クンストカメラとは?奇形児の標本は本物?ロシア初の博物館の魅力を紹介!

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建物の3階にはロモノーソフが実際に研究に使用した器具や、彼がコレクションしていた14〜19世紀の貴重な彫刻や絵画、書物などが展示されています。

重要人物②フレデリック・ルイシュ

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フレデリック・ルイシュはオランダの解剖学者で、クンストカメラの代名詞である人体標本の作者でもあります。彼の解剖学や人体標本に感銘を受けたピョートル大帝は、全てを買収して展示したのです。

非常に刺激の強い標本たちですが、フレデリックの活躍があったからこそ現代医学が発展し、私たちの生きる今の医学にも多大なる影響を与えた人物なのですから、感謝しなければなりませんね。

重要人物③アルベルト・セーバ

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この方はフレデリックと同じオランダ人学者で、クンストカメラに展示してある動物の標本や奇形動物の剥製はセーバが作製したものです。今でこそ動物の剥製は珍しくありませんが、この時代に況してや奇形動物の剥製を作っていたなんて、オランダ人は非常に優秀な人物が多かったのですね。

クンストカメラは「クレイジージャーニー」で特集された

2017年5月、日本で大人気の番組「クレイジージャーニー」でも特集されていましたことはご存知でしたか?番組を見て初めてクンストカメラの存在を知った方も多かったのではないでしょうか。

佐藤健寿 の「奇界遺産」撮影旅で「クンストカメラ」へ

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クレイジージャーニーの世界各地の奇怪な遺産や場所を撮影する「奇怪遺産」で有名な佐藤健寿がロシアの地を訪問した際、取材に訪れています。ロシアといえば有名なエルミタージュ美術には一切触れる事なく、佐藤健寿節でクンストカメラの魅力を皆さんにお伝えしました。

クンストカメラで流れる謎のラジオ音声にも言及した

その際、実際に現地を訪れないと聞区ことができない、「ザ・ブザー」と呼ばれる謎のラジオ音を紹介。1970年頃からなり続ける2秒のブザー音で、時々音声も流れる生放送だというのだ。

この音現地は移動しており、どういう仕組みで放送されているのかは不明だという。噂ではこの放送が鳴り止んだとき、ロシアのミサイルがアメリカに向けて発射されるなどという都市伝説のような恐ろしい話もあるようです。

クンストカメラへのアクセス方法と周辺の遊べるスポット

倫理上の問題なのか日本では考えられないような博物館に実際に行ってみたい!と思った方も多いはず。でもロシアは遠い国で、実際にはどう行けばいいのか、クンストカメラ以外に何か観光施設などはあるの?など不安も募ります。

そこで、クンストカメラへのアクセス方法や周辺施設について紹介します。

クンストカメラへは公共交通機関利用が便利

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約300年以上前に建設されたクンストカメラは今やロシアを代表する観光名所。現地に行くための交通機関が充実しているのです。サンクトペテルブルグの中心地から少し離れた場所に位置し、アドミラルティスカヤ駅もしくはネフスキープロスペクト駅からトロリーバスに乗れば一本で博物館に到着します。

毎月の第3木曜日はクンストカメラ無料開放!

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平日火曜から日曜の11時〜18時まで開館しており、入場料は現在価格で大人が約500円、学生が約170円ほどと非常に良心的な価格です。

さらに毎月第3木曜日は誰しもが無料で入館できる開放日となっているので、実際に行くのであれば第3木曜日を狙いましょう。

近くにはエルミタージュ美術館もある

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クンストカメラの前にはリカ・ネヴァという川が流れており、その対岸には世界的にも有名なエルミタージュ美術館があります。どちらの施設にも膨大な数のな展示物がありますので、1日での制覇は難しいでしょうけれど、時間の許す限り存分に味わうことができます。

