アカマタクロマタは撮影禁止の訪問神!豊年祭・人魚伝説との関係は?

この島でもうひとつ有名なのが人魚伝説です。ジュゴン漁が数多く行われたこの島には古くから人魚伝説が伝わっており、このジュゴン漁に関連する人魚伝説とこの地を訪れる神は関係性を持っているとされています。ジュゴン漁と関連のある人魚伝説とはどのようなものなのか説明していきます。

ジュゴン漁が盛んだった新城島

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この島では昔は食料として利用されていたジュゴン漁が盛んに行われていました。ジュゴンは西洋での人魚のモデルになったともされている生き物で現在は絶滅危惧種になっています。この生き物は西洋でも人魚のモデルと考えられていたように東洋でも不思議な力を持つものとして考えられていました。

ジュゴンの肉は不老不死の肉

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琉球王国ではこの肉を食べることで不老不死になることができると考えられており、その肉はとても重宝されました。また、不老不死以外の効能として媚薬にも使用できるとさられており、ジュゴンという生物自体を重要視し大事に利用されていました。現在では保護活動に形を変えながらこの神秘的な生物は大切にあつかわれています。

新城島は人魚神社(東御嶽)がある

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この神社は別名ジュゴン神社と呼ばれており、人魚との関係性を物語っています。この神社はこの島に存在する聖域であり、外部の人間はもちろん、島民であっても中に入ることは許されておらず、唯一中に入ることが許されているのは祭司だけとなっています。

祀られているのはジュゴンの骨

この神社に祀られているものはジュゴンの骨です。これは当時琉球王国に人魚の肉としてジュゴンの肉を献上した時や島民が食料としたときに残ったもので、この骨を祀ることで島民の生活を支えてくれたジュゴンへの供養としていると考えられています。

七問御嶽にはジュゴン100頭の骨が奉納されている

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同じくジュゴンの骨が関連している神社として、七問御嶽神社があります。この神社にはジュゴンの骨100頭分が奉納されており、人魚神社と同じく祭司とその関係者のみしか立ち入れない場所となっています。さらにこちらは男性厳禁という決まりもあり、女性のみが入れる神秘的な場所となっています。

アカマタクロマタ以外の日本の奇祭

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この離島のアカマタクロマタが来訪する祭以外にも、日本には古くから伝わっている奇妙な祭がいくつか存在します。そのうちのいくつかをご紹介していきます。これらの祭のような不思議で奇妙な祭が実はあなたのすむところの近くでも行われているかもしれません。

秋田県潟上市・統人行事(秋田県)

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なまはげで有名な秋田県男鹿市のある地区とで同じく秋田県の潟上市で行われている奇祭として、続人行事があげられます。この祭は、ヤマタノオロチをスサノオノミコトがうち倒すという有名な神話をモチーフに行われている祭なのですが何がこの祭を奇祭としているのでしょうか。

牛乗りが見どころの祭

このお祭りの見どころは何といっても牛乗りです。神話でスサノオノミコトが当時生贄の若い娘を求め暴れるなどの悪行を行っていたヤマタノオロチを酔わせて退治する場面を再現しているこの牛乗りは、毎年牛に乗る人が男性から選ばれ行われますが、この牛乗りがこの祭を奇祭としているのです。

泥酔状態での町内行脚

牛乗りに選ばれた男性は祭が始まる前にこれでもかというほどの酒を飲まされ、泥酔し半場意識もなくしたような状態で牛にのせられます。そしてそのまま牛の周りにサポートの男性が数人つきながらも牛乗り役の人はでいすいしたまま町内を巡回することになるのです。これがこの祭が奇祭とされている理由でしょう。

宮古島北部・島尻集落・パーントゥ

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アカマタクロマタが来訪する沖縄に存在する他の奇祭としては、宮古島北部の集落で見られるパーントゥがあります。この祭も島民以外の人に公開されている情報はごく一部で、数多くの秘密に包まれ、重要無形民俗文化財国指定もされている伝統的な奇祭です。

パーントゥの意味とは

パーントゥの正式名称はパーントゥ・プナハであり、宮古島の方言でパーントゥとは鬼や妖怪の意味を持ち、プナハとは悪霊払いの祈願のお祭りという意味をもちます。百数十年ほど前にこの島にとある仮面が流れ着き、若者がこの仮面をかぶり神聖とされている井戸の泥を全身に塗ることで神様になった、という話をもとにしているとされています。

