筧千佐子とは?
短く整えられた艶のある髪型と、ふっくらとした風貌は、どこにでもいそうな主婦に見える彼女には裏の顔がありました。巧みに男性に近づいては、財産を手にしてきました。
異性が好きというよりも、背後に隠れている潤沢の財産が目当てで自分に気を惹かせては、遺産を懐に入れてきたのです。サスペンスドラマのようなシナリオが実際に起こっていました。
明らかとなっているだけでも4人以上がターゲットとされており、怪しいと疑惑を入れると11人以上もの被害者がいるといわれています。自分の天職といわんばかりに相続財産を手にしてきました。
彼女にはどんな魅力があって男性を虜としてきたのでしょうか?頭脳明晰な手口に注目しつつ彼女が、罪を犯してしまう背景について考察していきます。
筧千佐子が起こした関西青酸連続殺人事件とは?
パートナーになった男性に青酸化合物を密かに飲ませ、中毒死させる騒動が2007年から6年間にわたる13年までで連続発生しており、4000万ほどの現金を手に入れたとされています。
発覚したのは、被害者はいずれも高齢の富裕層男性で、遺産相続人が同じ女だったことから警察は目を光らせます。怪奇な出来事で世間は注目を集め、多くのメディアも連日のように彼女の元へ取材に出向きます。
夫に先立たれた未亡人とは言い難い軽快なトークは不気味なほどでした。頻繁に登場をしています。その正体こそ今世に後妻業と言葉を拡げたといわれる悪女だったのです。
哀れな妻を装っては取材にも応じていましたが、当時から怪しまれており何か重要な手掛かりを握っていると誰もが感じていたことでしょう。彼女が施した毒殺の手口をご紹介していきます。
筧千佐子の犯した罪①平成25年・筧勇夫さん殺害
ウォーキングが趣味であった彼は、妻と娘に先立たれてしまい真っ暗闇にいるような生活の中で、結婚相談所を介して知り合った彼女と、籍を入れます。近所でも評判の良い穏やかな性格の勇夫さんでした。
40年近く大手の電機機器を扱う社員として会社に貢献し、管理職を任されていたようです。彼女と一緒に散歩する姿が目撃されていますが、仲良くしているように見えて、裏では企んでいたのです。
自宅で死に至る量の青酸カリを飲ませて中毒死させました。司法検査で成分が検出されたことで事件として動くことになったのです。
飲み物に混ぜたのでしょうか?信頼関係が作られている妻が入れてくれた飲料を疑うことなく口に入れるのは日常の出来事と想定されます。
理由は結婚し自由になるお金がなく邪魔になったからと後に供述しています。約250万を引き継いでいます。
筧千佐子の犯した罪②平成25年・日置稔さん殺害
巧みに調合量を調整したのでしょうか?明らかに怪しい最期を遂げていますが体内からは毒物などの成分が一切出てこなかったといいます。
籍はいれていないので、交際相手ではありましたが内縁関係とみられています。旅行へ出かけたりと彼女との思い出作りに励んでいたようです。
内装工事の職人を従事し、誠実で寡黙な性格だったことが悪女の目にとまったのでしょうか。一緒にファミリーレストランで食事をした後に、体調が優れないことを訴え病院に運ばれますが、息を引き取ります。
財産を全て彼女に託すと証明する遺言書を作った後の出来事だったため、疑いが晴れないでいるのです。記載に間違いがないかをチェックした彼女には、もう用がなくなったのでしょう。
大金が手に入ると確信をしたことから、行動に移したとみられています。この件で1500万を相続しています。
筧千佐子の犯した罪③平成19年・末広利明さん強盗殺人未遂
たくさんの資産を手にしてきますが、借金もありました。株に手を出してはマイナスになっていたようです。末広さんからは借金をしており、その額4000万といわれています。主に株やFXの投資に費やしたといわれています。
