シリーズ7作目として企画制作されるも発売直前に発生した”宮崎事件”の為一旦お蔵入りに。タイトルから「ギニーピッグ」を外してようやくリリース。タイトルの改変だけで内容には変更を行わずシリーズ7作目として認知されています。主演佐野史郎さんの鬼気迫る演技でカルト的な支持を得た18歳以下視聴禁止の作品です。
「LSD-ラッキースカイダイアモンド」あらすじ
医師である恋人の元で治療を続ける洋子は、姉の桜子の看病も虚しく悪化の一途をたどる。姉が治療に疑問を持ち医師に詰め寄ると脳手術によってしか回復する手立てが無いと説得され、渋々手術に同意した洋子だが、手術中に開頭された洋子の前で医師と桜子は性行為に興じる。手術後に二人に恐怖した洋子は逃げようとするが医師と桜子に襲われてしまう。
断片的に記憶が甦る洋子は、歓楽街で拉致され医師と姉ではない桜子によって患者に仕立て上げられていた。二人に逆襲を図り脳はむき出しの状態で命からがら二人を倒した洋子は、数日後に救出されました。
ギニーピッグシリーズ「LSD」の特徴は「ぶっとんだカップルの行動」
グロテスク表現はもちろんですが、全くの他人を誘拐・拉致して精神的・肉体的に主人公・洋子を痛めつける医師と姉と偽る桜子の狂気の行動が怖い。しかし常人には到底理解できない変態医師のコスチューム(ダンボールを被ってロボ化)が更に変態ぶりを発揮し笑えてしまうので、コメディよりにもなっています。
「ギニーピッグ」がタイトルから外された理由とは?
埼玉連続幼女誘拐殺害事件の犯人である宮崎勤が逮捕され、当時宮崎が所有していた大量のビデオテープの中にギニーピッグがあったため、内容が内容だけに風評被害に合ったギニーピッグシリーズは、全作レンタル販売禁止に加え回収作業・廃盤にまで発展し、本作タイトルから「ギニーピッグ」が外されました。
Contents
ギニーピッグシリーズを有名にした宮崎勤とは
1988年から翌年にかけて埼玉県で発生した、4人の幼女を誘拐し殺害した事件の犯人が宮崎勤です。刑事裁判に於いて一貫して無実を主張し続けましたが、2008年6月17日に死刑が執行。その最期まで遺族に対し謝罪や反省の念を語る事は無かったそうです。
ギニーピッグシリーズを有名にした宮崎勤とは?
東京・埼玉連続幼女誘拐殺害事件の容疑者地して逮捕・起訴され死刑判決確定によって刑死した、4人の幼女を誘拐し殺害した日本のシリアルキラー。。「死刑くらいでは収まらない残酷な出来事だ」と当時の法務大臣が語ります。存在感が極端に薄く友人にも嫌われる事が多く、就職しても勤務態度が悪いので自己都合退職を迫られます。
数多くのビデオサークルに加入しても所有するだけで満足してしまい、逮捕時に押収された6000本近いビデオもほとんど鑑賞する事は無かったそうですが、押収されたビデオテープの中に「ギニーピッグ4悪魔の女医さん」があった事で世間のバッシングが始まります。その宮崎勤に関する記事はこちら。
ギニーピッグ騒動の誤解
メディアによって報道された内容は実際に宮崎が所持していたコメディタッチの4作目「悪魔の女医さん」ではなく、残虐性の高い2作目「血肉の華」とデマが報道され一気にギニーピッグシリーズへの風評被害が始まりました。
ギニーピッグシリーズ7は報道加熱で一旦お蔵入りに
現在では大問題になりかねない程のヤラセ報道のメディアの印象操作で脚色された宮崎の自室がテレビや雑誌などで報道され意図的にギニーピッグシリーズの残虐性を世間に知らしめる情報操作で、ギニーピッグシリーズ全作の販売禁止においこみました。
その煽りを食って発売日直前だった「ギニーピッグシリーズ7LSD-ラッキースカイダイアモンド」がお蔵入りになったのは言うまでもありません。”ギニーピッグ”をタイトルから外しようやく7作目が販売にこぎつけたのは前途のとおりです。
メディアのデマに踊らされた風評被害
宮崎勤が逮捕され、その素性や生い立ち生活がテレビで報道され始めると、宮崎の自室が放映されました。無実を信じる父親はやましいことなど無い証明として公開しましたが、メディアはここぞとばかりに印象操作に利用します。
