フロツーリズムというのは、友人や知人といった自分のことを知っている、あるいは自分が知っている相手ではなく、名前も知らない第三者に断りもなく無断で自分の性器をその人に接触させ、それで性的快楽を得る者のことを指しています。
こちらは盗み見たり窒息したりといったものではなく、自分の性器を接触させるというものになってはいますが、実際にそこから性行為に移るというわけではなく、あくまで接触していることに興奮するという内容になっています。
マゾヒズム(被虐性愛)
こちらはパラフィリアの症候群の中でもご紹介しましたが、別名で被虐性欲とも呼ばれており、内容的にはご紹介したものと似通っていて、精神的、もしくは肉体的な苦痛を与えられることによって性的快感を味わうというものです。
これは実際にその被虐されている状態になるのはもちろんのこと、自分がその状態に陥っていることを想像するだけでも興奮するものも当てはまっているとされ、代表的なのは「女王様プレイ」などがこれに当たるのではないかと考えれられます。
エロトフォノフィリア(殺人性愛)
最後の1つは「エロトフォノフィリア」といい、なんと他者を殺害するという行為そのものに興奮するという内容です。盗み見や本人の許可なく性器を触れさせるというものもなかなかマズいものでしたが、ぶっちぎりで危ないのはやはり禁忌を犯しているこれでしょう。
こういった性愛を持っている者は実際の殺人事件を起こしている者に当てはまることも多く、実際に起こった長崎県佐世保市の同級生を殺害したという事件では殺害した側である生徒が「人を殺したかった」という欲を持っていたとされています。
性目標倒錯は多岐にわたる
ということで、エキシビョニズムからエロトフォノフィリアまで全10個の性目標倒錯の種類をご紹介しました。こちらも症候群のそれと同じく非常に多岐にわたっており、人に害を及ぼさないであろうものから間違いなく人命にかかわってくるようなものまでさまざまであることがお分かりいただけたでしょう。
Contents
パラフィリアの類型として挙げられる性対象倒錯とは?
性「目標」倒錯をご紹介しましたが、これと異なり性「対象」倒錯というものもあります。ご紹介したものが性行為ではない行為に興奮するというものであったのに対して、これからご紹介するのは最終的な到達目標は行為に至るというがまず1つの違いです。
そして、一番の特徴はその性行為を行いたいと思う相手が一般的な趣味嗜好とはかけ離れているということです。だからこそ対象が盗作していると表現されており、ここからはそんな性対象倒錯の種類をいくつかご紹介していきましょう。
ネクロフィリア(屍体性愛)
まずは「ネクロフィリア」というものになります。白骨化しているものや死んで間もないものに限らず、人間の死体に性的な興奮を持つというもののことを指します。別名では死体愛好などとも呼ばれ、死体と性交を行うまでが特徴です。
このような死体と性交を行うことを「屍姦」といい、実は私たちの身近にいる動物がこれに当てはまっています。それがカラスで、仲間の死体を確認すると性器をその死体にこすりつけるという行為があったことが確認されています。
ファット・フェティシズム(肥満性愛)
続いては「ファット・フェティシズム」というものです。こちらは肥満体系の者への興奮を覚える者のことを指し、ファットというのは脂肪、フェティシズムは「○○フェチ」の語源となった性的嗜好という意味になります。
フート・フェティシズム(脚部性愛)
前述のものは肥満体系という体の特徴全体を指しているものでしたが、こちらは脚部に性的な嗜好を持っている者のことを意味しています。脚という部位全体を愛しているというものもありますし、太ももだけだったりふくらはぎだけだったりなど、脚の部分的なところに性欲が湧くものもこれに当たります。
ブレスト・フェティシズム(胸部性愛)
体の一部分に性的嗜好を持っているもの関連で「ブレスト・フェティシズム」というものもあります。こちらも言葉通り胸部に対して並々ならぬ嗜好を持っている者のことであり、乳房や乳首といった部分を愛するというのもこれに該当しています。
元々は乳房や乳首だけなど、そういった局所的なものではなく、胸部全体に対して興味を持っている者のことを指していたようですが、実は胸部の大きさによってその呼び方が変わることもあるのだそうです。
