【ネオ麦茶】谷口誠一が起こした西鉄バスジャック事件とは?
みんなが安心して移動できる手段として使うバスで無差別に奴隷のように扱い、気分によって殺めていった恐ろしい出来事が起こりました。
公共機関という日常的に使うであろう場で突如起こったことで注目を集めます。いつ誰が巻き込まれてもおかしくないトラブルだった件についてご説明していきます。
西鉄バスジャック事件の概要
世間はゴールデンウィークの真っただ中で楽しい休日を過ごしていた5月3日に突然悪魔が襲い掛かります。平成12年のことでありました。
佐賀県から出発したバスは予定では福岡に位置する天神に向かうはずでしたが、大宰府にさしかかったとき、ドライバーに刃物を見せ公共機関と乗客約21人を支配したのです。
15時間半という気が遠くなるような長いときを、劣悪な環境の中で過ごさねばならなかったのです。テレビの中継も入り、賑やかな連休が一変して悪夢の日となってしまい、世間は経緯を見守ったのです。
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2000年5月3日、西鉄バスジャック事件発生
平日の慌ただしい奮雰囲気とは違い、のんびりとした車内でありました。ドライバーのすぐ後ろに座っていた男が移動中にもかかわらず、突然立ったのです。何が起きたかと乗客は注目します。
途端、「バスを乗っ取ります」と悪魔のささやきのように淡々と語り凶器を見せ、反抗しないように主従したのです。
まるでドラマの撮影現場のようなシナリオに誰もが驚き恐怖を覚えました。本来走るルートとは逆の方向を指示し、「行先は地獄なのだ」と言い放ちます。
恐怖に耐えきれず逃げ出した人もいました。すると、みせしめかのように無差別に刃物で切り付け、悍ましい光景を見せ洗脳させます。傷つけるターゲットの順番も告げていたといいます。
中には子供もおりました。1名の尊い命が奪われ、4人も重軽傷を負っていますが全ての人の心に深い傷が切り刻まれてしまったのです。
犯人はなんと17歳の少年谷口誠一
世間は年齢を聞いて、驚きを隠せませんでした。通常であれば学校生活を楽しんでいる年齢であります。佐賀県在住の会社員の父と保健師をして家計を助けていた母の間に生まれた長男でした。
刃物を持ち、人形遊びをしているかのような悍ましい対応に、同じ年齢の子供を持った両親は恐怖を覚えたことでしょう。
勉強は優秀で上位を占めていたといいますが、いじめを苦に学校へは行かず引きこもり状態であったとされます。
ネオ麦茶事件とも呼ばれる由来
当時、爆発的に流行した2ちゃんねる内のアカウント名でした。ネット関係が急速に発展し家に一日中いた少年は、両親にパソコンをねだり与えてもらっています。
食事を忘れてしまうほど画面にかぶりついていたといいます。2ちゃんには常連がおり「むぎ茶」と付けた名前で多くのネット民と、楽しそうに交流していたことを羨ましく思ったのでしょう。
マネして、名づけましたことが由来とされます。友人関係が気薄だった少年は、彼のように顔の見えない世界で繋がりを求めましたが、温かい歓迎はされず暴言が書きこまれたりしています。
冷静に指示する【ネオ麦茶】谷口誠一|犯行は計画的だった
四六時中、ネットの世界に入り浸り精神には異常をきたしていました。死体画像などに興味を持っていたようです。次第に彼の中で悪の声がささやき始めたといいます。
殺せと少年の体をのっとった悪魔が住みついているかのように見えないものに支配されていきます。人生の歯車が狂ってしまった時代を思い起こし、中学校をターゲットに定めたのです。
ですが連休中で施錠されており中に入ることも生徒もいなかったため、バスを支配しようと予定を変更します。これが歴史に残る騒動の始まりであります。
乗客を後方に集めバスの補助席を倒し乗客の動きを封じる
車内には男女、子供が乗っています。力の強い成人男性には敵わないことを察知し、自分から遠ざけるため後ろへ行くように告げ、女性や子供は前に集めました。
自由に身動きが取れないように補助席を使って通路もふさぎ込んだのです。籠の中の鳥のようにじっと解放の時までを待つしかなかったのでした。
「お前たちの行先は天神じゃない。地獄だ。」
バスを乗っ取った際に言い放った言葉として有名です。実際にその場で聞いた人たちは恐怖におびえたことでしょう。時折笑い声が聞こえていた車内は、一変したといいます。
地獄という意味は、遠回しにこれから悍ましい出来事が起きると想像できるでしょう。外から見えないようにカーテンを閉させ、我が国の魔王のように支配していったのです。
乗客の一人が逃走、事件が発覚