公開された部屋の中には大量の漫画とビデオテープ
いわゆるヲタクの部屋に撮影許可を得たメディアの記者やカメラマンたちは、自ら持ち込んだグラビア雑誌やアダルトコミックを並べ、「宮崎の変態性欲」「ホラーやアニメは悪影響」などと印象操作を行います。
宮崎の残虐性を知らしめるために利用された
シリーズ4作目コメディタッチの「悪魔の女医さん」が発見されたにも関わらず、残虐性の高い描写の2作目「血肉の華」があったと事実を差し替え、山積みのビデオテープの殆どは事実普通のアニメばかりでも”ホラービデオの山”と邪な印象を世の中に植え付けます。
デマに踊らされ全作廃盤
宮崎の逮捕から怒りの矛先を向ける対象が宮崎本人から、ギニーピッグはもちろんホラー作品全般やヲタクにまで変わってしまいました。おかげでギニーピッグシリーズは全作品廃盤と販売停止、レンタルビデオ店からは撤去され現在でも入手困難です。
今でもメディアのデマで風評被害を受ける事例は珍しくありません。ギニーピッグシリーズのような風評被害を出さないためにも、真実を見極める姿勢を持ってメディアのあり方に疑問を持つ事も大切です。デマ報道に踊らされた手首ラーメンの記事はこちら。
スプラッターではないグロテスク表現「繋げてみたかった」
1作目の公開は2010年ですが、陰湿さと残虐性、ブラックなコミカル面に於いて、ある意味ギニーピッグと同等の「もう二度と見たくない」感がたっぷりの「ムカデ人間」です。シリーズは3作ありますがどれも甲乙つけがたい程の醜悪さです。
かつてのシャム双生児分離手術の名医が繋げてみた
これまで分離手術では成功を収めてきた名医が、人間の口と肛門を繋げてムカデ人間を創りたいと考え、拉致した男女3人を繋げてしまいます。想像を絶する醜悪さの変態性癖は「LSD-ラッキースカイダイアモンド」の医師にも通ずるイメージがあります。こちらもギニーピッグ同様に視聴は自己責任でお願いします。
ギニーピッグが「チャーリーシーン」に通報された?!
来日中だったアメリカの人気俳優であるチャーリー・シーンが偶然、2作目の「血肉の華」のビデオを見て本物のスナッフ・フィルムと勘違いしFBIに通報、ビデオを制作した日本人のもとにまでFBIが捜査に来たという大騒ぎに発展しました。
ギニーピッグを俳優のチャーリーシーンが鑑賞
チャーリーが来日中、友人から「日本人が撮った本物のスナッフビデオがあるんだけど見るかい?」と言われ怖いもの見たさと半信半疑で「血肉の華」を鑑賞してしまった事が騒ぎの発端です。
ギニーピッグを本物のスナッフ・フィルムだと勘違いしFBIに通報!
しかしチャーリーはあまりのリアリティを伴った作品の完成度と、ダビングされたものだったのか画質が悪かったので本物のスナッフフィルムだと勘違いし、すぐさまFBIに通報してしまいました。当時の日本の特撮技術が評価されたと喜んでいる場合ではありませんね。しかし本当にチャーリーが通報したのかは不明だそうです。
ギニーピッグ監督の「日野日出志」宅にFBIが捜査に!
日野日出志監督によるとチャーリーの名前こそ出なかったそうですが、FBIが自宅に来たのは事実だそうです。ホラー漫画家である日野日出志氏のマンガを読んだことがあればグロ画像はマンガを実写化したものだとすぐ理解できますが、チャーリーが日野日出志氏のマンガを読んだ事が無かったのも原因の一つかもしれません。
ギニーピッグは数々の誤解を招いたグロテスク・ホラー映画
リアリティを追求し過ぎたせいでギニーピッグシリーズは数々の誤解を招いてしまったホラー映画です。現在はほとんど流通しているものは多くありませんが、監督ごとにスプラッタ表現やグロテスクな表現に留まらずコメディやドラマ性のある作品なども多いので、苦手な方に無理強いはしませんが、一度は鑑賞してみる価値のある映画です。
埼玉連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤に関する記事はこちら
カニバリズム?デマに踊らされた手首ラーメンに関する記事はこちら