小林竜司の死刑判決後の現在と生い立ち【東大阪集団暴行殺人事件】

加害者側に同情の意見が上がる一方で、被害者の藤本には実際にヤクザの知り合いなどは居なかったと言われています。つまり、ヤクザを仄めかすような発言は加害者を怖がらせるためについた嘘であり、金を払わなかったら殺すというような内容の発言も本気ではなかったのではないかという事が推測されます。

この事から、被害者側には殺意がなかったと考える人からは「喧嘩両成敗なところもあるのでは」、「全員が加害者である」という意見も上がっています。先に暴力を行使したのは被害者側のため、加害者側に対しての同情の意見が多い一方で、このような被害者側にも同情すべきという意見もみられます。

小林竜司と母の現在は?

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裁判によって死刑が確定した小林竜司ですが、現在の様子はどのようになっているのか?また、小林の愛する母は現在どういった生活をしているのか、気になる方も多いのではないでしょうか?現在獄中で過ごしている小林と、その母親の現在について分かっていることをご紹介していきます。

死刑囚のため今も収監中

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小林の死刑はいまだ執行されておらず、現在も収監されています。いつ執行されるともわからない状況の中、小林は今も刑務所の檻の中にいるという事です。現在は死刑の判決を受け入れており、執行を待っている状況です。いつか来る死を受け入れて過ごす日々とは果たしてどのようなものなのでしょうか。

刑の執行は事前に知らされるものではなく、当人に対しても1時間前になって初めて知らされるそうです。1時間という短い時間では心の準備もままならない事でしょう。家族に対しても事前に知らされることは一切ありません。いつが最後になるかわからない日々を、噛み締めるようにして生きていくしかありません。

小林竜司の情報はなし

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収監中のため、残念ながら現在の小林の情報については明らかになっていません。まだ死刑が執行されたとの情報はありませんので、刑務所の中で慎ましい暮らしをしてることが予想されます。大変な事件を起こしてしまったことを今は悔い改め、真面目に過ごしているそうです。

遺族に対しても、どうにかして謝罪の気持ちを示したいのか、手紙をしたためたこともありました。手紙の中身は写経をしたもので、仏壇に供えてほしい、とのことでした。遺族からすればどのように反省の形を示されたところで、決して許せることではないかもしれませんが、彼には謝る以外、他にできる事は無かったのかもしれません。

母親は被害者への賠償金を貯めている

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一方で小林竜司の母親は、被害者への多額な賠償金を支払うべく、お金をためているそうです。生活保護を受けているという情報もあり、毎月その中から賠償金を積み立てているそうです。このようなことから、その生活はかなり困窮しているのではと想像することができます。

小林竜司との文通・接見による交流を記録した書籍も

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小林竜司との文通や接見による交流を記録した書籍があります。実際に小林と交流した著者によるノンフィクションの作品の内容は、小林の心情や反省の気持ちをうかがえる貴重な書籍です。また、彼との交流を通して徐々に変わり始める著者の心情も、まさに人と人の対話といった臨場感があり、興味深い内容です。

『慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話』

慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話

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「慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話」というタイトルの書籍は、著者が小林との文通や接見などを通じて小林が真摯に罪を認め、犯した行為を深く悔い、被害者やその遺族の為に死刑を受け入れようとしている姿から「彼をこのまま死刑に処してよいのか」と考えるようになっていくという内容になっています。

友を守るため、被害者を残酷な方法で殺害してしまった小林竜司が、今事件について何を思っているのかは大変興味深いです。気になる方はぜひこの書籍をお手に取って、この事件について、又は死刑制度について考えを深めてはいかがでしょうか?

『慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話』に対する世間の声

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この書籍を読んだ人からも様々な意見が上がっています。著者は、小林と交流する内にだんだんと友情のようなものを感じ始めます。最終的には「自分の友達を殺さないでほしい」という様な気持ちになるという様な内容から、著者の人間性に対して興味を持つ方も多いようです。

年頃も近いので、この交流を通して特別な感情が芽生えるのも理解できます。そして、死刑に対する疑問が著者の中で産まれ、それを受けて読者自身も死刑に対して考えるきっかけになったという感想もあります。更生の余地が残された若者の命をこのまま闇に葬っても良いものか、考えさせられる書籍です。

「東大阪集団暴行殺人事件」を題材にした映像作品も存在する

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また、この「東大阪集団暴行殺人事件」を題材にした映画も制作されています。東大阪集団暴行殺人事件に忠実なストーリー展開になっており、過激な暴力表現や性的表現があることからR15+指定の作品となっています。暴力表現もかなりリアリティーのある作品なので、ショックを受ける方もいるようです。

パッチギ!を手掛けたことで有名な井筒監督が手掛けた作品

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映画「パッチギ!」を手掛けたことで有名な井筒監督がメガホンを取って作られた映画「ヒーローショー」というのが、この東大阪の事件をもとに作られた作品です。若者の絶望とリアルをテーマに掲げ、非常に生々しい若者の生きざまが描かれたこの作品です。リアルさを表現するためにキャスティングにもこだわったそうです。

昨今の暴力を格好よく表現した青春映画とは一線を画した、暴力を美化しない表現というのが井筒監督のこだわりだそうです。そのリアリティーのある表現から、暴力の生々しさや恐ろしさといったものが人々の心に突き刺さるような、観た後に非常に考えさせられる作品です。

ジャルジャルが主演の映画「ヒーローショー」

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この映画は主演を芸人のジャルジャルのお二人が演じています。芸人である彼らを主演に起用したのは、かっこつけないからこそ切なく、独特の色気のある演技を井筒監督が求めていたからでした。この作品はリアリティーを徹底的に追求した作品なので、俳優さんの作り込まれた演技では少し大げさだったのかもしれません。

芸人だからと言って侮るなかれ、彼らの演技はこの世界観や難しいキャラクターの人間性を見事に表現しました。大げさでない、リアルな演技でまるで知り合いであるかのように観るものの心をひきつけ、観客をこの作品の世界に没入させます。そのためにこの作品を見終わった後も頭の中で考えがめぐってしまう、観終わった後も心を離さない映画です。

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