四六時中、ネットの世界に入り浸り精神には異常をきたしていました。死体画像などに興味を持っていたようです。次第に彼の中で悪の声がささやき始めたといいます。
殺せと少年の体をのっとった悪魔が住みついているかのように見えないものに支配されていきます。人生の歯車が狂ってしまった時代を思い起こし、中学校をターゲットに定めたのです。
ですが連休中で施錠されており中に入ることも生徒もいなかったため、バスを支配しようと予定を変更します。これが歴史に残る騒動の始まりであります。
乗客を後方に集めバスの補助席を倒し乗客の動きを封じる
車内には男女、子供が乗っています。力の強い成人男性には敵わないことを察知し、自分から遠ざけるため後ろへ行くように告げ、女性や子供は前に集めました。
自由に身動きが取れないように補助席を使って通路もふさぎ込んだのです。籠の中の鳥のようにじっと解放の時までを待つしかなかったのでした。
「お前たちの行先は天神じゃない。地獄だ。」
バスを乗っ取った際に言い放った言葉として有名です。実際にその場で聞いた人たちは恐怖におびえたことでしょう。時折笑い声が聞こえていた車内は、一変したといいます。
地獄という意味は、遠回しにこれから悍ましい出来事が起きると想像できるでしょう。外から見えないようにカーテンを閉させ、我が国の魔王のように支配していったのです。
乗客の一人が逃走、事件が発覚
長旅になると悟った少年は、トイレに行くことを許可しています。一人ずつしか許さず、逃げた場合は残っている人質全員殺めることを伝えた上で、外に出しています。
女性が始めに降ろされ、真っ先に非常電話を使って騒動を伝えています。これが発端で警察が動き出したのです。
一方、少年は戻ってこないことに怒り狂い、近くにいた被害者の首に刃物を向けたのでした。社内には血の匂いが充満しており数時間前ののんびりとした雰囲気は一切感じられない場となってしまったのです。
【ネオ麦茶】谷口誠一と警察のにらみ合い、事件は終焉へ
ただ事ではないことが起きたことで世間は震撼に包まれます。ヘリコプターでの生中継やパトカーなど一台のバスを追うように囲みました。
少年を刺激しすぎて、被害を大きくしないよう慎重に進めていく必要がありました。突如少年の携帯から110番コールがなるのです。何を伝えたのでしょうか?順番にみていきましょう。
【ネオ麦茶】谷口誠一から警察への要求「拳銃を用意してください」
人質がいることを告げたのち、強気な態度を示します。無茶な要求をしますが簡単には応じることができない警察との膠着した状況が続きます。
当時6歳の少女を自分の前に座らせスムーズに警察が動けないようにバリケードを作り始めました。小さな体で一人恐怖に怯え闘った子の心には大きなトラウマとして残ったことでしょう。
6歳の少女の首に突き付けられた刃物
パトカー7台が追跡しバスもスピードを落としたりして走っていきます。一度減速した際に窓から逃げた人がいました。これに逆行し、すでに刺されてぐったりしている被害者に再度刃をかざしたのです。
突然、力の強い男性の解放を許します。羽交い絞めにされるのを恐れたためでしょう。夫婦で乗っていても夫だけを降ろします。抵抗することができない相手でしたので、指示に従うしかなかったのでした。
外に出される間、ずっと少女の首元に鋭利な刃を向けて脅していました。少年の母親が現場に駆け付け説得をしようとしますが、あまりの劣悪な雰囲気に負けてしまい泣き崩れるだけでした。
深夜になろう頃には、寝具や軽食が差し入れされますが、誰も手を出さなかったといいます。寝てしまったら次は自分が殺されるかもしれない、動くとターゲットにされてしまう、そんな恐怖がありました。