草加事件は少年達が青春を失った冤罪事件|有名弁護士も関与?真犯人は?

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草加事件で逮捕された少年たちは、被害者遺族が起こした損害賠償請求の民事裁判で無罪となりました。裁判所が少年たちを無罪と判断した決め手はなんだったのでしょうか。無罪となった理由について詳しく見ていきます。

自白に秘密の暴露がないこと

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民事裁判において無罪と判決付けられたのには2つの理由があります。犯行を行った当事者であれば犯人にしか知らないこと(マスコミには非公表)が必ずありますが、自白においてその犯人しから知らないことの暴露がなかったことにより犯人と裏付ける証拠がないことから無罪の理由の1つとなりました。

少女に付着していた体液と少年達の血液型が合わない

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もう1つの理由は血液型の不一致でした。検察側は被害者の血液と少年たちの血液が混ざっただけだと主張していましたが、科学的根拠は何もなく最高裁でも犯人とされる人物の血液型はAB型であると認めたため、血液型が誰1人として一致していない少年たちは無罪であると結論付けられることになりました。

草加事件の元少年達はその後どうなった?

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草加事件で逮捕されのちに無罪となった少年たちはその後どうなったのでしょうか。無罪を勝ち取るまでにかかった年月や冤罪に苦しんだことから少年たちがとった行動について紹介していきます。他、冤罪確定までに20年を要した事件に関する記事はこちらを御覧ください。

冤罪に苦しみ記者会見を行う

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この事件で逮捕された少年たちは17年間にも及んで無罪を訴え続けてきました。そして少年たちが最終的に無罪と結論付けられたのは30歳を越えたときです。 長年に渡り犯人であるかのように周囲に見られ続け苦しんできた苦痛は計り知れず、二度と冤罪被害者が出ないためにと会見を行うことを決断しています。

6人中3人は実名を公表して会見に臨んだ

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少年たちは、警察・検察や裁判所に作り出された冤罪の被害者になります。少年たちにとっては少年時代~成人になるまでの青春時代を冤罪で失った代償は取り返しがつきません。冤罪により苦しんだ事実を世間に知ってもらうため6人の冤罪被害を受けたメンバーの内3名が実名を公表しての会見に及び勇気のある行動だと褒められています。

草加事件の真犯人は?

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結果として最初に逮捕された少年たちは少年審判で有罪となり、少年院送致や児童相談所送致などの保護処分を受けていましたが民事裁判では無罪となりました。犯人は他にいるとされますが、この事件の真犯人はどうなっているのでしょうか。この事件の最終的な結末について見ていきます。

草加事件の犯人は未だ見つかっていない

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被害者の女子中学生の衣服に付着していた犯人のものと思われる血液型はAB型であり、逮捕された少年たちにAB型の人物はいませんでした。そのため、犯人は別にいると言われていますが、事件から30年以上たった今でも犯人は未だに見つかっていません。

2000年に公的時効を迎える

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最初に逮捕された少年たちが無罪であることが判明した際、被害者の遺族は、『直ちに再捜査を開始して一刻も早く本当の犯人を捕まえて欲しい』と語っていましたが、この事件は結局真犯人をつかむことができないまま、2000年に時効を迎えることになりました。

冤罪によって捜査がいったん終了しましたが結局のところ犯人は別にいるとされ捜査も振り出しに戻り最終的に時効成立により未解決となったこの事件は、冤罪の罪を着せられた少年たちも被害者とも言えますが、冤罪を作り出したことによって捜査が止まってしまったことは被害者の遺族からしても冤罪被害者と言えるでしょう。

草加事件の主任検事はテレビにも出演していた住田弁護士

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住田裕子さんは現在弁護士として活躍をされていますが、弁護士をされる前は検事をされていました。そして、この冤罪事件となった草加事件の裁判において主任検察官を務めていたそうです。この事件の主任検察官を務めた住田裕子さんについて触れていきます。

「行列のできる法律相談所」に出演した有名弁護士

日本テレビのレギュラー番組において、住田裕子弁護士は史上最強の弁護士軍団の1人として出演している弁護士の1人となります。一緒に出演していた中には橋下徹さんや丸山和也さんなど政界に進出した方もいらっしゃいます。行列のできる法律相談所では法律の母と呼ばれています。

テレビ局が発言を求めたが拒否

住田裕子弁護士は、この事件関してテレビ局からコメント求められましたが、守秘義務を理由にコメントを拒否しています。しかし、この発言には賛否両論があります。公表されていない事件について語ることはもちろん守秘義務違反となりますが、既に世間に知られている事件であれば守秘義務違反には当たらないのではとの意見があります。

繰り返される少年犯罪、少年法の改正と非行に走る背景と治す方法

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未成年者による犯罪はこれまでもたくさんありました。窃盗やひったくりのような軽微な罪から、リンチや殺人・傷害事件などの凶悪な犯罪など種類は様々です。少年法という将来の更正を目的とした法律は制定されて以降50年近く改正されることはありませんでしたが、2000年に初めて改正されその後2007年にも再改正します。