メイシオフェリア(妊婦性愛)
続いては「メイシオフェリア」というもので、妊娠し体内に子供を宿している女性に対しての性的な欲求を持つもののことをこのように呼んでいます。「妊婦フェティシズム」とも呼ぶことがあり、単に妊娠している事実だけでなく、膨らんだ腹部、黒くなった乳輪などの部位にも興奮する場合も該当しています。
また二次創作では何でもできるため、妊娠した女性キャラクターとの性交を描くというジャンルもあります。ただし当然ながら現実でそんなことをすればお腹の中の子供、そして妊婦本人に多大な負担を強いることになりますので、現実ではほぼできない事と言っていいでしょう。
ラクトフィリア(母乳性愛)
「ラクトフィリア」というものもあります。こちらは前述の妊婦性愛に関連するものがあり、母乳を飲むという行為、そして母乳そのものに性的な欲求を覚える場合はこれに当てはまります。おそらく赤ん坊などの他人がやっても、本人がやっても同じように興奮するのでしょう。
ちなみにラクトといえばラクトアイスを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、あれは乳固成分がアイスクリームと呼ばれるもののうち3.0パーセント以上入っている者のことを指し、ラテン語ではラクトと言えば「乳」という意味になります。
オルファクトフィリア(体臭性愛)
最後の1つは「オルファクトフィリア」になります。日本語に直すと「体臭性愛」ということになり、その名の通りに人間の体臭に対して性的な魅力を感じ、行為の最中も体臭を嗅ぐことで性的興奮の原動力とする者のことをこのように呼んでいるのです。
この体臭というのは必ずしも人間であればだれでも持っている本来の体臭というわけではなく、汗や使っている香水のにおいなども体臭としてとらえるのだそうです。
性対象倒錯は多岐にわたる
ということで、性目標倒錯に続いて性対象倒錯に関してもいろいろと種類があることをご理解いただけたかと思われます。今までもそうでしたが、何故そんなもので性交に至れるくらいの欲求を覚えるのか、一般的な感性を持っている方には到底理解できないものもあったことでしょう。
パラフィリア障害群を二つ以上持っていることも
実は、最初にご紹介したパラフィリア症候群ですが、大抵の場合持っていたとしてもなにか1つというのが基本的ではあります。ですが、中にはこれを2つか、それ以上持っているという場合もあるのだそうです。
例としては、ご紹介した中にある窃視障害と異性装障害を同時に持っている、というのがあるでしょう。その他にもマゾヒズムとサディズムでもご紹介したような、それら2つを同時に併せ持っている「サドマゾヒズム」も一応は異なるものですから、これに当てはまるのかもしれません。
パラフィリアには何故なる?原因として考えられる事柄
ということで、パラフィリア症候群の種類やその類型とされている性目標倒錯や性対象倒錯についてを色々とご紹介しました。それでは、こういった通常であれば考えられない思考を持ってしまうのには、どのような原因があるのでしょうか。
思春期までの生活環境
まず1つ目は、思春期までの生活の環境が影響しているのではというのが挙げられます。思春期と言えば12歳から17歳程度まで、つまり小学校の高学年や中学生の初めから、高校生の終わりごろまでであるというのはご存じでしょう。
そうした思春期というのは、心と体が大人に近づいていくということです。そういった中では家庭内の環境が劣悪だったり、積年の恋が実らなかったりなどなど、とにかく大きなストレスとなるものがあった場合には倒錯した性嗜好を持ちやすいとされています。
薬による副作用
何らかの薬物を服用している際の副作用、というのも原因として考えられます。向精神薬などを使った際の副作用というのもありますし、病気の療養のために服用していたのにこういった形で副作用が出てしまうという場合もあり、そういった場合はどうしようもない所があるでしょう。
はっきりとした原因はいまだ不明
ご紹介したもの以外にもいろいろと原因なのではないかというものは議論されているのですが、結局のところはっきりとした原因が特定されているわけではないのです。それが一層不気味さや異端さを表しているのではないかともいえます。
パラフィリアは治療できるの?
