アムカとは?腕を傷つける自傷行為のひとつ
アムカという言葉をご存知でしょうか?類義語がわかればなるほどとなる思いますが、これだけだと何のことかわからない人も少なくないかと思われます。日常的に使うような単語ではないのでそれが普通です。
アムカとは自身で自身を傷つける自傷行為のひとつとされています。今回はそんな聞きなれない言葉アムカの解説をしていきたいと思います。あなたの近くに潜んでいる可能性もある言葉です。
少し痛々しい表現が多くなりますので、苦手な方や耐性のない方はご注意ください。知っておいて損はないです。それでは解説していきます。
アムカは自傷行為のひとつ
まずアムカとはどういう意味なのか?ということに関してですが、「アームカット」という言葉が語源になりこれの省略形となります。文字通り腕を何らかの道具を使って切ることです。
基本的には精神状態や心へのダメージが関わっているとされています。このことについては後述させてもらいますが、個人の心理によって変わってきます。
こういった行為に含まれるということだけ理解をお願いします。やりたくてやる人はあまりいなくものすごく繊細な言葉なので、むやみに口にするような言葉ではないのです。
アムカとリスカの違いやその他の自傷行為とは?
気づいた方もいらっしゃるかとは思いますが、手首を切る方法で行われる自傷行為である「リスカ」に非常に似ています。それだと思ったかともいると思います。ほぼほぼ同意ではあります。
しかし厳密にいうとこの二つは違うものになります。するといったことには変わりないのですが、実は人によっては意味や理由に大差が生じるのです。
そんな似て非なるものになるこのふたつの違いや心理、それに該当しないものについて紹介していきます。
リスカとは?
まずは自傷行為の一つの中でも最も有名でオーソドックスな方法とされいている、リストと呼ばれるもので知っている人は少なくないでしょう。その歴史は古く、約50年前から行われてきました。
発祥はアメリカですがこの言葉自体が和製英語だという人もいるそうです。実際アメリカではリストスラッシュと呼ぶことが多いようで、行為や感覚は似たようなものになっています。
行為の中で一番多いとされていることから、代名詞として扱われることも多く、特に年配の方はリスカしかないと勘違いをしている人も少なくはないようですが、他にも多くの種類があります。
アムカとリスカの違いは?
ではこれらにどんな違いがあるのか?という疑問ですが、一言でいえば場所が違うだけです。第三者からすればそれぐらいの感覚で間違ってはいません。
少しだけ違いがあるのです。ただこれは当事者も気が付いていなかったり、そんな理由があるなんて知らずにやっているひともいます。時代の流れによりその意味が変わっていく背景もあります。
その違いとは心理です。最初は誰にも気づかれないように見えずらく隠しやすい腕を切るのですが、徐々にその心理はSOSに変わり、誰にでも見える位置の手首に移行していくそうです。
レグカという行為もある
ちなみに数あるそういった行為のなかに脚に何らかの道具をつかって傷をつけるといったものがあります。他と部位が変わるだけで内容はかわりません。
またこういった行為の中でも定義として名前がついているものは主にこれらになります。
アムカなど切る行為以外にも自傷行為はある
さらにアムカのように切ること以外である熱湯やライターの火を使って火傷を付けるものや、頭部を繰り返し壁などに打ち付ける行為などもあります。
その他には爪をはがすものや、毛髪などの毛の類を抜くと言ったものもあります。これらはすべて自身で自身の体に行われています。
アムカやリスカのように、言葉として確立はしていないので知らずにやっている人も少なからずいるそうですので、心当たりがある方は注意して下さい。
アムカを含む自傷行為をする意味とは?
ではなぜアムカなどの自傷行為が行われれるのかについて解説していきます。またその危険性や、自殺との違いについても解説していきます。
一般的な意見としては、なにかしらの苦痛を伴うリスカなどを行う意味が分からないと思う方は少なくはないかと思われます。
自分の周りにそういった人がいても心理を聞けなかったりすると思うので、確認していきましょう。またきちんとした知識を得るだけで大きな差が生まれます。
アムカを含む自傷行為とは?
では核心となる理由についてですが、精神的なものがほとんどです。なんらかの理由により、心身に大きなダメージを負うことやその積み重ねが発端となることが多いようです。
つまり遭難者が描くSOSと同じで言葉を介さない救難信号とされることが多いようです。このようなことが理由とされています。
自傷行為と自殺未遂の違いとは?
