山口組のハロウィンってなに?
山口組といえば日本で最も有名な指定暴力団であり、ほぼすべての都道府県に事務所が置かれる超巨大組織として知られています。いわゆる「やくざ」であり、その恐ろしさは子供でも十二分に知っているものですが…。実はその子供たち相手に、本部を置く地元・神戸市で毎年ハロウィンイベントを開催しているのです。
山口組のハロウィンって何をしているの?
総本部は神戸市灘区、高級住宅街として名高い地域に居を構えています。
普段は近づきづらい場所ですが、ハロウィンの日になると門は開け放たれ、特設ブースには山ほどのお菓子。組員はオバケの仮装をして「ようこそ!」と地域住民を大歓迎してくれるのです。
山口組がハロウィンを始めたきっかけは?
なぜ指定暴力団がハロウィンを…?と不思議に思われますが、成り立ちは数十年前、山口組を知らなかった外国人の親子がうっかり「トリックオアトリート!」と突撃してしまったことがきっかけと言われています。
無邪気と言うのは実に恐ろしいものです…。
山口組のハロウィンは子ども達に大人気!
コワモテの組員がお菓子を配るなんて、子供たちは怖がって寄り付かないのでは…?と思いきや、なんと地元では毎年大勢の親子連れが訪れる一大イベントなのです。
特に先入観のない子供たちは、山口組のハロウィンが大好き!毎年何百個も用意されるお菓子袋はわずか数時間で配布が終わってしまうほどの人気っぷりです。
山口組のハロウィンが人気の理由①お菓子の量がすごい
人気の秘訣の第一は、その量!多い時には千個近くの詰め合わせを用意して、たくさん訪れる子供たちにきちんと行きわたるように気配りをしているようです。
お菓子を手渡すときは、子供だけでなく組員も弾けるような笑顔です。そのシーンだけ切り取ってみればごく微笑ましい普通のイベント風景です。
山口組のハロウィンが人気の理由②お菓子の質がすごい
また会場の設営も年々華やかさを増すため、近年ではフォトスポットとしての人気も上昇しています。
山口組のハロウィンが人気の理由③山口組本部の敷地に入れる
何よりも、普段は近づくことすら躊躇される暴力団組織の本部に、ごく安全な状況で立ち入ることができるのです。これは子供というより、怖いもの見たさの大人たちの目的でしょうか。
「俺、あの山口組の建物、入ったことがあるんだぜ…」と飲み会のネタにする人もいるようです。
山口組のハロウィンの目的は?批判的な声も
イベント内容としてはごく安全かつ健全な地域交流会ですが、やはり開催側が指定暴力団ということもあり、必ずしも手放しで歓迎されている訳ではありません。
「やくざと仲良くするなんて…」と否定的な意見も少なくありませんし、とりわけ警察は地域住民と暴力団の交流にかなり難色を示しています。
住人懐柔のためのイベント
最も大きな声は「これは懐柔目的のイベントではないか?」という意見です。
地域住民を取り込み、地元基盤を強固にすることが真の目的であるという説です。いくら暴力組織といえど住民から立ち退き要請でもされたら、容易に転居できない立場である彼らは大いに困ることになるのです。
暴力団主催のイベントは危険では?
いくら表面上優しく見えるといっても、やはり基本は社会倫理に反した生き方をしているからこそ、暴力団と呼ばれているのです。
「一般市民に手を下すことがなかったとしても、トラブルに巻き込まれる危険性は十二分にあるのでは?」と危惧する声も上がっています。
2018年には初の抗議パレードが実施される
長年看過されてきたハロウィンイベントですが、平成30年には地域住民による抗議パレードが発生しています。
やはり家の近くに暴力団の事務所があること、子供たちと組員が交流することを良しとしない人はたくさんいます。このように、住民の間でも意見は大きく分かれているようです。
山口組のハロウィンは一度中止されたことがある
毎年恒例となっていた山口組ハロウィンですが、過去には中止となった年もありました。原因はやっぱり地元からの反対のせい?それとも警察の規制?
