上京して暴力団関係の仕事をしたり、派遣会社で職を転々としましたが安定せず、詐欺で逮捕されます。2006~7年にもサイトを経由して犯罪を犯し、有罪の判決が下されていました。
人を殺すことへの抵抗はなく、ゴキブリを叩き落すことと大差ないという、異常な思考が読み取れる発言を残しており、2015年に死刑が執行されています。
闇サイト殺人事件の犯人②川岸健治
事件の首謀者である川岸は、1966年に石川県で生まれました。高校を中退したのち警備会社へ就職、妻子と共に生活をしていました。1999年、愛知県へ引っ越しマンションを購入、この頃からサイトの閲覧が始まります。
職が転々とするようになり、会社から借金をしては姿をくらますことを重ねて行いました。ついにはローンや税金の支払いが出来なくなり、マンションは差し押さえ、妻子は家を出ていきました。
2005年ごろにもサイトを媒体として行った詐欺で有罪となっています。金がなく借金取りに追われ車内で寝泊まりをする生活。その後もサイトの利用と閲覧を続け、現在は刑務所に服役中です。
闇サイト殺人事件の犯人③堀慶末
一審で死刑、控訴公判で無期懲役となった堀は、1975年に岐阜県で生まれました。幼少期に両親が離婚、中学・高校は学校に通わなくなり、兄の外壁工事の仕事を手伝うようになります。
18歳で結婚し子どもを授かりますが、23歳で離婚します。会社の負債に悩み、子どもの貯金や妻の所持品に手を出していました。
1998年に仕事仲間の2名と手を組みパチンコ店へ強盗の目的で侵入し、店長夫婦を殺害しました。2006年には女性の首を絞め現金を奪う、強盗殺人未遂の事件を起こしています。
今回の事件の約半年前に失業、携帯電話を触っていてサイトを見つけます。現在は無期懲役で服役中ですが、碧南の事件の裁判中で、2019年夏には判決が下されるとされます。
Contents
闇サイト殺人事件の被害者、磯谷利恵さんの生い立ち
磯谷さんは、幼いころからの夢を叶えるために努力し、未来へ希望を持ちその人生を歩んでいました。そんな彼女の生い立ちについてもご説明していきます。
幼少時代より母子で支え合って生きてきた、しっかりした性格
幼少期に父親を亡くした彼女は、母と2人で支えあい生きてきました。高校生の時には担任の先生に「素晴らしい娘さん」だと褒められる、立派な女性へと成長しました。
囲碁カフェで知り合った彼氏と語呂合わせでよく遊んだという
30歳のころに訪れた囲碁カフェで、当時大学院生だった瀧さんと知り合い、交際へ発展しました。彼女は幼少のころから語呂合わせ遊びを好んでおり、2人で言葉遊びをして楽しんだといいます。
この語呂合わせが、事件で登場する場面があったのです。ここから瀧さんは、被害者のメッセージを読み取りました。
闇サイト殺人事件の被害者、磯谷利恵さんの抵抗?暗証番号に込められた秘密
事件当日へと遡ります。車へと拉致された磯谷さんは、現金と銀行のカードを奪われます。金を引き出すための番号を問われ「2960」と答えました。
磯谷利恵さんが加害者に教えたキャッシュカードの暗証番号「2960」
この番号は、本来の暗証番号とは異なるものでした。そのため犯人たちは金を引き出すことが出来ていません。交際相手の瀧さんは、「2960」は「にくむわ」という意味が込められていると共に、彼女が生きる希望を諦めていなかったこと指していることがわかったのです。
闇サイト殺人事件の加害者・神田司が書いた手紙とは
死刑判決が下った神田は、裁判の期間中に知人へと手紙を送っています。その協力者がブログを開設し、神田からの手紙の内容が載せられました。
闇サイト殺人事件後に神田司は知人に手紙を送りブログを開設
このブログには、神田の事件への意見も載せられており「警察が腐敗している」という他人事を感じさせる内容や、共犯者2名を罵るといった内容です。
ここからも全く反省の色が見えないことが分かりますが、なんと自身の手で殺害した磯谷さんを中傷する言葉までも残したのです。
手紙には被害者女性・磯谷利恵さんを中傷するような内容が
神田は彼女についてブログで、「嘘つき姉ちゃん」「今後、彼女を一切信じない」「ガッタガタに震えている、マグニチュード10?」と言った誹謗中傷の言葉が並べ立てました。
