「鉄棒ぬらぬら」の正体とは?
「鉄棒ぬらぬら」と、聞いてどの様なイメージを思い浮かべるでしょうか。濡れている鉄棒やヌラヌラと光っている鉄棒の事ではありません。実は有名な日本画の使っていた名前なのです。現代でも漫画家や小説家など、作品を世に送り出す事を職業としている方の多くが「ペンネーム」というモノを使っています。
日本画の巨匠葛飾北斎!
可笑しなペンネームを使っていた日本画家とは「富嶽三十六景」で有名な浮世絵師である「葛飾北斎」です。葛飾北斎は20歳で浮世絵師としてデビューして以降、様々なペンネームに変えて描いています。その名前の一つが「鉄棒ぬらぬら」です。何故この様に可笑しなペンネームを使う様になったのかに付いても触れていきますので参考にして下さい。
バラエティ番組、FGOでの登場で話題!
バラエティ番組などで取り上げられた事もある名前ですので、話題になった事を知っていた方もいらっしゃるでしょう。他にもアニメやゲームで人気の高い「Fate/GrandOrder」略してFGOでも登場した事で、名前を知ったという方も多いのではないでしょうか。様々なところで取りざたされた事で有名になったと言えます。
「鉄棒ぬらぬら」は葛飾北斎のペンネームだった!
江戸時代に活躍した浮世絵師である葛飾北斎には多くのペンネームがあったと言われており、当時にしてはとても長命で88歳で亡くなるまでに色々な言葉(号)を組み合わせたハイセンスでユニークなペンネームを使用しています。亡くなる直前まで使っていたのは「画狂老人卍」でした。
「鉄棒ぬらぬら」は春画を描く時用のペンネーム
北斎の号は色々な言葉の組み合わせで出来ていますが、浮世絵を描く場合のペンネームと「鉄棒ぬらぬら」はまた違った意味合いを持っています。実は「鉄棒ぬらぬら」は春画を描く場合に使っていた名前です。
鉄棒ぬらぬらはペンネームのほんの一部
春画を描く時のペンネームとはいえ、デビューしてから様々な名前を使っていた北斎にとっては屋号のほんの一部に過ぎなかったでしょう。インパクトのあるペンネームですが、性描写と風景画との違いを表したかったという事も考えられるのではないでしょうか。
春画とは
北斎も描いていた春画についてご紹介します。春画と聞いてどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。現代でいうエロ本の様なモノだと考える方もいらっしゃるでしょう。春画はいやらしい表現だけではなく、面白いとされていたので「笑い絵」と称される事もあったようです。
まくら絵ともいう
「まくら絵」とも呼ばれており、浮世絵との違いを表す為にそうのように呼ばれていたのでしょう。春画を専門的に描く枕絵師などもいた様です。まくら絵の他にもポルノ小説の様な位置付けの「読和(よみわ)」と呼ばれる作品もありました。南総里見八犬伝などで知られている滝沢馬琴も読和を書いています。
春画の存在
春画は江戸時代に明から伝わった「春宮秘戯図」と呼ばれる、様々な体位を表した作品がきっかけとも言われていますが、有名な浮世絵師たちが専属として春画を書いていたという事はあまり歴史上触れられてはきませんでした。伝統的なポルノ作品として、男性器や女性器を大きく印象的に描く事は縁起の良いモノであるとされていたようです。