長旅になると悟った少年は、トイレに行くことを許可しています。一人ずつしか許さず、逃げた場合は残っている人質全員殺めることを伝えた上で、外に出しています。
女性が始めに降ろされ、真っ先に非常電話を使って騒動を伝えています。これが発端で警察が動き出したのです。
一方、少年は戻ってこないことに怒り狂い、近くにいた被害者の首に刃物を向けたのでした。社内には血の匂いが充満しており数時間前ののんびりとした雰囲気は一切感じられない場となってしまったのです。
【ネオ麦茶】谷口誠一と警察のにらみ合い、事件は終焉へ
ただ事ではないことが起きたことで世間は震撼に包まれます。ヘリコプターでの生中継やパトカーなど一台のバスを追うように囲みました。
少年を刺激しすぎて、被害を大きくしないよう慎重に進めていく必要がありました。突如少年の携帯から110番コールがなるのです。何を伝えたのでしょうか?順番にみていきましょう。
【ネオ麦茶】谷口誠一から警察への要求「拳銃を用意してください」
人質がいることを告げたのち、強気な態度を示します。無茶な要求をしますが簡単には応じることができない警察との膠着した状況が続きます。
当時6歳の少女を自分の前に座らせスムーズに警察が動けないようにバリケードを作り始めました。小さな体で一人恐怖に怯え闘った子の心には大きなトラウマとして残ったことでしょう。
6歳の少女の首に突き付けられた刃物
パトカー7台が追跡しバスもスピードを落としたりして走っていきます。一度減速した際に窓から逃げた人がいました。これに逆行し、すでに刺されてぐったりしている被害者に再度刃をかざしたのです。
突然、力の強い男性の解放を許します。羽交い絞めにされるのを恐れたためでしょう。夫婦で乗っていても夫だけを降ろします。抵抗することができない相手でしたので、指示に従うしかなかったのでした。
外に出される間、ずっと少女の首元に鋭利な刃を向けて脅していました。少年の母親が現場に駆け付け説得をしようとしますが、あまりの劣悪な雰囲気に負けてしまい泣き崩れるだけでした。
深夜になろう頃には、寝具や軽食が差し入れされますが、誰も手を出さなかったといいます。寝てしまったら次は自分が殺されるかもしれない、動くとターゲットにされてしまう、そんな恐怖がありました。
「SAT」の活躍により事件の幕は降ろされた
ずっと女の子のそばを離れなかった少年にも疲れが出始めます。一瞬離れた時間があったことを警察は見逃しませんでした。両側の窓を割って手りゅう弾を投げ入れた瞬間に、突撃をして少年を取り押さえました。
日本で初めて特殊部隊であるSATが導入された事件としても名を残しています。やっと解放された人々の気持ちは計り知れないことだったでしょう。
楽しいはずのゴールデンウィークは悪夢となり、人々の心に大きな傷を作ったのでした。
【ネオ麦茶】谷口誠一の生い立ち
まだあどけなさが残る少年は、なぜ無差別に傷つけてしまったのでしょうか?少年犯罪で取り上げられるのが家庭環境です。彼の過ごしてきた背景についてみていきます。
1983年佐賀に誕生、特に問題の無い幼少期を過ごす
ごく一般的な中流家庭の長男として誕生しています。父親は積極的に育児に参加するイクメンだったようです。負けん気が強く、賢ければ優位に立てると思ったため勉強は必死に頑張ったようです。
おかげで成績は常にトップクラスであり、ひと役置かれた存在でありました。そのため両親は、心配事もなく成長を見届けています。
中学生時代から次第に暴力的に
勉学に打ち込み、外部との関りは薄かったようでした。それがクラスメイトの中では異常にみえたのでしょうか。からかいのターゲットとなっていきます。
そのストレスからか、家庭内では乱暴的な言動が目立つようになり、母親と妹に対して対処のしようのない感情をぶつけています。このときから弱い者に対して矛先を向ける傾向にあったようです。
高校を9日で中退
からかいの延長で、階段からジャンプした際に大けがを負ってしまい入院を余儀なくされました。受験の大事なシーズンであったため、病室でテストを受けています。
賢いことが自慢でありましたが一番最初の挫折を味わいます。自分の学力のワンランク落とした学校に通うことになったのです。
気に入らず不満が募っていき、次第に休みがちとなりました。休むことで授業内容が分からなくなり、また欠席をするという負のスパイラルに陥り、結局自主退学を選択します。
高校を中退したとはいえ、なぜ彼は凶行に至ってしまったのでしょうか?
【ネオ麦茶】谷口誠一はネットの世界に入り浸る毎日に
急速に発展を遂げたコンピューターネットワークでは、家にいながら買い物ができたり調べもの、交流など外へ行かなくても叶えられています。そんな世界に彼ははまってしまいました。