前述しましたように原因の説こそあれど特定まではされていないのですが、それではもし本当にパラフィリアと診断されてしまった場合、それを治療して正常な嗜好に戻すことはできるのでしょうか。
薬剤による治療
これに関しては治療方法が確立されており、1つは薬物を利用した治療法があります。もし患者が大きな不安を抱えていたり、半ば脅迫をされているような精神状態であれば、こちらの治療法が試されるのだそうです。
グループセラピーによる治療
もう1つ、グループセラピーによる治療というものもあります。こちらは10人くらいのグループを作ってその中で対談をし、グループ内の他の人との共感をできるようにしたりといったもので、犯罪を犯す可能性がある場合にはこちらが試されます。
パラフィリアと紙一重?ヤンデレとは
今回ご紹介しているものと完全に一緒の部類というわけではありませんが、それでもごく近いとされているものがあります。それがヤンデレと呼ばれるものです。
愛が重い・愛がゆがんだヤンデレ
具体的にどういうものかというと、簡単に言えば非常に相手への愛情が重い、もしくは一般的な感性から見てゆがんでしまっている愛を与えるもののことを指しています。
愛そのものがわからないパラフィリア
ご紹介しているものは静的快楽を得ることを第一としてしまうあまり、心のつながりが確立できない場合が多くあります。ネット上ではジャンルとして確立されているのですが、現実に存在していれば笑い話にできるほど軽いものではないでしょう。
オタクは性倒錯なのか?
ご紹介しましたように非常にたくさんの症候群、それに付随する累計がありますので、もしかしたら自分も当てはまってしまっているのではと思われるかもしれません。そこで、1つ例を挙げてどこから定義されるのかを考えてみましょう。
アニメキャラでオーガズムに達するかどうか
とある精神科医の記した本によれば、アニメのオタクとそうでない者を分ける基準の1つとして「アニメキャラで絶頂に達せられるかどうか」があるとしており、この場合だとオタクと呼ばれる人たちは全員が性倒錯であるということに当てはまってしまいます。
しかし、最近の定義では「性的暴力を含んでいれば該当する」というようなものになってきているようです。その考えで行けば、二次元のキャラクターが好きな方たちは誰に対して迷惑を掛けているわけでもないので、特段病気というわけではないということになります。
題材にしたボーカロイド曲も
後述しますように映画にも使われるなどメディアで触れられるように題材とされていることもあるのですが、その他にもこれらをテーマとしたボーカロイド曲というのも制作されているのです。
タイトルはそのまま
曲のタイトルはそのまま「パラフィリア」となっており、鏡音リンというボーカロイドが曲を歌っています。歌詞には「瞳を裂いてでも鼓膜を破り捨ててでも」などの結構狂気的なものがあります。
口調やメロディは悲しいという声も
確かに歌詞は全体的に見ると狂気を持っている感はぬぐえませんが、口調やメロディからはそういったものは感じ取れず、むしろ悲しさを感じるという実際に聞いた方からの声も上がっています。
パラフィリアの性質にぞっとする映画「パラフィリア」
そして、この症候群を題材にした映画も制作されています。題名はそのまま「パラフィリア」という映画で、様々なタイプの症候群の者を題材としたオムニバス形式の映画となっています。
一般の完成とかけ離れているせいか少しホラー系になっていますが、私たち一般の人々が普通と思っていることを普通であると思えない人たちが確かにこの世の中にいることを考えさせられる内容となっており、しっかり知ろうと思う時にはまずこの映画をおすすめしたいです。
パラフィリアは誰でもなりうる性的倒錯の総称
ということで、パラフィリアについて種類や累計など色々とご紹介しました。パラフィリアは何が原因で発症するかわかりません。ある日突然、他人の脱衣を見て異常な興奮を覚えたり、転んでケガをした人を見て興奮したりすることはありえるのです。
身近に、そして一般的であると思っている自分自身にも、実は少なからず妄想や行動において異常性があるということを自覚していく必要があります。まずもって私たちの言う普通とは何か、を疑うことからパラフィリアへの理解は始まります。