えたひにんの見分け方とは?職業や顔で分かる?
えたひにんであった人物を、外見や職といった情報だけで見分けることは可能なのでしょうか?苗字などの情報とは別に、いくつかの特徴があると言われます。
えたひにんだった家系は肉産業や皮産業に就いている人が多い?
えたに与えられた動物の皮の加工や解体などの処理に関係する仕事は、当時は世襲制であることが多かったため、現在まで受け継がれているのではないかと言われています。
しかし、明治時代に行われた『解放令』により、彼らの職を縛るものはなくなり、好きな仕事に従事することが出来るようになっています。望んでこの道に入る人もいますので、必ずしもこれらの職に就いている人が、えたひにんだったとは断言できません。
えたひにんの先祖を持つ人は背が低く短気でケチ?
こういった身体的特徴は遺伝や環境に付随するものですが、この特徴がえたひにんに限定するものだとは言えないでしょう。そもそも日本人は比較的背が小さいですし、性別にも左右されます。
また、江戸時代には“もったいない精神”で生活のあらゆるものをリサイクル、リユースした歴史が残っています。これは素晴らしいことですし、日本人の気質に近いものなのではないでしょうか。
えたひにんだった家系の人は奇形が多い?
えたひにんの人々は、自由に恋愛や結婚をすることもできませんでした。そのため必然的に近親婚が多くなり、奇形児が増えたと言われる時期もあったようです。
ですが、現在ではえたひにんに対して差別的な目を向ける人も少なくなりました。自由に結婚が出来るようになったので、先祖の身分に影響して奇形児が生まれることも無くなりました。
えたひにんとは?どういった人たちを指した?
『えた』と『ひにん』の違いについて見比べていきましょう。同じ賤民ですが、制限や扱いに異なる点があったとされます。
えたひにんとは?差別の内容とは?
彼らは、生活の多くを制限されていたと考えてよいでしょう。仕事や住居、人間関係や婚姻など様々な制限が置かれ、貧しい生活を送っていました。
解放令が出たのちも差別的な認識が薄れるには時間が必要で、同和対策事業が行われるまで罪の意識もなく差別が続けられました。悲しいことに現在でも、嫌がらせや差別発言は時々話題に上がってきます。
えたの由来と彼らの仕事とは?
えたは漢字で『穢多』と書き、死んだ動物の皮を剥ぐという彼らの職に由来しています。仏教では殺生、神道では血が穢れたものであると忌み嫌われており、その文化が定着した日本人にとってこれらの職は“汚らわしいもの”だったのです。
元々、この仕事は『えとり』と呼ばれており、これが『えた』の語源でもあるとされます。ここにその皮肉を込めて漢字を当て、『穢多』となったと言われています。
ひにんには2種類の分類があった?それぞれどんな事をしていた?
ひにんは漢字で『非人』と書き、漢字の通りに仏語では“人でないもの”を指します。平民でも、納税が出来なくなったり、事業に失敗して困窮した暮らしになった際に、ひにんとして扱われるようになりました。
ひにんの種類①野非人
住居がなく路頭に迷っているひにんを、野非人と言います。職もなく浮浪状態であり、主に物乞いをして生活をしていました。
路頭に迷うことになった平民がこの多くを占めており、そのため飢饉や暴動が起これば、生活が出来なくなった多く平民たちが、ひにんになるという事態が起きていたようです。
ひにんの種類②抱非人
こちらは、元々ひにんであった人と、非人手下(ひにんてか)と呼ばれる平民からひにんへと身分を変えられた犯罪者が該当します。これらは非人小屋というグループに属しており、非人頭により管理されました。
抱非人には職があり、えたと同じく人間や動物の死骸の埋葬や、牢屋の警備、仏教の布教活動など、多岐に渡る職が与えられました。