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これにより車は故障。その結果購入費用のローンだけが降りかかり苦しい生活を強いられることとなります。結果、仕事もうまく回らなくなっていってしまうのです。
それでも、せめて新天地で働きたいと考えたのか、海外への移住費用として、同居の父親に30万円ほどお金が借りられないかと打診したところ、しかしこちらも拒否されてしまいます。
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父親からは、車を貸す代わりに仕事をして自分でローンを返すようにとのことでした。しかし、すでに上部康明には公私ともに絶望的な状況であり、すでに人生に行き詰ってしまっていたのです。
下関通り魔殺人事件の上部康明を苦しめた対人恐怖症とは?
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彼がどういった人生を歩んで下関通り魔殺人事件を引き起こしたのか、その一部始終を知ることでどれほど行き詰っていたかを知ることができたと思います。
では、そんな彼の人生が狂い始めた原点ともいえる対人恐怖症とはいかなるものなのでしょうか。人生を苦しめるその病について焦点をあててみましょう。
対人恐怖症とは“他人にどう思われているのか”と不安になる状態
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下関通り魔事件にも間接的に関与した対人恐怖症。この症状は人を前にしたときに、必要以上に不安を感じたりあるいは緊張したりしてしまうことに原因をもつ症状です。
嫌がられているのでは不快にさせてしまったのでは必要以上に考えることで、異常なほど他人と距離を置いてしまう神経症状のことを言います。他人にどう思われているのか不安になる状態が引き起こさせます。
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自分の見た目や、放った言葉、匂いや体型など事細かに至る部分まで他人が不快に思う要素なのではと不安に思い、この恐怖によって相手と必要以上の距離を取ってしまうので、対人関係に支障をきたすのです。
また、この病気には具体的な症状もあり、例えば極度の緊張から大量の発汗や他人からの視線に恐怖を覚える視線恐怖症のような別の精神症状を引き起こすこともあります。
上部康明はパーソナリティ障害も併発していた
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下関通り魔殺人事件の実行者である男性は、こちらの病気も患っていたと考えられています。そして、下関通り魔殺人事件にも間接的に関与しているともいわれています。
この病気は、人の怒りや拒絶、不振といった振る舞いに対して異常な反応を示し、それを湾曲して受け止める傾向にあるので、人間関係において相手をなかなか信用できない傾向になるそうです。
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先述の病気もありますが、この病気によって、より周囲の人を信用できない状態になり、それ故に人間関係を築けないことにつながるのです。
下関通り魔殺人事件はこういった病気から彼を形成してしまった末に起きた悲しき出来事ともいえるわけです。
下関通り魔殺人事件の犯行動機と事件を起こすまでの行動
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道行く人を分別なく襲い掛かった下関通り魔殺人事件ですが、しかし犯人がこういった行動に及んだ理由は何なのでしょうか。どういった理由から下関通り魔殺人事件が引き起こされたのか探っていきます。
また、下関通り魔殺人事件が起きるまでの犯人の行動にも焦点を当てて、なぜこのような事件が起きてしまったのかを探っていきましょう。
営んでいた事業が廃業?自暴自棄になっていた上部康明
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下関通り魔殺人事件が引き起こされることになった一番の犯行動機ともいえるものが、彼自身が営んでいた事業の廃業です。彼はもともと転々と仕事を変えていました。
人間関係で悩む彼は一つの職場で長く働くことはできなかったのです。そして、ようやく落ち着けた設計事務所ではようやっと落ち着いて働けましたが、そこで個人開業を目指します。
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個人で設計事務所を開業することで、ようやく落ち着き、自信で仕事を成し遂げるという人生の充実を味わうことができたところだったのです。だからこそ、そこからの営業不振はかなりのダメージでした。
彼の対人関係が原因とはいえ、一度はうまくいくと思えた開業もうまく立ち回らず、その結果廃業となってしまいます。その結果周りの目も気になる要因となったでしょう。
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さらに、その後の事業失敗も連れ添った妻との離婚も大きな要因となり、さらに追い打ちという形になりました。人を信用できない、自暴自棄になる環境は整っていたと考えられるでしょう。
こういあった理由から、次第に周囲への不信感や自身の喪失が大きくなり下関通り魔殺人事件と行かなくても、何かを壊したいという衝動に駆られていくようになったといわれています。
社会と両親へ大きな不満を抱くようになっていた
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周囲への不満を抱くようになったというのも大きな原因のようです。周囲というのは両親といった人の目によるものばかりでなく、社会そのものへの不満を大きかったようです。
個人開業はもちろんですが、その後のニュージーランドへの移住に関しても全く順調には進みませんでした。本人からすれば、まるで社会がそれを邪魔しているように感じたかもしれません。
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所有した車は水没し、残るのはローンだけと余裕ない生活にさらに追い打ちをかけるようなトラブルもひたすらに不幸なことです。彼にとっては、最悪のタイミングでの出来事でしょう。
こういった複数の要素から社会に邪魔されているように感じても無理はなかったでしょう。そこに加えて両親の目です。彼は幾度か両親に世話になっており、病院を用意されたり金銭を借りていました。
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そうしたことも、負い目と感じそれが積み重なることで、両親が自分に対して不満や疑念を抱いていると感じるようになるのは難しくないことだったでしょう。
こうした、社会への不満や両親への不満が積もり積もって、下関通り魔殺人事件を引き起こしたと考えられます。それ故に、できるだけ多くの人や大きな社会を壊して死にたいと考えるようになりました。
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下関通り魔殺人事件の被害者は彼とは関係ない人物ですが、何もかもを壊したいと考えていた彼であれば、関係のあるなしは全く重要なことではなかったのだろうと予想できます。