このようなことがあり最高裁は地裁の専門家たちの鑑定方法は信用できないと否定しています。一般的ではなかったそのやり方に、信用はできなかったようです。またサイズの合わない5点の衣類も、この時点で彼のものだと断定しています。
袴田事件と東京高裁③4年も協議した結果は「疑問が残る」
そして最高裁は地裁の鑑定結果にたいして、4年もの月日を費やし協議を行った結果が疑問が残るというものでした。検定方法の実用性やその原理に対してのことで、これを認められないとされています。
このことにより、いまだに裁判は続いた状態となっています。裁判官も人なので絶対ではなく、必ず真実を裁くといったこともないのです。このように世界にはたくさんの未解決事件が存在しています。未解決事件について詳しくまとめた記事がありますのでこちらからどうぞ。
Contents
袴田事件の真犯人は一体誰?真犯人の疑惑がかかる人物たち
確たる証拠があってもまだ彼の容疑は晴れてはいないのですが、彼じゃなかった場合にはもちろん別の犯人が存在するわけです。ではいったい誰なのでしょうか?疑惑がかかる人物を紹介・解説いたしますのでご覧ください。
袴田事件の真犯人①唯一の生き残り長女真犯人説が濃厚!?
事件の放火によって4人もの命が亡くなったのですが、生き残りがいましたよね?長女です。実は彼女はもうすでにこの世にはいないのですが、その理由は後述させていただきます。彼女の行動や環境には不可解な点が多く見られました。
袴田事件の真犯人は長女!?①金目的にしては奇妙な事件
まずは事件内容です。一応正式にいうと、放火強盗殺人事件になります。金品がなくなってはいたのですが、それは可能でしょうか?さすがに家に誰かはいってきた上に、放火され誰も気づかずに亡くなってしまったのですが、外部の人間にできるのでしょうか?
袴田事件の真犯人は長女!?②母と次女はおぞましい姿に
上記が可能とされる場合があります。先に殺害した場合はこれが容易なものとなります。しかもこの時の母と次女の顔は、刃物のようなものでズタズタに切り刻まれていたのです。金以外に、もしくは金は目くらましで恨みのこもった犯行なのかもしれません。
袴田事件の真犯人は長女!?③長女は当時勘当されていた
次は彼女の当時の環境についてですが、事件前から勘当されていてなんとたまたま事件当日に戻ってきていたそうです。これはさすがに怪しいですね。偶然帰ってきていて更に生き残っているとなると、疑われてしまうのは当然なのかもしれません。
袴田事件の真犯人は長女!?④袴田さん釈放の翌日に自殺!
そして一番不可解なのが、死の理由です。実は自殺で亡くなっているのですが、決行されたのが釈放の翌日だったのです。仮に真犯人が長女だった場合、この日にしたのにはいくつかの仮説がたてることができ、辻褄があうものが多いのです。
袴田事件の真犯人②警察関係者?身内の犯行を隠蔽?
次は取り調べのことを考えると可能性がある警察です。こちらも昔から稀に起こることで、警察の威厳が失われることを恐れての犯行の隠蔽が考えられます。発覚を恐れて隠蔽して、それが発覚した場合に失われる威厳については考えないのでしょうか?
そして判決の内容や再審の取り消しなどのことから、真犯人は警察関係者という説に信憑性が増すことになります。隠蔽するのに必死で、早く彼に罪をきせて死刑にしようという魂胆が見て取れます。ただ犯行の動機が見当たらないので可能性は薄いかも知れません。
袴田事件の真犯人③暴力団?殺された専務とトラブルがあった?
次に疑惑がかかるのは暴力団です。これは被害者である専務が以前から暴力団との間にトラブルを抱えていたことからこの疑惑が浮上しました。ズタズタに切り刻まれた遺体にも合点がいき、可能性としては十分にあり得るそうです。
もしそうでない場合にでも、トラブルがあったというだけで容疑者にされてしまうのは、暴力団というだけでそうなってしまうのです。殺害することに対して一般の方に比べると躊躇もなく、この当時の暴力団は現在のそれとは違い大きな力があったからです。
袴田事件の真犯人④殺害された専務に恨みがある女
これも可能性としては0ではない話です。専務は生前女性と関係を持つことが多く、遊び人としての一面をもっていました。関係を持った女性の中の一人がなんらかのもつれにより恨みを持ち、犯行に至ったのではないかという説です。
恋愛のもつれから出る恨みは、昔からなんらかの事件に発展する可能性が高く、この事件もこれに当てはまるのではないかというものです。特に女性の恨みは強いイメージがありますので皆様も恋愛のもつれには十分気を付けてください。
袴田事件の真犯人⑤疑惑の人物たちの共犯?