パーントゥの姿は泥にまみれている

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もとになった話で神聖な泥を塗ったとされていることからか、祭の際に現れる3体のパーントゥたちの姿はみな異臭を放つ泥にまみれており、その姿は真っ黒で蔓を体にまき、恐ろしい仮面をつけています。その姿は初めて見る人は恐怖を抱くような恐ろしさとなっています。

大人は楽しみ、子供は逃げ回る

恐ろしい外見をしたパーントゥはゆっくりと大股で歩きながらまるでなまはげのように暴れ、人や家や車などに泥を塗りたくります。なまはげを見て子供たちが泣き叫ぶようにパーントゥを見ても子供は泣き叫び、それを暖かく見守っている大人たちという光景が祭中はよく見られます。

一見恐ろしいが無病息災を願う儀式

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外見も恐ろしく人を襲うパーントゥですが、この祭の目的は無病息災を願うことです。パーントゥはその体にまとっている神聖な泥を周囲の人々に塗りたくることで、塗られた人々の悪霊を祓いつつ縁起をつけていきます。泥を塗られることによって無病息災を願うのが奇祭とされるパーントゥなのです。

大分県岩倉社・ケベス祭

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大分県にもとある奇祭が存在します。その名前はケベス祭といい、毎年きまって10月14日に行われる秋の祭です。この祭もパーントゥと同じく無病息災を願う祭なのですが、この祭がどこから生じたのか、どのような方法で祈るのか、などの点によりこの祭も奇祭と位置づけられています。

語源も起源も一切不明の奇祭

この祭の名前であるケベス祭という名前の意味は一切不明で、何から生じたのか、いつから行われているのかに関してもその一切が不明となっているなんともつかみどころのない祭です。いつ始まったかは定かではありませんが現在も行われており、国の無形文化財にも措定されているお祭りです。

ケぺスとトウパの攻防戦

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この祭には火をつけられ燃えるシダを守る白装束をきたトウバと、どうにかしてその火に飛び込んでいこうとするおかしなな木の仮面をつけたケベスとの戦いが見られます。何度も続くこの戦いはシダの炎もあいまってとても神秘的でこの祭の見どころのひとつです。

火の粉を浴びることで無病息災に

ケぺスとトウパの攻防は9度目のケぺスの試みでついにケぺスが火に飛び込み、棒で山となっているシダをひっかき回して火の粉を撒きちらせると、その後にはシダを守っていたトウバも火のついたシダを手に持って走り回り、祭の参加者を追いかけ回します。この際の火の粉を浴びることで無病息災になるといわれています。

長野県諏訪地方・御柱祭

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御柱祭とは長野県の諏訪地方で7年ごとに1度だけ行われる最も危険とされている奇祭です。この祭は古事記にある出雲の大国の主神が高天原にすまう天照大御神の使者たちに国譲りをする場面をもとに行われている祭で長い歴史を持つ神事でもある。

日本最古にあたる祭のひとつ

この祭は2000年以上のもの昔に国譲りに反対する者たちがこの長野の地に逃れ、そして閉じ込められてしまったたことに由来していることから、紀元前に近いころから行われていた日本最古にあたる祭の1つであるといえます。長年もの間この危険な祭はとり行われてきました。

樹齢150年もの大きなもみの木が山を滑り降りる

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この祭の見どころは何といってもこの祭の名前となっている御柱である樹齢150年をも超える大きなもみの木を山から人里におろすためにする山出しの2日目に行われる木落しでしょう。重さ10トンをゆうに超えるであろう巨木を人の手で山の傾斜からおろすその光景は圧巻の一言です。見物客も多いこの光景ですが危険も潜んでいます。

多数の死亡事故が発生しつつもなお行われている御柱祭

この祭は巨木を山から人里におろす際に多数の死亡事故が発生しています。その事故件数は1回の祭において平均1人以上の死者を出している日本一といってもいいほど危険な祭です。その死亡者には祭の参加者だけでなくただ見物に来た人も木をおろす際の落石に巻き込まれ死亡しています。見に行きたい方は十分気をつけてください。

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