アムカなどによる行為と自殺についての話ですが、まったく違うものです。
本人にとってこれ以外の方法がないので仕方なく行っているもの、という認識としてアムカを捉えるのが正確だと思われます。自身を助けてくれそうな周囲の人に対しての信号なので、気づいてもらうことが目的となります。
ただ勘違いしてしまいがちなのは、誰かに心配されたいだけではないということです。もちろんそういった人もいますが、その限りではないということです。
アムカを含む自傷行為は自殺につながることもある
とはいったものの、この二つは全くの無関係といったものではありません。傷をつけるということ自体が様々なリスクが付きまとうものとなっています。
傷がつくということは、それが原因で感染症になる可能性も出てきますし、血が流れるというのは失血症になる可能性も大いにあります。
アムカについて回るリスクについては次項で紹介いたしますのでそちらをご覧ください。
アムカという自傷行為に潜む危険性
ここからはリスクに関する話です。これらを行うということは常にリスクが伴うことにもなります。これはこれだけの話ではなく、他の行為にもいえることになります。
本人にとっては救難信号ではあるのですが、期間が長ければ長いほど、また問題が大きければ多いほどこのリスクも比例して大きいものとなっていきます。
もちろん個人差はありますが、ではいったいどんなリスクがあるのでしょうか?詳しく解説していきますのでご覧ください。
アムカに潜む危険性①習慣化してしまう
アムカのリスクの一つとなるのが習慣性です。言い換えると依存となります。タバコや酒の依存と一緒で、これがないと生きていけないという状態になってしまう危険性があります。
たとえ本人の問題が解決して、アムカをする必要性がなくなったとしても起こりうることで、しなくていいのにしてしまうという状態になってしまいます。
なにか嫌なことがあったり、イライラしたりすることに対し、これを用いて解決しようとする習慣が身についてしまうことで、無限ループから抜け出せなくなります。
アムカに潜む危険性②エスカレートしてしまう
さらに先ほども先述させてもらいましたが、アムカからリスカへと移行したり、切り傷の大きさが大きくなっていく傾向もあります。これも危険性の一つとなります。
主には一回のアムカによる切り傷が大きくなる・増える・広がるなどがあり、これは行き過ぎてしまうと先述した通り自殺への危険性も伴います。
前回ではこれだけ行けたから今回はこれぐらいにしようと言った心理状況になってしまい、徐々にエスカレートしてしまうのです。
アムカに潜む危険性③命を落とす危険性も
そして最大のリスクがこちらになります。命を落としてしまうことです。もちろんもともとは死ぬことなど考えてはいませんが、上記の習慣性やエスカレートが原因で最悪の結果を招くことになります。
失血死やショック死に直接つながることになるアムカは、最悪の場合は当人の命すらも奪い去ってしまうのです。
最終的には生命の危機になるほど、リスクがあるということだけ把握していただければ幸いです。
アムカをしてしまう心理とは?
ではこういった行為などをする人がもっている感情やその心理とはいったいどのようなものなのでしょうか?
わからずにやってしまっている方も多く存在し、どツボにはまってしまうケースが多く見られるそうです。
まずはなぜしてしまうのか理解することが大切です。それでは解説していきますのでご覧ください。
アムカをする心理①心のバランスを取ろうとしている
まずはこちらです。どのような状況にあったとしても、ほぼほぼこちらに当てはまるかと思われます。様々なことから解放的になり精神的にバランスをとることです。
アムカすることにより今日も大丈夫だと自分に語りかけているような状況です。これにより平常心を保つことができるのです。一種の安定剤のような役割を担うことになるのです。
そしてこれでバランスがとれることが一度わかってしまえば、再三手を付けてしまう状況になるのです。
アムカをする心理②フラストレーションから守ろうとしている
次は上記に似たようなものになります。不快と捉えることが起きたり自分にとって不都合なことと出くわした場合に感じてしまう、ストレスから自分を守るといったケースです。
通常は趣味や打ち込めるものがあると、それに没頭することでストレスは発散されるのですが、それができないのでアムカという考えが浮上してしまうのです。
人間の防衛本能としては非常にいいことなのですが、その防衛方法が問題となるのです。
アムカをする心理③自分への罪への代償
ただこのストレスが、多方面からによるものだけとは限りません。それは知らずのうちに溜まってしまうのです。それが罪悪感や背徳感といったものです。
これらがきっかけでストレスが溜まることもあります。それは我々も同じなのです。
その感情そのものがフラストレーションとなり、また代償として行ってしまうのです。
アムカをする人は「パーソナリティ障害」や「解離症状」が共通?