ロシアにはなかなか行けないが、身近な場所の変わった博物館に行きたいという方にはこちらの記事をどうぞ。

クンストカメラのあまり知られていない楽しみ方

クンストカメラは人体標本や奇形児のホルマリン漬けなどのグロテスクな展示物ばかりだと思っていませんか?あまり他の展示物や楽しみ方に注目されていないのは非常に勿体無い!そこで、クンストカメラとその近郊のマニアックな楽しみ方をご紹介します。

マニアックな楽しみ方①日本文化に群がる外国人観光客

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民族衣装や世界各地の文化を展示するスペースで、最も人気があるのが日本の文化を展示するブースです。日本の展示物は他国に比べても大きめにスペースを取っているそうで、神主やお雛様、日本刀などの展示物があります。

中でも人気なのが侍だそうで、日本のことをあまり知らない外国人は今でも侍が存在していると思っているのか、多くの外国人が集まっています。なぜ海外の人は侍がそんなに好きなんでしょうね。

マニアックな楽しみ方②近くのレストランでボルシチ

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クンストカメラを出てすぐのところにレストラン「グラド・ペトロヴィ」があり、そこではクンストカメラの入場券を提示するとお会計が20%オフになるのでお得に食事を楽しむことができます。

ボルシチやビーフストロガノフなど、ロシアの定番料理も味わえるのでランチはこちらで食べるのが計画的なコースでしょう。

マニアックな楽しみ方③近くの露店が並ぶ広場

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クンストカメラ付近には露店が立ち並んでいる広場があり、そこではお土産を買うことができます。もちろんマトリョーシカも売られており、その他には服やカバンなどの雑貨なども取り扱われています。

ロシアの露店も日本のように割高な金額で売っているのかは不明ですが、グロテスクな標本を見た後に可愛いマトリョーシカで癒されても良いかもしれませんね。

クンストカメラに関する書籍

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人気の番組『クレイジージャーニー』にて取り上げられたこともあり、ロシアのクンストカメラは今まで以上に有名になりました。実際にロシアには行けないという方でも、クンストカメラの知らない奥深い部分まで楽しめちゃう本をご紹介します。

クンストカメラ関連書籍①都築 響一『珍世界紀行』

珍世界紀行 ヨーロッパ編―ROADSIDE EUROPE (ちくま文庫)

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現代美術全集「アート・ランダム」全102巻を刊行し、現代美術、建築、写真などの幅広い分野で活動を続けている都築響一が、ヨーロッパの珍名所99箇所を巡礼した記録が掲載されています。

珍名所の中にクンストカメラはしっかり写っていますよ。クンストカメラに行くためのモチベーション作りとして読んでみても良いですし、ロシアにまで行けないからこの本で楽しむこともできる一冊です。

クンストカメラ関連書籍②佐藤 健寿『奇界遺産』

奇界遺産

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クレイジージャーニーの奇怪遺産でお馴染みの佐藤健寿が撮影したクンストカメラを含む世界各国の奇怪な遺産の写真がふんだんに掲載されています。

クレイジージャーニーの番組でクンストカメラを見た方も、実際に左藤さんの写した写真の数々を見て振り返るも良し、行きたい気持ちを焚きつける一冊です。

ピョートル大帝のコレクションはグロイが偉大!

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ピョートルが自身の有り余るコレクションを展示し、国民にもっと奇形の真実や医学について徹し欲しい思いで建設されたクンストカメラ。やはりどうしても奇形児や人間標本のグロさだけが取り沙汰され、『気持ち悪い』『怖い』などのイメージに偏りがちですが、ピョートルは後世に受け継がれる偉業を成し遂げているのです。

人間の頭部を縦に真っ二つにし、普段見ることのできない頭の中の断面図や奇形児のホルマリン漬けなども、現代の医学に間違いなく影響・貢献しているからです。当時は生きた人間までをも展示するというあってはならないスタイルを一貫して崩さなかったクンストカメラですが、300年後でも現代人からこれだけの注目を集めています。

300年と言わず何百年に渡ってピョートルの偉業が末長く認められ続けることを望みます。

 

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