倒れた日には、一緒にいたとされ病院に運ばれたときも付き添い、平岡と名乗っていた女から、胸を抑えて急に動かなくなったと聞かされたと彼の娘さんが語っています。
口癖は150歳まで生きたいとの言葉通り、体調管理は心がけており、絶命する前日に元気な姿を子供たちに見せているため、急変ぶりに戸惑いを隠せなかったといいます。
なかなかお金を返さない彼女に対して催促をしていたのでしょう。交際をしていたため、あまり強くも言えなかったのかもしれません。
彼女から全額を返すから会いたいと誘われ、カプセルを貰い飲んだことから意識を失ったのでした。2年間の闘病の末、甲斐なく息を引き取っています。
遺品整理のときに娘さんが発見していますが、筧が書いた借用書や領収書、きちんと払って返しますと掛かれた誓約書も出てきたといいます。
筧千佐子の犯した罪④平成24年・本田正徳さん殺害
健康面には何も問題がなかったはずでしたが、喫茶店で彼女とお茶をしてくつろいでいるときに容態が急変しました。
船の機長として真面目に勤務をしていた彼は、退職をしても身体に気を遣いジムへ通ったりと常日頃から管理していたようです。結婚相談所で悪い女にターゲットにされ運命が変わってしまいます。
お店を出る前に、用意していた毒物入りのカプセルを彼に渡してその場で体内に入れるのを目視しています。健康にいいからと手渡したのでしょうか。
信頼を寄せる恋人から貰えば、疑いもせずに飲むこともおかしい話でもないでしょう。海のように壮大な心を持った彼は、一瞬にして命尽きてしまったのでした。
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筧千佐子の犯した罪⑤他の男性の殺害容疑がかかっている
上記の被害者他にも疑いが出ています。3回目の結婚をしたとされる大阪在住の男性では2億ともいわれる資産を手にしたといわれています。
奈良県や兵庫県といった関西にかけてターゲットを見定め2000万~3000万の相続遺産を受けています。いずれも婚約者や内縁関係にあった男性が命尽きています。
一緒にいないときにバイク事故で絶命したケースもあり、カプセルを手渡し本人の飲むタイミングで容態急変異なるのでしょう。
彼女がなにかしら関与していると警察も目を光らせましたが証拠が不十分なことから、確実な容疑としてはあやふやになっています。
筧千佐子の生い立ち・プロフィール
男性を巧みに操り、他人のお金で財産を増やしていくことに成功を収めている彼女でありますが、どういった家庭環境で育ってきたのでしょうか?実は複雑な環境の元で成長しています。
金と男に絡んだ彼女の半生を見ていきましょう。
筧千佐子の生い立ち①美人と有名・勉強もできた高校時代
この世に生を受けたときから複雑な家庭が背景にありました。今では離婚率も高く女性の社会進出も増えたことから結婚せず子を持つ女性も増えつつありますが、当時は大変珍しく、未婚のまま出産をし千佐子と名付けます。
何か事情があったのでしょうが、家庭ある相手だったのか行方不明となってしまったのか定かとなっていません。後に養女に出され、養父は製鉄所に勤めていた社員で安定した家庭環境で育つことになります。
地元では美人で頭も賢いお嬢さんとして評判だったようで、相当モテたといわれています。偏差値68という高いレベルの高校に通い勉学に励みました。
昭和の名俳優である高倉健も同じ高校の卒業生とされています。彼女はもっと勉強をしたいと強く願い大学受験を視野にしていました。
現代のように男女が平等に勉学をする環境とは大きく異なっていた時代背景から、義両親が猛反対をし、住友銀行に就職しています。勤務態度も真面目で6年間勤めあげました。
本名は別の名前?