殺人という罪を犯したことへの罪悪感の全く感じられない行動から、彼の異常性が伺えます。この異常性は、彼の生い立ちと無関係とは言えません。加害者の生い立ちが話題となった、別の凶悪事件の記事もご覧いただけます。
闇サイト殺人事件が元となった作品
この殺人事件を題材とした小説が発売されています。大崎善生氏の作品で、被害者の生い立ちに始まり、事件の詳細が一部始終書かたものです。
書籍「いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件」
この作品を作るにあたり、母・富美子さんへ協力を依頼し「客観的に書いていただけるなら」という条件で、取材が了承されました。事件を通して感じられる磯谷さんの心の強さや、娘のために戦った富美子さんの心境も書かれています。
ドキュメンタリードラマ「Home」
2018年12月、東海エリアで放送されている東海テレビの、開局60周年記念の番組でこの事件を再現するドキュメンタリードラマが放送されました。
このドラマでは、磯谷さん親子の目線の内容が多く含まれており、共に過ごした幼少期から判決後も続けられた富美子さんへの取材までを内容としています。富美子さんにも納得していただけるドラマになったそうです。
発展した闇サイト「ダークウェブ」
この凄惨な事件より12年が経った現在も闇サイトと呼ばれる危険なサイトは存在し、減るどころか発展しています。それらは「ダークウェブ」と名と形を変え、仮想通貨やテロリストが関係するような場所にもなってしまいました。
簡単にアクセスが出来ない
サイバー犯罪の事件では、ネット上の履歴を追跡することで捜査が行われます。しかしこのダークウェブというサイトは、ユーザーの匿名性を重視したブラウザを経由しており、暗号化され追跡が困難です。また、普通の検索エンジンではサイトを発見できないようになっているのです。
ダークウェブへの対策
ネットを媒体として拡大する犯罪に悩むのは、日本にとどまりません。2015年にインターポールがこれらのサイトの解体シミュレーションを行う専門プログラムを開発し、多くの国で対策が立てられています。
この様なサイトが関係した事件の被害に、か弱い動物も巻き込まれています。よろしければこちらの記事もご覧ください。
闇サイト殺人事件に類似。もうひとつの闇サイト殺人事件
ネットを媒介とした凄惨な事件から10年、神奈川県平塚市で類似する事件が起きてしまいました。ある男がサイトへ強盗・殺害の依頼を掲載し、ここで知り合った男2名がその報酬を目的として、当時80歳の女性を襲いました。
平塚・闇サイト殺人事件
依頼を実行した男2名は犯行に恐怖を感じていましたが、それ以上に依頼者からの恐喝に脅え犯行を行います。被害者は殺害され、実行犯2名は無期懲役が科されました。
しかし依頼者は2名の逮捕前に病死しており、どのような目的で依頼を行ったかは謎のままです。
身近に起こりうる犯罪の可能性
無差別に行われた犯罪をご紹介しましたが、闇サイトが関連した犯罪は誰しもの身近に存在しています。これらのサイトへ、個人情報が流出されている可能性も持っているのです。
気づかないうちに起きている犯罪
この投稿の女性が、2018年に写真を撮られ追跡をされるという被害に遭いました。機敏な彼女の対応に、犯罪の魔の手からは逃れられましたが、念のため警察へ連絡すると「ここ一帯で同じような内容の通報を受けている」という返事が。
「この地域にこの女の子がいる」という情報を、写真付きでサイトへ載せるという犯罪が起きているのです。そのような場所へ載せられれば、身の危険は非常に高くなります。
このように思わぬほど身近に、犯罪の可能性は存在しています。犯罪も多様化しているので、まずは自分自身の安全を確保できるよう対策が必要でしょう。
闇サイト殺人事件は残虐性の極めて高い悲しき事件
闇サイトを通して知り合った、素性も分からない見ず知らずの人間が起こしたこの事件は、多くの人の記憶に残る残虐で凶悪な事件となりました。希望をもって生きてきた磯谷さんの未来が壊され、母・富美子さんに一生かかっても消えない傷を残しました。
富美子さんは同じ事件が繰り返されないよう、また様々な事件の被害者の遺族が少しでも報われるようにと、講演会を行い戦い続けています。このような非情な事件が繰り返されないことを祈るばかりです。
こげんたちゃん事件についての記事はこちら
山地悠紀夫の生い立ちについての記事はこちら