少年法の改正の必要性と、未成年の少年少女が非行に走ってしまう背景や非行に走ってしまった少年たちが罪を犯すことなく更生して日常の生活を送るための非行の治療法などについて見ていきます。

少年法改正の背景

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少年法が制定されたのは1948年になり2000年に改正されるまで52年間改正されることはありませんでした。大人よりも更正できる可能性が高いことから2000年までは刑事責任を問われるのは16歳以上となっていました。

2000年に改正されることになったきっかけは、1997年に起きた神戸児童連続殺傷事件となります。この事件は小学生の男女が殺害された事件になりますが犯には当時14歳の少年だったっことことから刑事処分とはなりませんでした。そのため、この事件をきっかけとして刑事処分可能な年齢を2歳下げて14歳へ改正しました。

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次に少年法が改正されたのは2007年になります。2000年に少年法改正で14歳から刑事処分の対象になりましたが2003年に中学1年生が4歳の男の子を屋上から突き落とし殺害、翌年の2004年には小学生の女児がカッターで同級生の女児を切り付け殺害する事件がおきました。このため、更に少年法が改正され14歳からおおむね12歳へとひきさげられる事になりました。

犯罪を犯してしまう未成年の年齢が低くなっていることや、未成年であっても残虐な犯行などを行ってしまう事態が増えているため少年法の適用については賛否両論分かれているのが現実になります。まだ幼く人格形成もこれからとされているため未成年犯罪については氏名などは公表されることはありません。

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しかし、あまりにも残忍な犯行であれば改善の余地はなしとして、氏名の公表や年齢に関係なく大人同様の刑事責任を課してもいいのではないかという意見も近年多く集まっておりこれからの少年法の在り方について注目が集まっています。

非行に走る少年少女の特徴と治療法

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非行に走る子どもにはいくつかの特徴点があると言われています。親が離婚をしていて親の交際相手等内縁関係の他人が家にいるや親による虐待、または親自身が子ども時代非行だった為、放置しているなど家庭環境に問題ある場合です。または放置主義とは真逆の親の執拗な溺愛が逆効果となる場合などがあります。

少年院などに入っていて更生プログラムを受けた子どもたちも出所後周囲の目などから再び非行に走る子どもが多いのも事実です。ですが、保護司等の環境を整えてくれる人たちがいます。目を背けずに向き合うことが大切になります。

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また、精神科での心理療法も存在します。最初は嫌がる少年たちが殆どですが自分の敵ではないと少年側が気づけば不満や不安などについて真剣に向き合ってくれる効果的な治療法になります。なお、親の執拗な愛情や干渉が原因で非行に走る場合は親自身のカウンセリングも必要になりますので、家族での治療が必要になってきます。

日本で起きた冤罪事件と冤罪作り出さない対策とは?

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過去にも日本で起きたとされている冤罪事件はいくつかあります。それは過去の警察において拷問などの自白の強要や、積み重ねた状況証拠のみで裁判の判決を出したことによります。ここでは冤罪事件とされた事件をいくつか紹介していきます。

足利事件

1990年に少女が殺害された事件で犯人とされた男性は、逮捕起訴され有罪判決となりましが、その後の再審請求においてDNAの再鑑定を行ったところ犯人とされた男性のものとは一致しなかったことから冤罪であることが判明しました。

東電OL殺人事件

東京電力の女子社員が殺害された事件となり、犯人として逮捕されたのは外国人の男性でした。この男性もまた裁判で実刑判決を受け服役していましたが度重なる再審請求やDNAの再鑑定により無実であることが確定し、冤罪であることが明らかになった事件になります。

豊橋事件

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親子3人を殺害の上、家に火をつけ証拠を消したなどして男性が逮捕されますが、この事件は検察側がこの男性が無実である証拠を所持していたにもかかわらず有罪へと運ぼうとした事件になります。しかし、被告の男性が無実の証拠を証明したことにより冤罪であることが判明しています。

袴田事件

袴田事件は有名な事件で強盗殺人の罪で死刑判決が下されている事件で現在も無罪を訴えて再審請求をしている事件となります。袴田事件は警察の執拗な取り調べによる自白の強要での死刑判決として人々の記憶に残っています。

連日の取り調べ、寝かせないや一日の取り調べ時間が最長で16時間を超えるなど精神的な抑圧や最後のほうには警棒で殴ったり蹴ったりするなどの拷問を行ったとされています。このような状況下において自白をすれば今の状態から抜け出せるのではという心理が働きやってもいない罪を自供したのではと言われている事件になります。

綾瀬母子殺人事件

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東京都で1888年に母子が殺害された事件になります。この事件で誤認逮捕されたのは未成年の少年3人でした。少年たちは興味本位から虚偽の証言をしたことにより警察に疑われることになりました。警察の先入観と少年たちの司法制度の仕組みの乏しさにより46日間身柄を拘束されることになりました。

