死亡例はほぼないとしていますが、肥大化とともに、行動が制限されるため、他の病気を患いやすく、恐ろしい病気に変わりはありません。
象皮病は熱帯地域に多い病気
主に象皮病の幹線リスクのある国は、アジア、アフリカ、西太平洋など一部の熱帯地域に見られます。
その数73カ国と言われており、その中でも東南アジアでは、感染者が65%と集中している地域です。暑い所に蚊は繁殖しやすい傾向があります。
深刻な問題と考えられており、様々な製薬会社が治療のために、資金や専門知識を提供し取り組んでいます。
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象皮病の日本での症例紹介
日本でも症例があるの?と驚いた方もいるかも知れません。今回紹介するのは一昔前の江戸時代の日本の症例になります。
もちろん、現在の日本で象皮病にかかるリスクはゼロではありません。それは、日本から各国に旅行や仕事で行く人がいる以上防ぎようのないものです。
そして、誰もが知っている日本で活躍した西郷隆盛が、象皮病を患っていました。
日本の象皮病症例紹介①西郷隆盛
日本維新に大きく関わり、今の日本を築いてきた西郷隆盛が象皮病を患っていたという話が残されています。
不思議な点が、西郷隆盛は写真を一枚も残さないことで有名です。どのように西郷隆盛が患っていたのが伝わったのでしょう。
西郷隆盛は象皮病で陰嚢が肥大化していた
西郷隆盛は鹿児島の出身です。南方の諸島にも島送りに2度された経歴があります。最初は身近に着いていた藩主の死で失脚し奄美大島へ流されました。
2度目は最高権力者の島津と合わずに、沖永良部島へ流罪(島流し)にあうなど、本人の意図しないところで、過酷な状況に追い込まれたようです。
西郷隆盛が象皮病に侵されたと推測されるのは2度めの流罪の時との説が有効で、症状の出た部分は陰嚢だったようです。
陰嚢とは陰茎の下にある精巣を収めている場所です。陰茎と同じくらい発症も多く見られるようです。九州南部で風土病として、象皮病は横行し西郷隆盛にも迫っていました。
最終的には一人で歩くのもままならないほど病状は悪化し、最終的に陰嚢は人の頭ほどになっていたと言います。
遺体を西郷隆盛と断定できたのは陰嚢だった
最終的に西郷隆盛の死を確認した時に、陰嚢の腫れが大きな役割を果たしました。もちろん、右肩の傷や体型なども特定した一因です。
死体の確認にどうして陰嚢が関わるのかは、西郷隆盛の死ぬ方法が深く関係します。自害したため首がない状態で死体が連れて行かれたのです。そこで判断するには一番の大きな目安になったのでしょう。
この病気が再度、世間の人達に知られるきっかけにつながったのはNHKドラマで「西郷どん」が放映されたのが大きいようです。
日本の象皮病症例紹介②葛飾北斎の浮世絵
もう一つ象皮病の存在を有名にしたのは、江戸時代の後期に浮世絵を世に出し名をあげた「葛飾北斎」の絵です。様々な絵を残していますが、葛飾北斎が病にかかったわけではありません。
上の画像をよく見ると、象皮病の患者の絵が描かれているのが分かります。
二人がかりで腫れ上がった陰茎を運ぶさまが描かれているため、江戸時代の日本では象皮病が流行っていたと感じさせられます。
象皮病は日本ではあまり見られない病気
日本での象皮病の発生は、菌ががほぼなくなったため確率は低いとされます。
しかし、先程少し触れた通り、手術や傷などから発生する可能性もあるので、全く安全とは言えない病気です。また、知らないというのも怖いことです。
少しの知識を得れば確実に、病院の診察や治療に結びつくでしょう。
象皮病は治せるのか?治療方法は?
実例などを並べてみると、決して自分に全く関係ない病気ではないことがわかります。象皮病を簡単に治す方法、特別な治療法はないのでしょうか?
かかってしまった時に少しでも慌てずに、対処できればかなり力強く感じるでしょう。
象皮病の診断方法
象皮病の診断方法は主に2つあるようです。顕微鏡で血液中のミクロフィラリアを確認することです。
そのためには採血が必要不可欠になりますが、行動が活発な夜間に採血する必要があります。もう一つが血清検査と呼ばれるものです。
血清中の抗体値を調べるものですが、陰性と判定が出ても、時がだいぶ経過してからリンパ浮腫を発症した人もいます。そのため、診断で象皮病を見極めるのは困難とされています。
象皮病の治療方法①投薬治療
さすがに、症状によって変わりますがいきなり手術とはならないようです。まず薬を飲むことから始まります。治療薬があることが分かりホッとしましたね。
投薬は、リンパ浮腫の場合、効く薬はほとんどない為、蜂窩織炎(ほうかしきえん)を起こした場合は抗生物質と使用されます。皮膚が角化した場合は尿素製剤を塗ります。
すでに、象皮病になっている場合には、駆虫薬と治療薬としてDHCなどが出されます。
象皮病の治療方法②手術
どうしても生活に支障が出てしまう、症状の悪化が著しい場合は世界の症例で上げた通り、手術をする場合もあります。その時はしっかりと医師の説明を聞くようにしましょう。