そして共通点の中には別のものもありました。それは解離症状やパーソナリティ障害といったものです。これらは若年層に多く見られる精神的な病気となります。
他の人たちと考え方や言動が異なることなのですが、これらがきっかけでこういった行為に及んでしまうといったケースが多いようです。
ただ紹介したこれらのことは、絶対に当てはまるといったものではなく、年齢や状況が違えば変わるものなので臨機応変に見入る必要があります。
アムカなどの自傷行為をやめる方法とは?
特別アムカが悪である、とは一概には言えないのですが、それなりのリスクが伴いその生命さえも脅かされるので、やらないに越したことはないのです。もちろん周りの人間も心配するでしょう。
やってしまったことは仕方がありませんが、問題は依存してしまうことにあります。そのためやめた方が自身のためにも絶対的にいいのです。
ここからはそんなアムカから解放される方法や、実際にやめるためのきっかけについて解説していきます。
アムカのやめ方①専門機関に相談
一番いいのは勇気を出して病院に行くことです。恥ずかしいことではありません。風邪を引いたから病院に行くのとなんらかわりないのです。
とにかく専門的な知識に触れて、自分がいまどのような状況なのかを理解することが大切なのです。まずは置かれている状況を把握することが、治すための近道なのです。
周りに相談できなくとも、カウンセラーの人なら話を聞いてくれます。あなたのことをわかってくれるのです。
アムカのやめ方②ストレスを溜め込まないようにする
次は、とにかくフラストレーションを溜めないようにしましょう。これはどんな人にとっても毒となるからです。方法は何でもいいのです。
ほんの少しだけ考え方を変えるだけでなくなるなんてこともあります。ほんの少し視点を変えるだけで減少したりもします。発散のことを考えるよりもすることがあります。
それはそんなものを最初から貯めないことです。元々が0なら一つも心配はないのです。0とは言いませんが少ない方がいいに決まっています。
アムカの原因でもあるストレスは泣いて発散するのも効果的!
発散方法のひとつとして、泣くといったものもあります。通常悲しみや感動以外の場合は痛みによるものが多いかと思います。
ですがそれらにも意味があるのです。痛いときになくのは、痛みを和らげるための人間の防衛本能だと言われています。このように医学的根拠があるのです。
大声で泣いても、ひっそりと泣いてもなんでもいいので、一度涙を流してみてから考えてみてもいいかもしれません。
アムカのやめ方③恋人ができてやめられた人は多い
また大切なひとができる・作ることも方法の一つとなります。恋人の存在がアムカからの解放につながったという声が多くあります。
やはり支えになってくれたことにより、一人ではできなかったことができるというのは、心境にプラスの大きな影響が及びます。
また支える立場になった時には、自分の存在意義の確立ができるので自分のことを肯定的な目で見ることもできるようです。
アムカのやめ方④趣味や没頭できることを探す
そしてアムカから解放されたい人にとってはプラスしかないことです。それは趣味などの熱中して時間を費やせるものを見つけることです。
これが見つかりさえすれば、行為を行う時間がなくなったりフラストレーションの発散になり、プラスの方向にしか働かなくなります。
また趣味を通じて知り合える人間も多く存在し、その出会いもプラスになる可能性があるからです。アクアリウムバスという趣味があります。そちらをまとめた記事がこちらになるので、よろしければどうぞ。
アムカのやめ方⑤冷静に自分の心と対話してみる
先ほども先述しましたが、とにかく現状を把握することが大切となります。いきなり恋人や趣味を探せと言われても、簡単に見つからないケースの方が多いです。
しかし病院にいく勇気や気力もないと言った場合は、自分に問いかけてみるのもいいでしょう。いわいる自問自答となります。
抽象的で必要性に疑問を持つ人もいますが、焦ってアムカをしてしまう前に少し落ち着くためには重要なことになってくるのです。
アムカはいきなり無理にやめるのは危険?
そして何もいきなりやめる必要はありません。というか無理なのです。いきなりやめると言ったことですらストレスになる可能性もあります。
そのことがきっかけになり、頻度が下がっていたのにも関わらずまたアムカに走ってしまい悪化すると言ったケースも実際にあるからです。
これはどちらかというと、周囲の人間が把握しておいてほしい知識や心理になります。急にやめることはできないのが普通だということを知っておきましょう。
アムカをやめたい時には焦らずに
急に上記のことがクリアできる環境に変わるわけがありません。少しずつ、徐々にで良いので実行してみましょう。チャレンジといった心理でいいのです。
何かをするだけで前を向いて歩いている証拠になるのです。それが自信に変わるのは少しずつではあるものの、前進していることになるのです。