ここまで読んできて、少しワレカラに愛着が沸いてきた方必見!ワレカラの飼育法をご紹介します。まずは当たり前ですがワレカラを探すところからスタートしましょう。水温が上昇すると共に少なくなるので、冬場のほうが見つかりやすいでしょう。岩礁や海面に浮いている海藻を獲って探してみることです。入念にチェックするときっと見つかります。
②海水を用意する
海水と同じ濃度の水を用意しましょう。最近では簡単に作れる人口海水のキットも販売されていて、ホームセンターなどで入手できます。海水をわざわざ持って帰らなくていいので、楽ですね。また、自分で水流を起こすことが出来ないので、水流のない水槽では呼吸困難に陥ってしまいます。エアレーションも必要です。
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ワカレラを飼育してみよう!意外と敏感な生物?!
③水温や光の注意点は?
ワレカラは元々広い範囲で生息している生き物なので、上記の呼吸にさえ注意すれば飼育すること自体はそんなに難しくなさそうです。水族館などでもたまに生態展示が行われているので参考にしてみるといいかもしれません。
④ワレカラの餌を用意しよう!
ワレカラの主な餌となるのは藻類やデトリタスです。これらを水槽の中に用意しましょう。何からに付着して食事をする生物なので、海中に浮くプランクトンなどは向いていないそうです。また、個体数が多すぎても酸素不足に陥ってしまいますので、まずは少量から育ててみるのがいいでしょう。
⑤ワレカラは繁殖する?
ワレカラのメスは他の端脚類と一緒で、保育嚢を胸の部分に持っています。その中で卵を孵化させるのです。孵化してからしばらくは、赤ちゃんを守るために自分の身体に付着させて保護をするとの事なんです。親と同じ形で生まれてくるので、可愛く思えるかもしれません。
ワレカラで釣りが出来る?
ワレカラを餌としている魚は?
アイナメやメジナ、アイゴなど、藻場に生息している魚はワレカラを餌としています。そのため、ワレカラのルアーも意外と人気なんです。サイズや色の種類も豊富なので、色々試してみるといいかもしれません。インパクトには欠けますが、パクッといきやすいサイズなので使い方次第ではワレカラの実力を発揮出来るかも…
歴史とも深い関わりを持っているワレカラ!
日本では1000年以上前から知られていた!
先ほど、ワレカラは古今集にも登場していたとご紹介しましたが、ここでワレカラと歴史の関わりについて少しご紹介します。現在では知名度がかなり低い生き物ですが、実は昔は一般的に知られている生物だったんです。その証拠に「ワレカラ」という名前が「我から」という意味を持ち、「掛詞」として使われている文献が多く残っています。有名なものでは、あの清少納言の「枕草子」。またそのライバルである紫式部の「源氏物語」にも登場しているのです。この2人が使っているという事は、その時代にワレカラは身近に存在している生物だったという事。
ワレカラはことわざにもなっていた?!
ワレカラはことわざにもなっていました。これを見ると、やはり決して好んで食べられるものではなかったようですね。あくまでもチリメンモンスターとして、認識されていたのでしょう。何よりも、現在では名前を聞くことさえほとんどないワレカラが、こんなにも使われていることに驚きを隠せません。
「われから食わぬ上人なし」
(殺生を禁じられている仏教の高位にある上人でさえ、食事するたびに藻に混ざったワレカラを知らずに食べている。清廉潔白なつもりでも避けられない過ちがある、との戒め。)
(引用:wikipedia)
ワレカラは農業とも関わりがあった?!
肥料としてのワレカラ
漁業と農業は昔から日本人にはとても馴染み深いものです。実は海で獲れたワレカラを農業に生かしている人たちがいました。新潟県の佐渡島の集落では、養殖ワカメの収穫で一緒に獲れたワレカラを発酵させて稲作の肥料として使用していたのです。畑にまくといい米が出来るそうなんです。
ワレカラの生態、特徴まとめ
ワレカラ人気を取り戻そう!
こうやって詳しく見ていくと、ワレカラは奥が深く非常に歴史のある生物だということが分かりました。さらに日本人にとても馴染みのある生物だったんですね。現在では残念ながら、あまり注目されていませんが、その変わった風貌と種類の豊富さから少しずつですが人気を取り戻しつつあります。最近ではアクアリウムもブームになっていますので、マリンアクアリウムの一環として楽しんでみるのもいいかもしれません。魚のように定期的に餌を与えなくとも勝手に食事をしてくれるので、何よりとても楽チンです。まずは海に出かけてワレカラを捜してみてはいかがでしょうか?