アカマタクロマタは撮影禁止の訪問神!豊年祭・人魚伝説との関係は?

アカマタクロマタは沖縄の離島に伝わる豊穣の神です。7~8月に行われる豊年祭で、訪問神として島民の家を訪問します。訪問している様子を見ることは、島民以外禁止されています。また、島によって詳細が異なるアカマタクロマタについての伝承や謎を解説します。

この記事をかいた人

旅行大好き女子。 北海道・東北をメインに各地をまわり動物と触れ合ったり美味しいごはんを探したりしています。

アカマタクロマタとは?

アカマタクロマタとは、とある沖縄の離島で信仰されている豊穣の神様の名称です。この2柱の神は離島で行われるある祭において島民の家を訪問して回りますが、その様子を見ることは島民以外禁止、写真や動画撮影も禁止されているという、謎の多い神々です。

アカマタクロマタの詳細

CAME-RA / Pixabay

とある沖縄の離島で信仰されている神であるアカマタクロマタですが、いったいどのような神様なのか、どの島で信仰されているのか、どんな姿をしているのか、など多数の疑問点が出てくるでしょう。そのうちいくつか判明していることについてご紹介していきます。

アカマタクロマタの詳細①豊年祭の来訪神

grafic-vision / Pixabay

アカマタクロマタはとある沖縄の離島で行われるある祭の間に島民の家を渡り歩く豊穣の来訪神であるといわれており、普段は島に存在していませんが、この祭の時期にのみ島に訪れ、島民に豊穣をもたらしてくれる神様であると考えられています。

アカマタクロマタの詳細②登場する島

Julius_Silver / Pixabay

アカマタクロマタが祭られている島として最も有名なのは新城島という西表島から見て南東、石垣島から見て南西に位置する2つの島を合わせた島で、新城島の北東側の島を上地島といい、南西側の島を下地島といいます。この2つの島が合わさった新城島がアカマタクロマタが登場する舞台となります。

アカマタクロマタの詳細②その姿は門外不出

jplenio / Pixabay

アカマタクロマタの姿については次以降の見出しで詳しく説明しますが、アカマタクロマタの来訪する祭は写真や動画の撮影は厳禁のため、その姿は島民か、もしくは幸運にも祭りを見ることの出来た極一部の訪問者しかその神の姿を知らず、門外不出となっています。

アカマタクロマタはどんな姿のどんな神か

qimono / Pixabay

とある沖縄の離島に1年に1度訪れて島民に恩恵をもたらしていると考えられているアカマタクロマタですが、島民や祭りを訪れた島民に関連のある人にのみ姿を見せるこの神はいったいどんな姿をしているのか、またこの神はどこから伝えられてきたのかについて説明していきます。

アカマタクロマタの姿は?あのポケモンに似ている?!

Free-Photos / Pixabay

アカマタクロマタの姿として言われているのは、全身が蔓草のようなもので覆われており、その歯はギザギザしていて髭が生えた姿。それぞれ赤と黒のお面をかぶり音楽にのせてこの沖縄にある離島を訪れます。その姿は神秘的かつやや不気味に人間の目にはうつるそうです。

その姿はまるでナッシー

とある人にはその姿が国民的大人気ゲームであるポケモンに登場するナッシーというヤシの木の姿に顔が3つあるキャラの顔を1つだけにしたような感じ、とも言われています。南国をイメージしたポケモンのシリーズにも首の長くなった姿で登場したナッシー。この祭に何か影響を受けたかもしれません。

アカマタクロマタはどんな神?どんな意味?

TheDigitalArtist / Pixabay

アカマタクロマタは先ほども述べた通り沖縄にあるとある離島で行われているある祭にのみ現れる豊穣の訪問神であり、その名前は赤面であり女神の意味であるアカウムティと黒面であり男神の意味であるクロウムティを由来としています。実際の祭りにはこの2柱の神様に加えて2柱の子供が2人加わり、4柱の神が島を訪れています。

アカマタクロマタはニーロ神・ニライカナイに通じる神

Pexels / Pixabay

ニーロとはまるで底がわからないほどの深い穴という意味をもち、そこに存在すると考えられているニライカナイをさしています。ニライカナイとは沖縄にある伝承に存在している理想郷のことで、地や海の底か彼方に存在するとされていて、神の住まう場所であると伝えられており、アカマタクロマタはこの場所から島に訪れていると考えられています。

アカマタクロマタは南太平洋から伝わった説がある

Mylene2401 / Pixabay

アカマタクロマタは周辺の島のどの神々と比べても違った特徴を持っていること、またこの神は南太平洋にあるとある島周辺の仮面神との類似した特徴を持っていることから、この神は沖縄周辺で生じたのではなく、南太平洋から伝来してきた神なのではないか、という説もあります。

ニライカナイに通じる琉球神道

Free-Photos / Pixabay

アカマタクロマタはとある離島独自の神なのに対し、沖縄にはこの神以外にニライカナイから来ているとされている神々を信仰する宗教が存在していて、その中でも琉球王国時代に国教とされていたのが琉球神道です。この宗教は現在も民間信仰とそのかたちを変えて受け継がれています。

琉球神道の考え方の元には太陽がある

TheDigitalArtist / Pixabay

以前は国教であったでしたが、現在は形はほぼ滅んでしまっているこの宗教とは実際どのようなものであったのでしょうか。多くの研究者によって考えられることでわかったことは、この宗教の教え方の元には太陽が存在しているのだ、ということです。

琉球神道の最高神とされるティダ

この宗教でで最高神だと考えられている神様はティダという神様です。ティダというのは沖縄の方言で太陽を意味しています。この宗教では国家の最高権力者となる国王を、国の最も優れている神とされている太陽と重ね、その太陽がこの世に登場する東の方角のさらに彼方にあるのが、神さまの領域であるとして考えられていました。

神域の反対側は死の領域

webandi / Pixabay

東の方角を神域としているこの宗教では、その反対に位置する西の方角を死の領域と考えました。そのことから、当時は風葬であった死者の埋葬などの死に関連することは、西側に位置している崖や洞窟で行われていました。また、西の方角には魔界が存在するなどという事も言われていました。

琉球神道で最も神聖な場所といわれているフボー御嶽

琉球の聖地の頂点とされている島なのが久高島です。さらにこの島の中央部に存在するフボー御嶽はこの宗教で最も神聖な場所であるといわれています。ここは太陽の穴そのものと伝えられ、昔から男子は絶対禁制で、現在にいたっては男女関係なく立ち入り禁止となっている聖地です。

琉球神道にもタブーは存在する

8385 / Pixabay

NEXT 琉球神道の考え方の元には太陽がある