石狩沼田幌新事件!人食い羆が起こした日本史上二番目の獣害事件

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羆がいなくなる際、妻の叫び声と念仏だけが静かな田舎町に響いていました。羆は非常に賢く高い学習能力を持つため重傷を負わせた夫よりも妻を連れて行ったのは女の人の方が力が弱いと学んだからでしょう。

石狩沼田幌新事件④悪夢の夜が明けて

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怪我人や死者などの様々な被害が出てしまいましたがようやく夜が明け明るくなりました。しかし、羆の被害はここでも出てしまいました。一夜明けてからの住民の行動とまた起きてしまった被害について説明します。

別の村人によってようやく外に

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羆がもしかしたらまだ近くで獲物を探しているかもしれないという恐怖に怯えていましたが外が明るくなった頃に偶然近くを通った村の人がいたことで羆が去ったことを知りました。そうして眠れない悪夢の一夜からようやく解放され助けを求めることが出来ました。偶然通りかかった村人の助けによって羆の被害はその日のうちに知れ渡ることとなりました。

ウメと与四郎が発見される

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羆が一旦はいなくなったことを知って脱出出来たのは良かったですが、家の持ち主の夫は知りたくなかった真実を知ってしまいます。まだ自分の家族が生きているかもしれないと信じて近隣を捜索していると藪の中から下半身をすでに食われていて上半身だけ残された自分の妻の変わり果てた遺体を見つけました。

そしてその側から今度は夜中に襲われて生きたまま埋められた兄を発見し病院へと搬送されましたが助かることはありませんでした。こうして家の主人であった夫は一夜にして家族全てを獣害によって失ってしまいました。

猟師の一人が単独で山に消える

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これほどの獣害事件ですからすぐさま腕に自信のある三人の狩人が助けに駆けつけてくださり、その中には羆殺しの名人と言われるスペシャリストもいました。

その中の一人が酷く憤慨し一人では危ないからと周りが必死に止めるのに耳を貸さずに単独で山へと行ってしまいました。そんなに自信のあった方でも羆に勝つことは出来ず何発かの銃声を響かせた後村へと帰ることはありませんでした。

石狩沼田幌新事件⑤羆の討伐

散々な被害を出した石狩沼田幌事件でしたがようやく終止符を打つことが出来ました。しかし、ここでもまた被害が出てしまいました。討伐の時の様子とその時の被害、事件の元凶である討ち取られた羆について説明致します。

討伐隊を襲う羆

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山へ狩人が単独で入って行ってしまった次の日300人もの応援が羆一体を退治するために集まり山へと入って行きました。そして羆を倒すべく山を歩いている最中に羆と出会い最後尾にいた男性一人が死亡しもう一人も重傷を負いました。

しかし、襲われそうになった軍人がとっさに撃った散弾銃が見事命中しそれをきっかけに次々と銃弾が撃ち込まれ多大な犠牲を払ってしまいましたがどうにか羆を仕留めることに成功しました。

事件の元凶たる羆

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この石狩沼田幌事件の羆はこの事件の8年ほど前に起こった三毛別羆事件の羆よりは小さかったものの2メートルはあり、体重も200キロあり標準的な羆の大きさでした。そして、身の毛がよだつことに解剖された羆の胃の中からは大量の人間の死体の一部が出てきました。こうして4日間にも及んだ羆による獣害事件は幕を閉じました。

石狩沼田幌新事件が起こった背景

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本来なら羆がわざわざ人里に自分から望んでやってくることはありません。このような悲惨な獣害が起きてしまったのは北海道だからでは理由がありました。羆の生態とともになぜこのような事態になってしまったのかを説明致します。

羆が冬眠できずに凶暴化していた

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羆は本来なら冬の間は穴の中で冬眠や出産などをして冬を越します。しかし、三毛別の羆や丘珠の羆のように冬眠が満足に出来なかった羆はお腹を空かせ冬の山には何もないため必然的に人里に降りてきて餌を求めます。お腹をすかせた獣が凶暴になってしまうのは仕方ないことです。

また夏も山の食料が少なくなってしまうため人里に降りてきて田畑を荒らすなどの被害が多く出ます。日本で起きた獣害事件の被害の大きかった事件のほとんどが夏と冬に起きているのも以上のことが関係していると言えるでしょう。

羆の保存食である馬を人間が横取りしにきたと勘違いした

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先ほど説明しましたが今回の発端となってしまったのは羆が餌を横取りされると思ったからでした。福岡ワンダーフォーゲル部の事件であったように羆に一度取られたものを奪い返そうとする、羆の餌が埋められている側をうろつくなどの行為は大変危険です。

羆に対する知識不足

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後に詳しく説明させて頂きますが、羆とは火を怖がらず他の野生動物と違っています。そして人間を遥かに上回る強靭的な肉体と運動能力を持ちます。それ故に正しい対処をしなければ今回のような悲惨な事件に発展してしまいます。

 

石狩沼田幌新事件のその後

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悲惨な獣害事件は討伐隊の命懸けの行動により終止が打たれましたが事件の残した爪痕はとても大きいものでした。土地であったり、被害に遭ってしまった人などに様々な影響を与えました。今回は事件のその後に起きた出来事をお話しします。

羆の毛皮は幌新小学校幌新会館を経て沼田町郷土資料館に展示

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三毛別羆事件で討たれた熊が資料館に飾られて事件現場も復元され忘れないようにされていますが、こちらの事件の熊も毛皮を幌新小学校に飾られていました。小学校が廃校になってしまった後も毛皮は他の場所に移され展示されて今でも沼田町郷土資料館に置かれています。こうして悲惨な獣害の事件を今でも忘れないようにしています。

林謙三郎はもう2度と山に入らず

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この事件の一番最初に羆と遭遇し怪我を負ってしまった男性はその後生涯山に入ることは二度とありませんでした。自身も重症を負いながらも必死に逃げて先を歩いていた人に知らせようとするなどとても勇敢な男性でしたがやはり羆がトラウマとなってしまい二度と山には入れませんでした。

幌新太刀別川上流部はダムになった

事件が起きてしまった幌新太刀別川上流部はその後炭鉱が出来て田舎にしては非常に多い2000人以上の人が生活をする街になりました。その後も鉄道が開通するなどし、非常に発展した街となりました。しかし、炭鉱が無くなったのをきっかけとし人が居なくなってしまいダムが作られ悲劇の地は消滅してしまいました。

「ゴールデンカムイ」にて触れられる

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ゴールデンカムイとはヤングジャンプで連載されていたバトル漫画です。アイヌについて書かれてる描写が多々ありその描写も上手く書かれていると評価も上々で、2019年には漫画大賞を受賞するほどの人気っぷり。そんな人気漫画でこちらの事件が触れられたので紹介していきます。

人気エピソード「モンスター」編

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どのストーリーもとても面白く人気があるのですが、石狩沼田幌羆事件を描いているモンスター編はとても高い人気を博しています。大雑把にモンスター編のあらすじを説明すると主人公の杉元が幼なじみの梅子の病気を治すために金塊を探そうとしていたところ例の羆に襲われるという話です。

事件を紹介したのでご存知かすとは思いますが内容が内容なので人気のあるストーリーでしたが地上波で放送することは叶いませんでした。しかし、ゴールデンカムイファンにはたまらない漫画19巻の特典としてモンスター編が映像で見ることが出来ます。

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