最後はこれらの疑惑がかかった人物たちの共犯ではないかというものです。もしそうなら警察が絡んだ時点でほとんど完全犯罪となるので、どうしようもありません。恨みをもった女性が暴力団に依頼したなんて可能性も十分考えられます。
これらの人物は、考え出したらきりがないほど辻褄があってしまうので可能性は捨てきれません。むしろ袴田さんより可能性が高いなんて場合もあります。なんにせよ、長女以外の犯行ならば巻き込まれた家族の皆様がかわいそうで仕方ありません。
この事件のもう一人の主人公!裁判官熊本氏
この事件には、もう一人の主人公といっても過言ではない人物がいます。それは袴田さんに死刑の判決を言い渡した、熊本氏です。言い渡したと言っても間接的で、書状を書いたのが熊本氏という訳です。この人物について紹介いたします。
袴田さんのために奔走する男
熊本市は袴田さんが無実だと考えていました。というよりそう明確に思っていたのです。実際に書状の下書きを書く際には、無実判決にかんすることを約350枚の原稿用紙に書いていました。しかし、他二人の裁判官によってそれは叶わなかったのです。
熊本氏は無実を証明するために、裁判官の身でありながら大学の講師も行いつつ奔走します。警察や検察、他の裁判官のところを、文字通り駆け回ったのです。しかしその努力は実ることはなく、書状に書いたのは死刑に関することでした。
なぜ死刑判決を書いたのか
なぜ死刑判決と書かなければならなかったのかですが、それは裏で動く何かの存在と時代によるものでした。いくら事情を説明しようが聞く耳を持たない検察と警察。そしてなにより他二人の裁判官を説得できなかったです。
どれだけ無罪を主張しようと、どこも変わることのない現実と二人の裁判官を説得できなかった自分に悔しさを覚え、死刑判決の書状を書いたと言われています。このときに証拠の矛盾なども主張したそうなのですが、意味がなかったそうです。
熊本氏のその後
そんなもう一人の中心人物である熊本氏はこの事件の後、不本意ながらに自ら出したありもしない判決に罪を覚え、それを背負い償いとして半年後に裁判官をやめています。弁護士に転職したりもしていたのですが、罪への意識で酒に溺れて長続きはしなかったようです。
弁護士事務所の廃業などを経て、死刑判決から40年後に裁判官の合議への守秘義務を破り、事件の真相を語りました。判決を書いたのが29歳で真相を語ったのが49歳です。彼もまた長年罪に縛られる人生を送った一人なのです。
袴田事件は今後どうなる?気になる今後の展開予想!
この事件はいまだ未解決となっています。そのため現在に至るまでに浮かばれるような扱いの人は真犯人以外には存在していません。では今後、この事件はどのように発展していくのでしょうか?これについてまとめて考察していきます。
袴田事件の展開予想①再審が始まればまた収監か
とりあえず未解決である以上は再審があるのは間違いないです。しかし上述させていただいた通り、彼はもうすでにかなりの高齢です。彼が生きている間に再審は間に合うかどうかも、事件解決に関わってきます。
また間に合ったとしても、始まってしまえば再び収監されてしまう可能性も十分に考えられます。0ではないのです。どちらにしても、彼にとっては心身共に決していいことではないのです。その気苦労を抱えて今も生きています。
袴田事件の展開予想②最近の傾向から2年後には再収監か
また法に携わる関係者に話を聞いたところ、この件に関して何かしらの事実が発覚するか、違反などが起きない限り、最近の裁判の傾向を考えると2年後には結論を出す可能性が高いとのことです。つまり、2年以内に再び収監される可能性があるのです。
しかしこれらは予想と考察なので、あくまで可能性の話です。結果として今考えられる一番良いのは、真犯人が発覚・逮捕され、袴田さんにの身に潔白の2文字を与えることです。失った時間はもう戻っては来ないので、せめて疑いだけは晴れてほしいものです。
袴田事件の袴田さんは収監期間がギネス登録されたことも
雑学の扱いになるかも知れませんが、彼は死刑囚として収監されている期間が長すぎるため、世界で最も長期間収監された人間として、袴田さんがギネスブックに登録されたこともあります。こんなに嬉しくない世界記録もあるんですね。
