こうした形で他の男性が行った犯罪と併せて刑の期間を延ばすのはどうなのだと問題になりましたが、裁判の中でこれは認めてもらえ、この事件で犯人の期間は確定する事になりました。これ以外にもこれだけのことを行っておいて刑が軽いといった意見も少なからずありました。
新潟少女誘拐事件の被害者少女の監禁生活とは
ここまで事件がどのようにして始まり、行われたのかその経緯とどうやって少女が家から発見されたのかをまとめました。ではここからは事件の内容に関して、男性が行ったさらった少女との生活の内容や暴力の方法を中心に、詳しく見ていきます。
肉体的・精神的に暴行を受ける
拘束された少女は男性に数々の暴力を振るわれたのですが、拘束された最初の方は殴りつけられたり、心を壊す目的で刃物を突き付けるなどされ、さらに少女に対して脅すような言葉を投げつけて体はもちろん心の方にも深刻な暴力を受けていました。
最少の数か月間は手足を縛られたままの生活をさせられ、手を縛ることはなくなったのですが足はそのまま縛られていた為自力で歩くことが出来ませんでした。これによって男性から逃げようという気持ちが段々となくなっていってしまい、暴力は次第に厳しくなっていきました。
こうした行為は少女が男性の話す行為に答えられなかったり、逃げようとしたり、縛られていたベッドから離れようとしたときなどに行われています。他にも男性が格闘技の技を少女に行った際に苦しさから声を発した際にも同様の行為をするなど自分勝手なものも見られました。
男性の暴力は数百回にも上り、中にはかなりの力を込めたものもありました。その中で少女は自分から男性に向けて暴力を受け入れたり、苦痛に耐えるために自分自身を傷つけることも行っており、こうした厳しい状況の中でこれを受けているのは自分ではないと思わせるための精神的な異常も見受けられます。
衣服は万引きしたものを着用
少女が男性に拘束されている間、彼女の服はどうしていたのかですが、着れなくなるまで一つの服を着用させ、どうしても着ることが出来なくなった時には男性の家の近くのお店に向かい、そこの服を万引きして服を着せていました。この時点で男性は新しく犯罪を起こしていました。
男性が少女の服を買わなかった理由として、男性自身が働いていなかったために少女の服を買う事ができなかったことと、服を買うとそこから怪しいと思われると考えを話しています。この点でも男性がこの事を知られないよう気を配っていたことが伝わってきます。
男性はこの事件で捕まった後に少女を自分の友達だと考えていたと話しており、それにしては服を買ってあげないのは腑に落ちません。これは男性に関して少女が言う事を聞いていたのを自分の中で勝手に理解してしまった事が原因だとされています。
お風呂はたったの一度きり
少女は男性との監禁生活の中でなんと1回しかお風呂に入らせてはもらえませんでした。この期間が10年近くだったことからもかなり厳しいことが分かります。1度というのも彼女が転落してしまい、床の汚れが体に付いてしまった事から仕方なく洗う目的で入ったのです。
また、男性は誰かに触られたりすることをかなり嫌っており、これは普段の生活に支障をきたすほどでした。しかし男性はお風呂に全く入っていない少女に触れたりすることはでき、また特に嫌な気分にもなっていなかったことから一点の部分にだけ反応をするものだったと推察されます。
食事は1日一食のみ
食事はどうだったかと言うと、最初は男性の母親が彼の為に作った弁当を食べさせていたのですが、その後男性の食べるものが買ってきた弁当に変更になりました。これに関しては母親が食事を作る際に疲れないように、できるだけ簡単に済むようにと考えてのことでした。
しかし男性が少女を見た時にあざを見つけ運動をしていないことで病気になってしまうと考えてなんと食事の量を1日に1回と変えています。ですがあざに関しては単に足を縛っていた事でできたもので、同じ体勢でずっといることでできたものだとも考えられます。
男性は少女が病気だと考え食事を少なくしたために少女の体重は一気に減ってしまいます。これが原因で時折気を失うようになってしまいますが、男性は少女の食事に握り飯を一つ増やすだけで少女が病気だから痩せていっているのだと考えを改めませんでした。
少女は自分の力で歩けずに男性につかまって歩行をするといった状況で、男性は少女に足踏みはしても良いと話しましたが母親が下の階にいる際はそれも駄目だと少女に話しました。少女が見つかった時には自分で立つこともできないほどだったのです。
トイレはビニール袋で
犯人の佐藤宣行さんは普段の生活に支障をきたすほど人の触ったものに触ることを嫌い、トイレは家のものでも使用できないほどでした。少女にも同様にトイレを使わせないようにし、用意していた袋の中に用を足してそれを廊下に並べさせるようにしました。
これらにはアンモニアが含まれていた為廊下の床が腐る事態になり、複数並べられた廊下はきしんで剥げていました。トイレはダメなのにかなり汚い袋はなぜ大丈夫なのかという部分には疑問が残りますが、恐らくはトイレがダメなだけでこうしたものは良いと考えられるのです。
また、この廊下に並べる行為は男性の性癖に関係していると考えられ、これらを性的なものとして見ていたと推察できるのです。その為少女の出したものを外に出したくないという思いからこうした部屋の外に並べる行為を行ったと心理的な側面からは考えられています。
その他の少女が監禁された事件に関して知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
新潟少女誘拐事件の女児発見とずさんな警察対応
ここまでこの事件で少女が男性とどのように生活していたのか、その部分を詳しく見ていきましたが、かなり厳しい状況の中で生きていたことがうかがい知れます。ではここからはこの事件の中でもう一つ注目された警察の対応の酷さに関して見ていきます。
強制保護執行!警察は出動拒否
問題だとされる対応の一つに、男性が母親に暴力を振るうことから強制的に施設に入れる際の出来事にあります。施設の人たちは男性が前もって母親からこの日に来る話を忘れ、勝手に部屋に入ってきたと暴れ始めます。最後は気を失わせて病院に運ばれます。
そしてここで問題なのが男性が暴れた時に施設の職員は自分たちだけでは男性を取り押さえることは難しいとのことでもし男性が暴れた場合の為に警察に数名ほど来てほしいと連絡を取り、しかし人がいないと言い、もう一度連絡をすると電話を無理やり切られてしまいます。
男性の気を失わせることで彼らが来るのを待たずに終わらせることが出来たのですが、この来てほしいという連絡を無理やり拒否した対応が杜撰だと非難を浴びる事になってしまいます。これはこの事件の側面の一つとして広く知られてしまうこととなってしまうのです。
誘拐女子発見
この問題だとされる警察の対応の後、部屋に入った施設の人物が少女を発見します。この時少女は上手く話しづらい状況で、部屋にいてもいいかと少女が話していたことから男性に心身ともに支配をされていたことが分かります。
他にも少女に話を聞く中で母親がこの時初めて少女の存在に気が付いたという事や自分の家がどこにあるのかわからない事も話しており、この点部分も男性がかなり配慮して少女の存在を隠したか分かります。それでも母親が分からない部分には疑問が残ります。