恩寵園事件とは?児童養護施設で起きた虐待事件の判決や要因、その後

ですが施設はあたかも看護師や医師が常駐しているかのように装い、「対応は適切だった」と証言していたが、恩寵園のように家族経営であり虐待の事実を隠ぺいしていました。実際に施設長と息子と娘の三人が逮捕されました。

川崎市老人ホーム連続殺人事件

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川崎市の有料老人ホームで起きた入居者3人が相次いで転落死した事件から、親会社のその後の調査で2013年以降、職員による入居者への虐待が延べ81件あったことが発覚した事件です。川崎市の施設では、転落死のほか窃盗も発覚しました。

これにより救命救急士の資格を持つ職員が逮捕されました。きっかけは、事故死とされた3件の転落死後、窃盗が相次いだことでこの職員が疑われ、のちに窃盗容疑で逮捕され、加害者しかわからない殺害をほのめかす供述があったことから事件の全貌が明らかになりました。

ふるさとホーム白浜の虐待事件

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2012年に千葉県の精神障害者施設「ふるさとホーム白浜」で入所者が理事長から虐待を受けていると通報があったことから発覚した事件で、「出ていけ」や「生活保護を打ち切る」などの暴言のほか、日常的に殴る蹴るの虐待があったことが認められました。

その他にも、床に頭を何度も打ち付けさせたり、入所者同士で喧嘩をさせたり、節約を理由に水風呂に入れ、根拠の不明な借用書を書かせ、金銭を徴収していたりいましたが、その後、理事長は虐待容疑で逮捕された。いずれも容疑を否認しています。

福島白河育成園事件

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1997年に職員による内部告発で発覚した施設内虐待事件で、知的障害のある入所者に対して暴力をふるっていたほか、手のかかる入所者は薬漬けにして眠らせていたり性的虐待も行っていたことがわかりました。

ですがこれだけではなく、入所者の所持金を横領したり、保護者に対して多額の寄付金強要も行ってました。暴力に関しては有効性と正当性を施設の指導方針としていたこともわかり、いかに悪質だったかが伺えます。のちに施設は閉園し、理事長をはじめとする3人が書類送検されました。

福岡「育児院」施設内虐待

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こちらの施設では、1994年ごろに日常的に頭をバットで殴ったり、蹴ったりする上にプラスチック製のごみ箱のふたで女子中学生の顔面を殴りつけ怪我を負わせたり、男児の腕に煙草を押し付けたりし、改善を誓ってました。

ですが2007年に再び日常的な虐待があったことが取材により発覚しました。ですが体罰は行ってないと否認しましたが、実際は投げ飛ばしたり、殴ったり、空き缶を頭に投げつけたり言葉で追い詰めたりしていたことが明るみになりました。

施設内の虐待は今もなお行われている

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上記の死亡事件も含む施設内虐待事件は、あれだけ異常で残酷な恩寵園事件が世間に明らかになっていても、全く関係なく、何も学習されることなく子供も大人も関係なく今も人知れず虐待が行われています。

そこには殴る蹴るは当たり前といった常識とはかけ離れた「暴力的で支配的な日常」がありながらも、そこから脱出できない現状があり、またそれを隠ぺいすることで世間の目にさらされないという現実が虐待を繰りかえす要因にもなっているのがわかります。その他の虐待事件は以下からご覧ください。

恩寵園事件のように虐待を題材とした作品

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世間にはまだまだ恩寵園事件以外にも、この様に虐待が行われている施設が実際に存在し、問題にもなってます。そんな痛ましい「虐待」に焦点を当て、それを題材にした作品がいくつかあるので紹介いたします。

『ひぐらしのなく頃に』に登場する「空の家」

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両親を事故で失って身寄りも無く施設に引き取られた鷹野は、人権を無視した施設での生活に深いトラウマを負ってしまい、神を憎むようになるのですが、その施設内(空の家)でおこなわれた虐待に、マットに包まれた状態で竹刀で叩かれるという「潰れた芋虫の刑」というものがあります。

恩寵園の虐待行為の中で、金属バットや竹刀や木刀などで日常的に叩かれたという行為がありました。その他、罰として麻袋に入れられ吊るされたなどの異常行為もあったことから、この作品が恩寵園とリンクするものがあります。

『トガニ幼き瞳の告発』

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韓国光州広域市聾学校で入所している児童に対して、校長や教員による性的暴行が日常化していたにも関わらず、施設や地域ぐるみで隠蔽していたという実際に起きた信じがたい事件を元に描いた作品です。

暴行を行った教員らに対する判決があまりにも軽かった事、社会の関心があまりにも低かった事、実刑を逃れた関係者がそのまま学校に復帰したことなど、こちらも恩寵園事件とリンクする点が多いです。

恩寵園事件のような虐待はあってはならない

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様々な理由から親元を離れ生活する時点で、心に傷を負っているにも関わらず、人知れず繰り返される虐待と戦い、助けを乞いながらも再び虐待されていた恩寵園事件。本来養護すべきであるはずの施設であってはならない事件を紹介させていただきました。

このおぞましい恩寵園事件の裁判が行われてから20年余りの間に、いくつもの痛ましい虐待事件が明るみになってます。今後もこの事件を教訓とし、子供達の未来を奪う「虐待」を根絶する必要があるべきです。

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