このような形ではなく、勝利を勝ち取った形で歴史に名前を刻むことが彼にとって一番嬉しいことのはずです。ギネスと言えば哺乳類で最小で最強と言われる「ラーテル」という動物をご存知でしょうか?詳しくはこちらの記事をご覧ください。
袴田事件の袴田さんを支援する団体は多い
ここまで紹介してきた彼には、もうひとつの顔があります。それはプロボクサーという顔です。ボクシングをやっていたおかげで、彼を支援する団体も多く存在しています。ここではその団体の存在や活動について紹介していきます。
残念ながらボクサーということで疑われた事実もありました。ちなみにボクシング界での袴田さんは、パンチなどに派手なところはないが、粘り強く戦うタイプで優しすぎる面が邪魔をしてダウンを奪えなかった選手だったそうです。
「無実の死刑囚・元プロボクサー袴田巌さんを救う会」
最初にできた彼を支援する団体は、一人のルポライターによって設立されました。高杉晋吾さんです。死刑が確定してしまった直後に「無実のプロボクサー袴田巌を救う会」が設立され、途中で団体名が変更されたようです。
また日本弁護士連合会や、元プロボクサー輪島功一さんなども彼を支援する団体を設立しています。さらに彼は獄中にカトリック教会の洗礼を受けたことから、キリスト教の人権団体までもが彼の為に尽力を尽くしています。
日本ボクシングコミッションが袴田さんに名誉ライセンスを贈呈したことも
また支援チャリティーイベントが後楽園ホールでひらかれた際に、日本のボクシング界を統轄する組織「日本ボクシングコミッション」が彼に対して、名誉ライセンスを贈呈したこともあります。さらに世界のボクシング評議会も支援することになります。
その支援とは彼を名誉王座と認定し、釈放された暁にチャンピオンベルトを贈呈するというものでした。このようにボクシング界での彼への支援がおおく、もちろんそれ以外の団体からの支援もおおくありました。世間の目には冤罪と写っている証拠です。
袴田事件が映画化に!「BOX 袴田事件 命とは」
そしてさらに、元プロボクサーとしての彼と裁判官の熊本氏を主人公とした、この事件を丸々題材にした映画もあります。この映画を見れば冤罪がどのように生み出されるのかがわかるといいます。この事件とは関係なくても知識としていい映画です。それでは紹介していきます。
「BOX 袴田事件 命とは」①あらすじ
あらすじは、冤罪が出来上がるまでの工程と主人公二人の苦悩が描かれており、その周りで出世などを目的に動く警察官や、裁判官などの動向も細かく描かれています。どのうようにして冤罪が生まれ、どのようにして人間が壊れていくのかがわかるストーリーとなっています。
また死刑判決を言い渡した裁判官である熊本氏視点では、不本意な行動に対する恐怖や周りの人間が自身の為に不合理に行動する恐ろしさが描かれており、人間らしい人間としての恐怖が伝わってきます。この事件で悔しいのは袴田さんだけではないのです。
「BOX 袴田事件 命とは」②レビューや評価は?
またこの映画を見た人たちの感想は、非常に好評でマイナス意見は「人間の汚さがよく見えて不快」といったものが多く、それはこの映画の良さが伝わった証拠となる意見でした。他には「映画全体がどろどろしてて、重苦しい」といったものがほとんどです。
プラス意見のほとんどは、「冤罪が生まれるきっかけを知れた」や「法的期間とは一体何の意味があるのか考えさせられる」といったものが多く、「もっと世に広まるべき作品」と言われるほどでした。教材などに使われてもいい作品となっていますので機会があれば見てください。
袴田事件はまだ終わらない!冤罪か死刑か今後の展開に要注目!
いかがでしたでしょうか?最近動きがあったにしても、事件自体が昔過ぎて知らなかったなんて人も少なくはないはずです。この事件にはこのような裏側や真相が、実はあったのです。そしてまだこの事件は終わっていません。この先もまだ続いていくのです。
袴田さん本人にとっては究極の2択となる事件の今後の展開ですが、すべてとは言いませんがせめて袴田さん自身が、納得のいく形で収まってほしいものです。我々はこの事件の決着を待ち、冤罪だった場合は生き証人として、この事件を語り継がなければなりません。