ブーズーは世界一最小の鹿!?
プーズーという動物を知っていますか?日本には馴染みのない生き物なので、聞いたこともないという人も少なくないでしょう。それは誰もが虜になってしまう、とってもかわいいミニアニマル!
この記事ではそんなプーズーについての情報を余すことなくお伝えします。
プーズーの生息地や生態についてご紹介
まずはプーズーの生息地や詳しい生態についてのお話です。一体どんな国で暮らしているのか?どれくらいの大きさで、何を食べて過ごしているのか?
ぬいぐるみのようにかわいい彼らですが、ペットとして作られた種でもなく、これでも自然界を立派に生きぬく野生動物なのです。
チリの「チエロ島」のみに生息している
プーズーは南米チリに属するチロエ島の固有種です。島といっても南米で五番目に大きく、15万人を越す人口を有しています。
2000年にはスペイン植民地時代の教会群が世界遺産登録されるなど、観光地としても有名な豊かで美しい島です。
プーズーは世界一小さい鹿
プーズーは鹿の仲間であり、体調は70cmから大きくとも80cm前後。体重は小柄であれば5~7kgという非常に小さな動物です。
これはだいたい柴犬、つまり中型県と同程度であり、人に近い大きさの奈良公園の鹿から考えると驚異的な小ささであることが分かります。
プーズーの寿命は8~10年ほど
寿命は8年から10年ほどと言われています。プーズーよりずっと大きなニホンジカ(オス)は10年から12年が平均なので、体長が極端に違うわりにはあまり差がありません。飼育環境下では最長で17年生きた記録も残っています。
大きさに違いはあれど、鹿は動物の中では長寿な部類なのです。
プーズーは植物を食べる
他の多くの鹿と同じように、プーズーも樹皮や草木、果実などを食べて暮らしています。
小さい体のわりにとてもよく食べ、また年に1~2回ずつ出産、繁殖していきます。環境が充実していればわずか半年ほどで成熟した個体になります。
プーズーは昼も夜も行動する
プーズーの生態には昼行性・夜行性の区別がありません。逆に言えば「今は活発に活動している」と断言できる時間帯がないので、野生のものを目撃したいと思ってもかなり難しいでしょう。
体がとても小さく外敵に見つかりづらいからこそ得た特性といえます。
プーズーの天敵はダーウィンギツネ
プーズーの天敵はダーヴィンギツネという雑食性の動物です。ダーヴィンギツネもまたチロエ島をはじめごく狭い範囲に生息する、今や絶滅危惧種に指定されるほど数の少ない動物です。
もし野生下で捕食風景を見かけても、それはお互いが生き延びるためなので干渉せずそっと場を離れるようにしましょう。
プーズーの赤ちゃんが人気!
とにかく小さくて愛らしいプーズーですが、その赤ちゃんの抜群のかわいさといったら!
まるでバンビの妖精のようなプーズーの赤ちゃんに出会えるのは、日本ではたった一か所しかありません。場所は、埼玉県東松山市にある自然公園内です。
埼玉こども動物自然公園で赤ちゃん誕生!
埼玉こども動物自然公園には、チリから寄贈された4匹のプーズーが暮らしています。日本での飼育されているのはここのみで、2019年5月から6月にかけて2頭の赤ちゃん「レイ」と「カズ」が誕生しており、月頭で公開が始まっています。
プーズーの赤ちゃんは600gほどで誕生します。ちょうどipadと同じくらいの重さですね。
赤ちゃんは背中に白い模様がある
プーズーには赤ちゃんの時期に限って、背中に桜を散らしたような白の斑点模様が浮かび上がります。
生後2か月ほどしか見られない貴重な姿で、とにかくかわいいと大評判!運良く見ることができた人はとってもラッキーです。ぜひ写真におさめておきましょう。
死亡してしまった個体もいる
埼玉で大切に育てられているプーズー一家ですが、メスのプーズー「ピナ」は惜しくも亡くなっています。
大変残念なことですが、彼女の残した子供や仲間たちが、日本の地でのびのびと長生きしてくれることを願うばかりです。
プーズーはペットとして飼育できるの?
小さな身体にめいっぱいの魅力をつめこんだプーズー。手ごろな大きさだし、ひょっとしてご家庭向けのペットになれるのでは?
そう期待した方も多いと思いますが、結論を言ってしまえば、残念ながら日本でプーズーをペットにできる日は来ないようです。
ペットとして飼育はできない
Josy_Dom_Alexis / Pixabay
プーズーはワシントン条約によって保護されているため、個人がペット目的で輸入することは厳しく禁じられています。
埼玉こども動物自然公園には、学術研究の名目で1度に限り輸入が許可されました。なおプーズーを提供してくれたチリには、日本からはレッサーパンダがペアで寄贈されています。
絶滅の恐れがある動物に指定されている
なぜ条約によって保護されているのかというと、極めて頭数の少ない絶滅危惧種として指定されているからです。
もともとチロエ島にしか生息していない上、人間が島外から持ち込み野生化した犬に襲われて、極端にその個体数を減らしてしまったのです。
プーズーの生息数はどんどん少なくなっている
1987年の時点で、すでにプーズーは10,000頭を下回るほどの数しかいないと推測されています。
現在のチロエ島、ならびに南米は加速度的に開発が進行する地域です。ペットにするなんてとんでもない。私たちは彼らがこれ以上数を減らさないよう守っていなかくてはなりません。
プーズーを見たい!埼玉こども動物自然公園へのアクセスや料金
それでは日本でプーズーに会える唯一の施設、埼玉こども動物自然公園に行って見ましょう!場所はどこにあるの?最寄り駅は?入場料はいくらぐらい?施設に関する詳しい情報と、そこで一緒に暮らしているプーズー以外の動物についてもお話していきましょう。
最寄り駅は「東武東上線高坂駅」
最寄りの駅は東武東上線・高坂駅になります。そこから徒歩で30分ほどと少々遠い場所にありますが、鳩山ニュータウン行きのバスに乗ればわずか5分で到着できます。
駐車場も併設されているため、東京方面からは関越自動車道・鶴ヶ島インターで、群馬県方面からは関越自動車道・東松山インターで下車してください。
入場料は大人510円・子供210円
入場料は大人が510円、子供は210円と大変リーズナブルなため、家族連れにやさしい施設です。
ベビーカーや車いすのレンタルもあり、彩ポッポという汽車型バスで園内を周回することもできます。年間パスポートは大人1530円子供630円になります。
プーズー以外にも珍しい動物がいる