逆に、川や河を使った苗字は目にする機会が多くあります。地名や位置を表す漢字は身分に限らず使用されていたため、変更がしやすかったのではないでしょうか。
日本の『苗字』の歴史
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歴史を学ぶ際、『藤原道長』という名前が出てきても違和感がありませんが、実は苗字が世間一般となったのは、室町時代になってからでした。藤原道長が活躍した平安時代には苗字の概念はなく、藤原とは『姓』であり、台頭した一族がを天皇から賜るものだったとされます。
江戸時代までの苗字
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この時代まで、平民が公で苗字を名乗ることは禁止事項でした。しかし思い思いに苗字を考えることは、自由に出来たようです。
また武士が平民になるケースは、受け継がれた苗字を持っているということもありました。平民の苗字に関しては、寺の帳簿や農村の古文書に一覧が作成されていたようです。
明治時代から苗字が普及した
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明治3年、戸籍制度が重視されるようになったことを転機に、平民にも苗字が義務付けられるようになりました。2月3日は『苗字の日』と制定され、ここから様々な苗字が名乗られるようになります。
えたひにん苗字一覧はあるのか?
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自身の苗字のルーツが気になり、調べたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか?こうした好奇心が派生して、えたひにん苗字一覧といったものが作られ、ネットで公開されています。
えたひにん苗字一覧はネットで出回っている!
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えたひにん苗字一覧をご覧になったとしても、鵜呑みにしないよう気を付けましょう。これらは政府から正式に発表されたものではなく、信憑性に欠けるものです。
デリケートなこの問題を扱う上で、不確定な情報を信用するのは大変危険です。
えたひにん苗字一覧の中には『田・杉・山』の漢字も含まれる
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えたひにん苗字一覧の中には、日本人に多く見られる苗字も含まれています。また、一覧にある苗字に使用される漢字の中には、田・杉・山といった高頻度で含まれるものも入っており、見分けることは一層困難になります。
『鈴木』や『佐藤』もえたひにん苗字?!
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えたひにん苗字一覧には『鈴木』『佐藤』といった、なじみの深い苗字も掲載されています。しかも『佐藤』という苗字は、日本で一番多い苗字として有名なものです。
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ネットで掲載されているえたひにん苗字一覧になぞらえると、日本人の殆どがえたひにんだったことになってしまいます。
当時、人口の多くを占めていたのは平民だったとされており、えたひにん苗字一覧に登録されている名前の全てが、賤民であったとは到底考えられません。
えたひにんの苗字は同和地区に関連している?
![被差別部落の伝承と生活 (ちくま文庫)](https://i0.wp.com/images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41mElhoARIL.jpg?resize=355%2C500&ssl=1)
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えたひにんだった人々の居住区が、『部落』と言われることをご紹介しましたが、ここで起きていた差別の悪習を改善すべく、国が動きました。
えたひにんに関係している?同和地区とは?
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悪習と生活環境改善のために国が発足した『同和対策事業』の対象となる地域のことを、『同和地区』と呼びます。この政策は1969年に国政として決定され、2002年に終息しました。
33年という四半世紀以上の期間で行われた事業でしたが、地域により現在も同政策が続けられています。
荒れている地域は元被差別部落?
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この同和対策事業により概ね解消されてはいますが、えたひにんの居住区は、水道や道路といった厚生事業が遅れている傾向がありました。そのため、荒れた生活をしている地域は元々そういった場所だったのではないか?という先入観を持つ人もいたようです。
同和地区問題を掲げる地域は多い
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この問題を抱える地域は、1993年に確認されたもので4500地区を越えるものであったと判明しました。地域の生活環境が改善しても、人々の心までは政策で変えることは出来ません。
長年にわたり染みついてしまった差別を当たり前とした人々の心に訴えかけるため、現在でも活動が続けられる地域があるのです。
えたひにんの見分け方とは?職業や顔で分かる?
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えたひにんであった人物を、外見や職といった情報だけで見分けることは可能なのでしょうか?苗字などの情報とは別に、いくつかの特徴があると言われます。
えたひにんだった家系は肉産業や皮産業に就いている人が多い?
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えたに与えられた動物の皮の加工や解体などの処理に関係する仕事は、当時は世襲制であることが多かったため、現在まで受け継がれているのではないかと言われています。
しかし、明治時代に行われた『解放令』により、彼らの職を縛るものはなくなり、好きな仕事に従事することが出来るようになっています。望んでこの道に入る人もいますので、必ずしもこれらの職に就いている人が、えたひにんだったとは断言できません。