警察は、少年たちを任意同行で所に連行しましたが、任意同行であるにも関わらず少年たちの親に連絡することもなく、また長時間によって未成年者を拘束したことによって少年たちは自白をしますが、少年審判において証拠は何もないとして少年たちは不処分となりました。

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未成年者の少年たちを親への連絡もなく深夜まで警察が拘束していたことで当時警察の対応に批難の声が出ておりこの事件の少年たちも、草加事件の少年たちと同様冤罪の被害者と言えるでしょう。

貝塚ビニールハウス殺人事件

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1979年貝塚市で起きた殺人事件で。21歳の男性1人と18歳の少年4人が逮捕・起訴された事件になります。18歳の少年4人は一度は懲役10年の判決を受けますが控訴によって無罪となりました。21歳の男性は有罪が確定し服役していましたが再審の結果無罪が判明し冤罪事件となりました。

この事件は、5人とも全員アリバイを主張していましたが、受け入れられずまた5人を犯人だという物的証拠は何一つありませんでした。逆に物的証拠として挙がっていたものはいずれも5人が無実であることを証明するに近いものばかりだったそうです。

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しかし警察は拷問に近い取り調べでの自白を強要したこの1点のみで有罪へと導き結果として1人の少年を再審無罪が確定するまで6年間服役させてしまうという権力の横行による冤罪事件です。

中華青年会館殺人事件

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1955年中国人留学生寮で発生した放火・殺人事件になります。一度2人の夫婦が逮捕されますがすぐに無関係として釈放されました。その後逮捕された24歳の男性が逮捕されることになりました。

この事件もまた自白以外に証拠はなく、自白の内容も実際の現場の状況と相違点が多いことなどから矛盾が生じており裁判においても地裁の判決及び検察が控訴した高裁においても自白以外の証拠はなく自白も信憑性に欠けるとして無罪判決を言い渡し結果冤罪事件の1つとなりました。

爪切り事件

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2007年福岡県北九州市の病院で起きた看護師による爪剥ぎ事件となります。他の看護師による内部告発によって事件はあかるみになりました。認知症の高齢患者に対し爪を剥いで出血させた傷害事件として話題になりました。

地方裁判所では執行猶予付きの有罪判決となりましたが、高裁において爪を伸ばしたままにしておくのは衛生上よくないことで看護行為として正当な行動であり違法性はないとして無罪となった事件になります。

免田事件

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1948年に夫婦が殺害された事件になります。犯人として逮捕された男性は死刑判決をうけますが度重なる再審請求をおこなったことにより事件から34年後、死刑判決から31年後に逆転無罪となった事件になります。

死刑判決を受けた死刑囚で初めて再審無罪となった事件になり、四台死刑冤罪事件の1つとされています。また、この事件において警察はこの男性が真犯人であると考え再捜査を行っていなかったため、事件は事項を迎え未解決のまま終息することになりました。

冤罪事件を生まないための警察での取り組み

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紹介してきた冤罪事件のように警察・検察はこれまでに多くの無実の人を犯人としてきました。その背景として以前は、容疑者を取り調べる際携帯電話などの録音ができる機器は規則として取調室への持ち込みは禁止されていました。しかし、取調室は密室の空間でありその密室でどのような取り調べがされていたかを証明することは困難でした。

そのため、威圧的な取り調べや長時間の拘束・拷問などにより容疑者が精神的に追い詰められ犯行を自白してしまうケースは過去にも何度も起きています。冤罪により真犯人が野放しになることや関係のない人間を取り調べたことにより捜査が進展せずに結果迷宮入りしてしまうことは警察側としても避けなければいけないことになります。

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そこで、2019年6月から警察などでの取り調べにおいて強引な取り調べが行われていないことを明白にするために取り調べ内容の録音・録画を義務付けることを国会にて閣議決定されました。今まで数々の冤罪や拷問等が行われてきた過去を考えるとこの義務化は遅すぎるのではとの考えもあります。

しかし、今後取り調べにおいて違法な方法で罪を自白させられることのないように冤罪事件が生み出されることのないような正当な取り調べを容疑者が受ける権利として必要なそちであることは確かです。国や警察の働きかけにより今後無実の罪で不当な扱いを受ける人が減ることを願います。

草加事件は不可解な謎を残したままの未解決事件

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草加事件は結局犯人不明のまま時効を迎えてしまい、不可解な謎を残して迷宮入りとなってしましました。犯人を野放しにしないことはもちろんですが、冤罪被害者となり苦しむ人を減らすことも大事なことです。

現在は裁判員制度が導入されており、裁判は私たちの身近なものになっています。自分の判断が人の人生を左右することになりますので今後は自白の強要や不確かな証拠で有罪となり不当な拘束をされることのないように、公平な裁判が必要となってくるでしょう。

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