オチョナンさんとは?漫画「不安の種」の「よく分からない何か」の正体を考察

実写版「不安の種」を監督したのは「パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT」や「放送禁止」シリーズなどの監督も努めた長江俊和監督です。ホラーやドキュメンタリーが得意ですが筒井康隆原作の「富豪刑事シリーズ」などのコメディ寄りの作品も多く手がけています。

映画「オチョナンさん」のストーリー

原作が1話完結型のオムニバス形式なため、複数のストーリーを絡み合わせまとめ上げた作品です。バイク便の青年が出会った半分だけの怪異、道路を這う無数の眼球、引っ越してきた家族を襲うさまざまな怪現象、顔が藁の女、メンヘラの恋人、右腕が欠損している女性、そしてオチョナンさんが登場しその正体が明らかになる?と言った展開です。

評価は賛否両論

随所に散りばめられた数々の伏線をラストで見事に回収し、構成上非常に良い出来だと言われています。恐怖描写も原作の再現率が実写化に抵抗無く鑑賞できた方には好意的に受け止められているのですが、やはりマンガの原作ファンからは「原作を無視するな」「ファンに謝れ」などと手厳しい否定派も数多く、実写化の高いハードルを感じます。

あらすじだけでも恐ろしい「不安の種」シリーズの実写映画ですが。オチョナンさんしか知らない方も、原作の「不安の種」しか読んでない方も、賛否両論ありますが是非自分の目で動くオチョナンさんを確かめて見るのも一興かと思います。

オチョナンさんはフィギュア化していた

なんとファン待望のオチョナンさんがフィギュア化され、フィギュアの祭典ワンダーフェスティバルにて販売され、原作者の中山昌亮先生も面食らうほどの出来栄えだったと話題になっています。

ワンダーフェスティバルにて販売

プロ・アマ問わず自作のキットを持ち寄り造形力と作品愛を世に問う事を目的に、フィギュア造形の大手・海洋堂が主催する「ワンダーフェスティバル」に茂毛工房さんが出品するオチョナンさんが出品・販売されました。その他にも「かじらないから」の人やらも出品されており、多くのホラーファンを魅了する「不安の種」愛を感じます。

原作者 中山昌亮も絶賛?

geralt / Pixabay

「不安の種」原作著者である中山昌亮先生のブログ「中山昌亮のカタコト語り」で茂毛工房さんさんからオチョナンさんのフィギュアを贈られた中山先生は、「うーん、嬉しいです!嬉しいんですけど、自分で言うのも何ですが気味悪いです」と喜びを隠しきれず、あまりの出来栄えに「著者もビビる出来でございました」と絶賛しています。

地名別に紹介「不安の種」シリーズ作品

「不安の種」シリーズは、普段我々が何気なく日常を過ごし暮らしている、そんな郊外の町が舞台になっています。それ故余計に日常に入り込んでくる怪異の恐怖が倍増する話が魅力な作品です。シリーズから「久我山」「川崎市」「中野区」の3編を紹介しますので、お近くにお住まいの方は十分注意してくださいね。

久我山|「プロローグ」

Free-Photos / Pixabay

1990~、久我山での出来事。その家の階段を昇る時は階段の上の天井を睨みながら昇るのがきまりです。神経を集中させ目を離さずゆっくりと。うっかり気を抜いて足元を見てしまうと今度は逆に頭を上げずに昇りきる事。そうしないと、天井から”何か”がぶら下がっているのが見えてしまいます。そのルールの説明が面倒だからうちに友達は呼びません。

川崎市|「失敗」

chriskeller / Pixabay

1995、川崎市。子供の頃から変わる事なくとても怖がりの男性がトイレで用を足している時の体験です。あまりの怖がりなのでトイレのドアも他人がいなければ開けっ放しなほどですが、物凄く後悔しています。目の前に痣だらけの両足だけが。立つ事も顔を上げる事すら出来ない状態に追い打ちをかけるようにその両足はドンッドンッと足を踏み鳴らします。

中野区|「バイバイ」

平成9年、中野での出来事。夜中に机に向かって書物をしている女性が一休みしようと何気なくアパートの2階の窓から外を見ると、アパートの下の暗い道路から誰かがこちらに向かって手を振っています。どうやら自分に向かって振っているように思えて手を振り返すと、道路に立っていながら身体がぐんぐん伸びて窓にへばりつきます。

オチョナンさんファンにオススメのホラー漫画作家

Arcaion / Pixabay

オチョナンさん同様に日常に潜む怪異にゾッとしたいホラーファンにおすすめの漫画を紹介します。そこに居るだけで人間が自己解釈で畏怖の念を感じてしまうのが恐怖ですが、人間が一番怖いのはやはり人型の怪異であることの証明のような作品もありますよ。まだ読んだことがない方には是非読んでいただきたいホラーマニア垂涎の名作揃いです。

望月峯太郎|座敷女

座敷女 (ヤングマガジンコミックス)

Amazonで見る

1993年に週刊ヤングマガジンに連載されていた「口裂け女」をモチーフとした作品。作者は「バタアシ金魚」や「ドラゴンヘッド」などの望月峯太郎先生。独特の絵のタッチが更に恐怖と嫌悪感を誘います。都市伝説やストーカーなど、得体の知れない人間が付きまとう不条理な設定と、映画的な演出の描写が心理ホラー漫画として高評価の作品です。

NEXT 高港 基資|恐之本シリーズ