冷たい熱帯魚のあらすじとネタバレ!埼玉愛犬家連続殺人事件も解説!

バブル期にシベリアンハスキーの繁殖で莫大な利益を出しますが、バブルの崩壊とともに莫大な借金を背負うことになります。その打開策として詐欺まがいの方法で犬を販売することになるのですが、それがばれたことで凶行に手を染めるようになります。

冷たい熱帯魚の犯人のモデル③殺人哲学を語っていた

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殺人への哲学ともいえるこだわりがいくつかありましたが、犯した凶行の残虐性と異常性を一番表しているものが「死体(ボディ)を透明にすることが一番大事」です。作中でもこのセリフとこのセリフが示す証拠隠滅の方法が使われています。

冷たい熱帯魚の犯人のモデルの実際の犯人は病死

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作中では社本に殺害されますが現実では異なります。死刑判決後東京留置所に拘束されていましたが、201611月頃から体調を崩し、病院で治療を受けていましたが、刑は執行されることなく2017327日早朝、同留置所において病死しました。

関根元にも通じる異常性癖を持つ殺人者小林遼に関する記事はこちら。新潟で犯した少女殺人事件の真相と過去に犯した凶行の有無、小林遼の生い立ちや育った官僚に影響があったのか詳しく解説しています。

冷たい熱帯魚と埼玉愛犬家連続殺人事件の異なる点

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今更言うことでもありませんが、いくら現実の凶行を元にしているといってもこれはフィクションです。当然現実に起こった凶行に脚色を施して、現実に起こされた凶行よりドラマチックに描かれています。

冷たい熱帯魚のオリジナル点①第一の事件との相違点

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第一の凶行は作中では村田のビジネスパートナーだった吉田ですが、現実には投資のために関根元から犬を買った顧客が犠牲者となっています。仕掛けた詐欺がばれたことでトラブルとなり、毒殺した後に亡骸を解体して燃やし、灰を山中に撒きました。

一般では一連の凶行の動機は「犬の売買をめぐる金銭トラブル」と言われていますが、現実に金銭のトラブルが凶行の原因となったのはこの事案だけです。そして山崎はこの凶行の最中に脅迫され、協力者になっていきます。

冷たい熱帯魚のオリジナル点②第二・三の事件との相違点

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劇中では第二、第三の犠牲者は村田を切り捨てようとした弁護士とその助手でしたが、現実の犠牲者は、暴力団の組員とその運転手でした。彼らは関根と顧客が揉めたときに間に入って仲裁を行っていましたが、第一の事案に気付いて強請るようになったため殺しました。

冷たい熱帯魚のオリジナル点③第四の事件との相違点

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作中における第4の凶行は社本の逆上による村田の刺殺ですが、現実では異なります。4番目の犠牲者は埼玉県に住んでいた主婦でした。バブル崩壊後資金繰りに苦労していたためこの犠牲者となる女性に株主になって出資してくれるよう依頼をしていました。

しかし株主話は嘘なのでそのうちバレてしまうと想像し、金を詐取した後殺します。この凶行には、この男の内面がよく出ています。普段は虚勢を張っているが、根は小心で猜疑心が強い。「そのうちばれるだろう」という理由で行った凶行がまさにそれです。

冷たい熱帯魚のオリジナル点④共犯者は自殺しない

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劇中では殺人鬼を殺した後、妻も殺して自殺する主人公となっていますが、現実の凶行では山崎は生き残っています。彼は逮捕されて3年間服役した後、出所して一連の凶行の顛末を書いた本を出版しています。

冷たい熱帯魚を通して監督が伝えたかったこと

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劇中では主人公の娘・美津子を除いて、主要登場人物全員が死んでしまいます。このような救いようのない、残酷で残虐なシナリオを通して、監督・園子温は何をつたえようとしているのでしょうか。

「生半可に愛に救いを求めるな」

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ハッピーエンドを望まれるフィクションであれば、絶望的なストーリーであっても最後は愛や希望で「まんざら捨てたものではないな」で終わることが半ば義務付けられています。しかし劇中にはその愛や希望が一切描かれていません。

大人になりきれなかった社本はその愛や希望にすがった結果破滅してしまい、ハッピーエンドとは程遠い終わり方をしています。これはストーリーを通じて、「いい大人なのだから愛や希望に頼らず自分でなんとかしろ。さもないとこうなるぞ」というメッセージなのでしょう。

冷たい熱帯魚以外の家賃3部作とは

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園子温の撮った中で、現実の凶行をベースに撮られた「冷たい熱帯魚」「恋の罪」「ヒミズ」」の3つを指して「家賃三部作」と呼ばれています。「冷たい熱帯魚」はその三部作の中でも凶悪なことで有名です。

冷たい熱帯魚以外の家賃3部作①東電OL殺人事件がベース「恋の罪」

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「恋の罪」は1997年に起こった「東電OL殺人事件」がベースになっています。東電で幹部を務めるエリートOLが夜は渋谷のラブホテル街で1回数千円で売春を行い、最後は売春場所としてしようしていたボロアパートで殺されるというものです。

「恋の罪」では、この昼間はエリート社員としてバリバリ働いているOLが、夜には売春婦として働く女性という部分を取り入れています。謎を追うミステリーものというわけではなく、話に登場する3人の女性を中心にそれぞれの生き方が描かれています。

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