小林竜司の死刑判決後の現在と生い立ち【東大阪集団暴行殺人事件】

それでは、彼らが起こした事件の具体的な内容についてご説明していきます。東大坂集団暴行殺人事件は、同じサッカーサークルのメンバーである藤本翔士と徳光優多という二人の人物を中心に、最終的には沢山の人物を巻き込んで起きた事件です。一体何が起こってしまったのか、詳しくご説明致します。

事件概要①発端の集団リンチ事件

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発端となるのは、この事件の加害者である徳満優多とその友人の佐藤勇樹が事件の被害者である藤本翔士と岩上哲也を含む5人の人物に集団で暴行を受け、その末動けなくなったところを車に乗せられ、5時間ほど連れまわされた挙句にガソリン代として5000円を奪われるという事件でした。

それだけに留まらず、藤本らは徳満らに50万円を要求したそうです。この際にヤクザの知り合いがいることを仄めかし、「払わなかったら殺す」「海に沈める」等と強請りました。この時点で、友人同士のケンカの域をはるかに超えていたといえるでしょう。まだ若い彼らにとっては相当恐怖する出来事だったでしょう。

事件概要②集団リンチ事件のきっかけは藤本と徳満のトラブル

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そもそもの原因なるのは、藤本と徳満との間に起きた恋愛トラブルでした。徳満には当時想いを寄せていた女性がいたのですが、その相手には既に恋人がおり、その恋人こそが藤本だったのです。彼女が藤本と交際していることを知りつつも、告白メールを何通も送り、次第に彼女の気持ちも傾いていきました。

ふたりはそれまで仲の良い友人でしたが、藤本は徳満が自分の彼女にアプローチをしていることを知り、大層怒り、ついには殴り合いの喧嘩になります。しかし、それだけでは気が済まず、前述の集団リンチへと繋がります。その際に要求した50万円は、この所業に対しての慰謝料という名目でした。

徳満は藤本の恋人にメールをしただけだった

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徳満は、藤本の恋人に何度も「付き合ってほしい」などという内容のメールを送ってはいますが、それ以上の関係はありませんでした。藤本はこの事に対し慰謝料という名目で50万円を要求していますが、当然この程度の事では慰謝料は請求できません。ではどういった場合なら可能なのでしょうか?

一般的に浮気などによる慰謝料が請求できるケースは既婚者や婚約関係にある者に限られ、その上で肉体関係がなければ請求できません。以上の事から考えても、やはり徳満の行為は人の心を傷つける行為であったことは確かですが、慰謝料を請求するというのは横暴であったと言えます。

事件概要③小林竜司に助けを求めた徳満たち

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藤本らから強請られた徳満らは、佐藤の中学時代の同級生の広畑智規と小林に助けを求めます。話を聞いた小林は、一度は被害届を出すように言ったのですが、広畑によって報復を提案され、3人はその提案に乗ることを決めました。こうして恐ろしい事へと発展してしまうのです。

実は、一度被害届を出すようにアドバイスを受けた二人は、実際に被害届を提出していました。しかし仕返しの提案を受けたためにそれを取り下げてしまったのです。この時にうかつに誘いに乗ったりせず、きちんと警察に任せていれば、このような重大な結果を招かずに済んだかもしれません。

事件概要④報復の集団リンチ開始

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広畑が計画を立て、必要な人間を小林が集めることになりました。当事者である二人には約束の50万円を払うと嘘をつき、藤本らをおびき寄せる役目が与えられます。作戦の詳細は、土地勘のある岡山まで被害者らをおびき寄せ、そこを集団で囲み暴行をするというものでした。

目には目を歯には歯を、といった形でリンチされた相手に対して同じ形でやり返すというのが当初の計画でした。おそらくこの時点では、被害者二人を殺害することは想定していなかったと予想されます。ただの喧嘩の延長だという認識だったのでしょう。中には遊び感覚で暴行を楽しむ者も居たようです。

第二の現場へ移動

第一の現場は公園だったようですが、通行人に目撃されてしまい、以前に小林が働いていた会社の産業廃棄物処理場に現場を移します。この産業廃棄物処理場こそが、後に被害者である二人の遺体が発見された現場になります。小林は、夜にはこの辺りに人が来ないことを知っていたためこの現場を選んだようです。

もしこの時に現場を目撃されていなければ、現場を人目のつかない産業廃棄物処理場に移すことなく、彼らの報復は暴行するのみで終わっていたのでしょうか。この事件は、いろいろな要素が重なって殺人という最悪な結果を招いてしまったのでしょう。何か一つでも違えば、結果は違うものになっていたのかもしれません。

事件概要⑤藤本を生き埋めに

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小林は、ヤクザとのつながりのある人物を生かしておくのは危険だと判断しました。そこで、仲間の一人に対して現場にあった重機を使い深さ1.5メートル程の穴を掘るよう指示します。そして既に瀕死の状態である藤本を穴の横に無理やり立たせ、運転手役で藤本らに同行していた会社員に向かって藤本を警棒で殴るよう強要します。

その後、涙ながら指示通りに殴った会社員に、さらに藤本を穴に突き落とすよう命令します。ここまで執拗に命令するのは、殺人に加担させることで後に通報されるのを防ぐ目的があったためでした。殺されることを恐れた会社員は藤本を穴に突き落とし、重機を使い生き埋めにされました。彼の死因は窒息死だったそうです。

事件概要⑥岩上も生き埋めに

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藤本を生き埋めにした後、一同は一度現場を離れることにしました。暴行をうけ、かなり憔悴した状態にあった岩上を監禁し、小林はこの後の事を知り合いの元ヤクザである岡田浩次に電話でアドバイスを求めました。被害者らのヤクザとの交際は嘘だったそうですが、皮肉なことに小林には本当にヤクザの知り合いがいたようです。

電話を受けた岡田は一度は岩上を連れてくるように促しますが、瀕死の状態であるという事を聞き「埋めればいい」とのアドバイスをします。岡田からのアドバイスを受けた小林は仲間の一人を連れて現場に戻り、岩上を生き埋めにしました。彼の死因も窒息死だったそうです。

事件概要⑦生き残った会社員が警察に出頭し事件発覚

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会社員は、警察には絶対に言わないことを約束させられ、その後に無事解放されました。しかし、いつまた命を狙われるとも限りません。このまま黙っておくのは得策でないと判断したのか、6月22日に東大阪市の布施警察署に届け出てしまいました。こうして事件が明るみになります。

元々この件には関係のない筈でしたが、運転手役として駆り出されてしまったばっかりにこのような恐ろしい体験をしたどころか、友を手にかけた後悔は一生続くものです。彼にとってトラウマになりかねない、自分の命を狙われる以上に恐ろしい体験だったことでしょう。

小林竜司が逮捕されるまで!一度は逃亡するもその後の行動とは?

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遂に犯行が知られてしまった訳ですが、彼は直ぐに自首することはなく、一度は逃亡を図りました。そこから3日後に自ら出頭するのですが、その間どんな行動をとり、自首に至ったのでしょうか。通報から逮捕に至るまでの詳細の情報を詳しくご説明いたします。

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