市橋達也とは?「リンゼイ・アン・ホーカー殺害事件」の犯人
市橋達也が一体どのような人物なのかと言うと、なんと複数名もの刑事の包囲網をかいくぐり、数年の逃亡生活を続けたことで知られる人物です。そしてこの逃亡生活の中で起こした外国人女性を殺害した事件の犯人だという点も含めて有名となっていきます。
市橋達也の経歴は、医者の両親のもとに生まれ、裕福な家庭の中で将来は医者になるよう期待されていたものの、大学受験に失敗し、夢をあきらめ別の学部のある大学へと進学します。しかし卒業した後も仕事をせずに両親から贈られてくるお金だけを頼りに無気力な生活を続けていました。
そして業を煮やした両親にお金を送ることを終わりにすると告げられ、同時に両親のお金で借りていたマンションからも立ち退くように言われます。このような状況の中、彼を有名にする事件が起きることとなります。では次からはこの事件の内容について詳しく触れていきます。
市橋達也の起こした「リンゼイ・アン・ホーカー殺害事件」の概要
ここまで市橋達也の経歴やどのような人物なのか、簡単にではありますが紹介をして行きました。ではここからは市橋達也の名前が悪い意味で広く世に知られることとなった女性を殺害した事件について、この人物がどのように関わっていったのか、その詳細を見ていきます。
被害者のリンゼイ・アン・ホーカーさんは英会話講師
では本題に入る前に被害者である女性はどのような人物だったのかについてですが、彼女は日本で英会話を教える学校の教師として勤務していました。そしてこれとは関係なく今回の事件の犯人である市橋達也に個人的にレッスンをしていました。この際の料金は3500円で、両親から贈られるお金のない彼にとっては決して安くはない料金でした。
市橋達也は駅で見かけたこの女性に声をかけて、洗濯機を治したことを覚えていないかと話し始め、女性は知らないと答えてその場を後にしようとしますが、彼はそのまま後を追いかけ話を続けました。
その際には絵の勉強をしていてその為に英語が必要であり、勉強を教えてほしいと話し水だけでももらえませんかと話す彼に女性は水を渡し、勉強を教えることを約束することとなったのです。この時に市橋容疑者は勉強を受けるのと引き換えに自分の電話番号と彼女の似顔絵を描いて渡していました。
個人レッスンで「レッスン代を忘れた」と自宅に誘い込む
複数回の連絡を取りあい、1回3500円で勉強を受けることに決まるのですが、ここから今回の事件は起きることとなってしまいます。21時ごろにカフェで英語の勉強を受けた後、市橋容疑者は唐突に今回の授業の代金を忘れてしまったと話し、家まで一緒に来てもらいたいといったのです。
このカフェに男性と英会話を教えていた女性がいたことは店に設置されたカメラで分かっており、22時を回りそうな時刻になると市橋達也の住んでいる家のマンションに備え付けられているカメラにも二人の姿がはっきりと映っていたそうです。この事から男性の自宅へと向かって言った事は間違いないことが分かります。
市橋達也のマンションにリンゼイさん監禁の後に殺害
こうして市橋容疑者が英語の授業料を忘れたことから自宅へと向かう事になったのですが、男性は自宅へ彼女を招き入れると態度を豹変させ、床に押し倒してすでに用意していた結束バンドを使って女性を縛って動けなくしたのです。その後彼は女性に対して性的な暴行を行うという最悪の行為を行っています。
この行為の後、市橋達也は外国人女性を監禁する為に風呂場から付けはずしの出来る浴槽を部屋までもってきてその中に女性を入れて16時間その中に入れ続けたのです。その後縛っているのをほどいてほしいと話す女性に対して暴行をするなど卑劣な行動を繰り返していくこととなります。
早朝に差し掛かったころ、女性を縛っていた手をようやくほどいた際に女性が逃げようとしたことに逆上した市橋達也は首を締めあげて彼女を殺してしまいます。後の取り調べではこの時には殺す気はなかったとも発言しています。女性を殺した後には交際していた彼女に1週間会う事ができないといった事を連絡しています。
市橋達也はリンゼイさんの遺体を浴槽に埋葬
女性を殺害した後、市橋達也は彼女の死体を隠すために近所のホームセンター内でかなりの量の道具を買っています。しかし購入したものの中にはなぜか苗木が入っているなど用途がよくわからないものもあり、恐らくはこの時点では気が動転していたのではないかとも推察できます。
そしてこれらを家まで運んできた男性は女性を縛り付け閉じ込めていた浴槽をベランダまで運び出し、そしてその場所に勝ってきた大量の土をかぶせて女性の死体を隠そうとしたのです。また、買ってきたものの中に消臭剤が入っていたことから、臭いに関しても対策をしようとしていたことが伺えます。
市橋達也宅に警察が訪問し裸足で逃亡、トイレでセルフ整形へ
このようにして死体を隠した市橋達也ですが、この事件はすぐにばれることとなります。というのも殺された女性の友達が連絡の取れなくなった彼女を心配して警察に調査を依頼していたのです。女性の家には市橋達也の情報の書かれたメモや似顔絵といったものから場所を特定し、家に向かう事になりました。
市橋達也の家には複数名の刑事たちが訪れますが、マンションの共有スペース内で男性と鉢合わせになり男性の部屋に入ろうとしたところ、彼は裸足で逃げ出しました。刑事複数名を振り切ってマンションの非常階段から駅の方へ逃げ、隠れていたところを取り押さえるものの再び振り切って逃走に成功していました。
なぜ市橋達也がここまで逃げ切ることが出来たのかについてですが、彼は高校時代足の速さで有名だったらしく、複数名の警察を振り切るほどの足の速さを有していたのです。そして逃走中に彼女に電話をかけ助けを求めたものの、つながることはありませんでした。
そして逃げ延びた後、市橋達也は身を隠すために自分で無理やり鼻を切り裂いて縫い付け、顔の雰囲気を変えるといった自己流の方法で顔を変え、各地を転々とすることとなります。その後も男性は幾度も自分で顔の作りを変え、人の目を欺き続けました。
市橋達也の2年7カ月の長い逃亡生活はフェリー乗り場で終結
こうして始まった市橋達也の3年近くにものぼる長い逃走生活ですが、その最期は船の乗り場での逮捕でした。大阪へ向かう船の乗り場で男性が何も手荷物を持っていないことを怪しく感じた一般の乗客が警察に連絡をしたことがきっかけとなって捕まることとなったのです。
こうして長きにわたる逃走の末に捕まった市橋達也ですが、彼が輸送される車両に衝突したとしてテレビ局員の男性が逮捕されています。彼は映像を撮るために入ってはいけない栓を越えてしまい、それを止めた警備員を突き飛ばし輸送車の窓を何度も叩いたために公務執行妨害で取り押さえられました。
こうした経緯からテレビ関係者が逮捕されたのですが、そのほかにも現場はかなりの混乱だったと言われています。捕まった男性以外にも、新聞会社に勤務している男性が混雑の中に巻き込まれて右手の骨にひびが入る怪我をするなどしていました。
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