生を受けた環境が複雑でした。未婚のままで彼女を生んだとされます。母は山本を名乗っていたので、本当の名前は山本千佐子です。ですが幼いころに養子に引き取られていて山下に変わっています。
養女としての期間が長いため、山下姓が本名といってもいいでしょう。その後はいくつか結婚を繰り返しますので苗字も変わっています。4番目に結婚をしたのが最後で、現在は筧姓になっています。
筧千佐子の生い立ち②最初の結婚で夫の実家とは不仲
旅行で鹿児島県の桜島に訪れたときに、運命の出会いをします。トラック運転手だった夫は仕事で訪れた際に惹かれあったのでしょう。
養女として世話になった養父母は反対しますが、ほぼ駆け落ちするように夫の実家がある大阪へ飛び出します。夫の両親からも、快い出迎えをされなかったようです。
これには彼女が養子であったことや未婚の母の子供だという差別的なことだったとされます。そんな壁を乗り越え、娘と息子に恵まれ幸せな結婚生活がずっと続くと思っていたことでしょう。
トラックのドライバーは長期間の運転をするので家を留守にしがちとなります。家族との時間を長く持ちたいとの思いが強かったのでしょう。印刷業の会社を設立しTシャツにプリントしては販売していたようです。
当時の印刷技術で、青酸カリを使用してプリントをする手法だったことから彼女はこのときに出会っていることになります。このときは死を操る道具として使いこなすことになるとは想像もしてなかったことでしょう。
筧千佐子の生い立ち③夫の死後借金約3,000万円を背負う
従業員10人ほどの小さな会社で、印刷に関しての知識不足や経営についても無知だったことから傾き始めておりました。その矢先、夫が心臓病で倒れ死去しています。
夫がいなくなった後も、義両親からの嫌がらせは続いていたといいます。お金を自分で稼いで自立すれば、後ろ指をさされずに済むだろうと考え、早く何とかしなければと強く誓ったのでした。
子供と残された彼女には多額の借金が重くのしかかるのです。自宅も会社も競売にかけられ居場所のなくなった厳しい現実に、彼女は何を思ったでしょうか?やはりお金が全てだと悟ったことでしょう。
子供を育てていくため、借金を早くチャラにしたい願いから考えついた答えが、己の力を伸ばしていくのではなく、他人を頼りお金を受けとる方法が早く結果が現れると思いついたのでした。
筧千佐子の生い立ち④10か所以上の結婚相談所に登録
悲しんでいる間もなく、さっそく行動に移します。よりターゲットを増やすため、好都合の人物を見つけるため、たくさんのあっせん所を渡り歩きます。未来のために必死だったのでしょう。
- 高齢者であること
- 持病があっても大丈夫
- 資産があり、なおかつ収入が1000万
- 一人暮らしの会社経営者
この条件を提示しています。後になって思うことは、病気を持っていたほうが彼女にとっては都合がよかったのでさえ思ってしまいます。
頭の中で思い描いていたシナリオは確実に動き出していました。最初の夫の仕事である後妻業の幕開けとなったのです。
筧千佐子の後妻業の手口
未亡人となった彼女は、もともと備わっていた能力だったともいえる力を発揮していき男性を虜にしていきます。隠された本能だったのでしょうか?
まめなメールや手料理を作ったりして、とにかく尽くしまくっていたようです。独り身で寂しい暮らしをしていた高齢男性は、メロメロになっていったのでしょう。
そして極めつけはベッドテクニックで離れられなくしたようです。彼女の天職ともいえるであろう詳細をご紹介していきます。
筧千佐子の証言①私には男性をとりこにするテクニックがある
肉体関係を持った男性証言によると、離れられなくなってしまうほど虜になってしまうようです。高齢ですから男性機能が弱まっている人も満足するほどの技だったといわれています。
自分で自信たっぷりに言い切れるわけですから、相当な誇りを持っていたことがうかがえます。年齢を重ねていくうち遠ざかっていた興奮がまた経験できたと男性も喜んだのでしょう。
彼女は骨ぬきにしていくことで自分なしでは生きていけないように仕立て上げ、背後に眠るお金に手を伸ばしていったのです。
筧千佐子の証言②男が結婚後、私に求めるのは料理と洗濯と夫婦生活
名言として残りそうな言葉でありますが、言い切っています。相手が求めていることを瞬時に察知して行動する頭の回転の速さがあったのでしょう。
主婦を長年していましたから、家事は得意だったようです。一人暮らしを狙った理由は家庭料理に疎遠であったことでしょう。胃袋を掴むと言葉があるように料理はいつの時代も結婚相手に求める要素であります。