いいえ、実は中止になった平成27年は、山口組にとって大きな分岐点を迎えた年だったのです。関連ニュースは連日トップで放送されていたため、覚えている方も多いかもしれません。
原因は山口組分裂騒動によるもの
平成27年8月、山口組の直径団体が続々と離脱し、あらたに「神戸山口組」として独立を表明したのです。組内の分裂騒動は治安を揺るがす大騒動に発展し、このままハロウィンを行っては子供たちに迷惑をかけてしまうということで、この年の開催は見送られることになりました。
翌年には約束通り復活
そんな混乱の中でも、地元からは中止を惜しむ声が多く上がったため、山口組は書面で翌年には必ず再開する旨を表明しました。
そして次の年には予告通りイベントを復活させたため、「約束を守り通す律義さがある」と住民たちから高く評価されることになったのです。
復活して嬉しい!山口組のハロウィンには好意的な声も
イベント再開を喜んだのは子供たちばかりでなく、大人からもたくさんの歓迎的な意見が上がりました。
「暴力団のイベントを待ち望む住民」と聞くとかなり奇妙に思えますが、山口組の開催するイベントは、大人たちの心を捉えるだけの細やかな気配りがたくさん用意されているのです。
大人の心も捉える神対応!
イベント会場での組員は決して乱暴な態度を取ることなく、紳士的な対応であると評判です。
また、トイレットペーパーや台所用洗剤といった生活消耗品を配布してくれるため、お母さん方からも高い好感度を得ています。地元住民は組員に対し、まるで友人のように「山口組さん」と気軽に呼びかけるとか。
他のイベント会場よりも豪華!
ハロウィンのイベント自体はもはや珍しいものではありませんが、こちらの会場設営は特に華やかで盛り上がり、また住宅地内にあるという気軽さもあって子供たちに大変喜ばれるといいます。
やはり子供に「行きたい!」と言われると、叶えてあげたくなるのが親心というものです。
山口組のおかげで治安が良い!
暴力団といえば怖いイメージがありますが、本部周辺の治安は実は大変良好です。山口組のおかげで…というのもおかしな話ですが、なまじ本部があるために、周辺で犯罪をしようなどと考える輩が出ないのです。
こういった理由で神戸市は治安が良く、空港もあって海産資源も豊富ということで非常に住みやすい都市なのです。
そもそも違法では無い
また組織自体は大いに問題あるものの、「地域住民との交流を目的とした季節のイベントを開催する」こと自体にはなんら違法性はありません。
眉をひそめる人がいたとしても強制的にやめさせることはできませんし、警察も抑止する手立てがないのが現状です。
山口組のハロウィンは渋谷のハロウィンより安全という声も
近年、よく乱痴気騒動の代表としてやり玉に挙げられるのが、渋谷センター街のハロウィンです。いい大人たちがルールも無視して車までひっくり返す大騒ぎ、ついに逮捕者まで出したとして社会問題にまで発展しました。
それに比べたら、本来の子供向けイベントの趣旨を守っている山口組のほうがよほど行儀が良いというものです。
子供が主役で平和
重ねて言いますが、基本的にハロウィンは子供たちが主役のイベントです。決して飲酒やナンパのため、夜の街で馬鹿騒ぎするためのものではないのです。
一般市民が本来の趣旨を理解せず、かたや指定暴力団がきちんと伝統にならっているというのも、考えてみれば実に皮肉な話です。
お菓子の配布は午後7時まで
子供たちのためにあるということは、子供が安全に過ごせる時間内でしか開催しないということです。開催は遅くても午後7時までとなっており、住宅街ということで周辺への騒音の配慮も含まれているようです。
山口組はこのように、常に主催側としての配慮を欠かさないようにしているのです。
暴徒化する大人がいない
暴力団本部で羽目を外せる大人はまずいませんから、自然とみな素行よく振舞うようになり、子供たちも安心してイベントを楽しむことができるのです。
組員もこの日は多少のことでは声を荒げたりしないでしょうが、度胸試しのつもりでやりすぎてしまうと…。来年のオブジェにおばけが一体増えることになるかもしれません。
山口組のハロウィンに賛否両論!海外の反応は?
国内でも大きく意見の割れる反社会勢力の地域交流会ですが、この話は報道やSNSを通じて海外にも知られています。
マフィア的組織が子供たちににこにこお菓子をあげている画像は、外国から見ても相当に奇妙だったようで大きな話題を呼んでいました。他の国でマフィアといえば次の記事のようなことをするものですからね。