています。

鉄棒ぬらぬら作品②『富久寿楚宇(ふくじゅそう)』内

「冨久寿楚宇」という作品集において様々な「鉄棒ぬらぬら」作品が紹介されています。女性と男性が裸で絡み合うシーンでは性器の部分は大きく描かれており、体位や表情などよりもまず目がいってしまう部分です。技量もさることながらインパクトを与える絵を発表していたのだという事が分かるでしょう。

鉄棒ぬらぬら(葛飾北斎)が漫画・ゲームにも登場

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「鉄棒ぬらぬら」というペンネームは漫画やゲームにも使われている事をご存知でしょうか。漫画作品では、浮世を題材としたギャグマンガ「磯部磯兵衛物語」に登場してしますし、先にも少し触れたFate/GrandOrderというスマートフォンゲームでも活用されています。興味を持たれた方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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