心のこもった料理は全身に染みわたり、極めつけの夫婦生活で満たされてしまったら男としての喜びが蘇ったことで、もう彼女なしの暮らしが考えられないものになっていったのではないでしょう。
筧千佐子のテクニック①絵文字たっぷりのラブメール
頻繁にメールを送っていました。10代の付き合いたてのカップルのような文面を作成していました。赤のハートマークは鉄板でしょうか。
見ている方が恥ずかしくなってしまうような乙女な内容を惜しげもなく送って、相手の心を射止めていくのです。名前の前には必ず愛する〇〇さんと加え、会えて幸せと愛情表現を日常から伝えていたといいます。
見返りを求めず、あくまで自分が思っている気持ちを伝えていったことで、男性は尽くされていると感じ寂しい独り身だった生活がお花畑となったことでしょう。
自分のことを無条件に愛してくれていると勘違いをし、彼女の思いに応えようとしてしまう男性たちが後を絶ちませんでした。
筧千佐子のテクニック②子供なし・疎遠・持病ありの男性を狙う
歳を重ねていくほど、人との関りが気薄となっていきます。自分の目の前に、愛情をめいっぱい表現してくれて、身のまわりの世話も嫌な顔せずしてくれるパーフェクトな女性が表れたとしたら舞い上がってしまうでしょう。
持病があったとして恋に奥手になっていて、自身がなくなっていても無条件にハートマークがいっぱいの愛のメッセージを送信してくれたら、自分にも自信がつきまた恋をしてもいいんだと思えてくるでしょう。
そんな孤立していたり持病もちで自身のもてない高齢者をターゲットに、つくして愛情を巧みに伝えて相手に信頼と自信を持たせていき、彼女の魅力として思ってもらうように操っていたのです。
筧千佐子の逮捕までの流れ
好き放題に男性を操り、自分の手を汚さずに殺めていき相続遺産を手に入れてきました。これこそ彼女が夢見ていた生活でありました。
かつての自宅と会社を競売にかけられ未来の見えなかったあのころとは違った生活が送れています。ですがいい思いは長く続きません。悪は罪人として制裁を受ける宿命なのです。
逮捕されるまでに他の男性の殺害の調査が始まった異例の動きを見せています。サスペンスドラマのようなシナリオに幕が閉じられるときがきたのです。
筧千佐子の4人目の夫の筧勇夫さんから青酸化合物が検出
新婚と言われるであろう結婚して2カ月後に、伴侶として選んだ妻に殺されています。彼女は、1階で株取引のためにインターネットをしていたと証言しています。
21時になって下に来ると告げていた夫が、なかなか来ないことで寝ている2階寝室を覗きに行くと冷たくなり変わり果てた姿を発見します。
自分で119番へダイヤルし、冷たくなって動かないと伝えています。解剖して調べたところ、毒物が判明し彼女が第一に怪しまれることになるのです。そこから警察と彼女の駆け引きがスタートするのです。
筧千佐子の関係先からも青酸化合物が検出
勇夫さんの胃からは、青酸カリの他にもう一つ薬物が検出しているのです。それは睡眠を促進する薬でした。彼女によく似た外見の女が薬局に足を運び、睡眠剤が欲しいと訴えていたことが判明したのです。
ただ処方箋がないと薬が渡せない旨を伝えると、違う種類で効果が弱いものを購入していったのです。犯行の手口は、睡眠を促進させる薬を飲ませた後、眠気で気が薄れていったところを見計らい毒物を無理やり摂取させたのではないかと憶測されています。
筧千佐子は取材で「根こそぎ調べてよ」と強気な発言も
積極的に取材協力をしている中でのやり取りで自信満々な会話が特徴的です。絶対バレないという確信でもあったのでしょうか?2人暮らしで夫が毒で死んでしまえば、疑われることくらいわかるとも言っています。
特別なものも食べておらず、誰かが自分のことを犯人に仕立て上げたいのだろうと物語まで作りました。そして続けます。子供に迷惑をかけるほど、痴呆は出ていないと告げています。
メディアに登場しては身の潔白を語りますが、その勝ち誇ったような態度や口調は世間にアピールしているのではなく、己に言い聞かせているような言動でありました。
筧千佐子は逮捕後無罪を主張
ついに御用となる瞬間がきました。警察の執念の捜査の結果ではありますが、彼女は断固として認めることはせず無罪を主張していました。
報道で流れていた強気な態度と同じように捕まった後も、シラを切り通したのです。日陰の塀の中で行われたやり取りについてご紹介します。
筧千佐子の逮捕後①初公判では「すべて弁護士に任せてあります」
3件の殺人と1件の強盗殺人の罪で、裁判が開かれます。2017年6月でした。初めての公判だったことから傍聴席をゲットしたい人の長蛇の列が話題になりました。