キッチンドランカーとは?原因・症状・予防法まとめ!チェックリストも

キッチンドランカーとは、台所でお酒を飲みながら家事をする主婦を指します。隠れて飲酒するうちにやめられなくなり、アルコール依存症へと発展することもあります。この記事では、キッチンドランカーの意味や原因、キッチンドランカーになってしまう背景や克服方法も紹介します。

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港の近くに住んでいます。散歩したり、漁師さんにおすすめの魚を教えてもらったり楽しんでいます。
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キッチンドランカーはアルコール依存症の主婦

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まず、キッチンドランカーの言葉の意味ですが「台所でお酒を飲む人」です。別の言い方で、キッチンドリンカーとも言います。

ただし、ただお酒が好きで料理をしながら台所で少し飲んだ経験がある人は含まず、病的に依存的にほぼ毎日飲む人に対象は限定されます。

「kitchen 」も「drunker」、「drinker」も英語で表記できますが、キッチンドリンカーやキッチンドランカーは和製英語のため英語圏では全く通用しません。

キッチンドランカーの語源と背景は?

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キッチンドランカーになる背景や、語源について見ていきましょう。主婦がなぜ台所でお酒にはまったのかなどを解説します。

元々は料理酒の味見で酔う主婦を指した

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キッチンドランカーは、元々料理酒の味見にはまり、それを酔っぱらうまで台所で飲み続ける主婦を指していました。

なぜ台所かというと、昔は男性が台所に立つことが少なく、唯一女性が人目を気にしないで良い場所が台所だったのです。

また料理中に料理酒やみりんを味見することは不自然ではないため、どんどんとエスカレートし、依存的になっていきました。

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現在でも家族にバレたくないと思う気持ちから料理酒やみりんを飲むキッチンドランカーもいるようです。しかし、料理酒は料理の味付けに使うもので、塩分などが含まれており摂りすぎは体に悪いです。

みりんものアルコール度数は高くワイン並みで飲みすぎはくありません。料理酒やみりんを常飲しているとストレス緩和より先に体が病気になってしまいますので、やめましょう。

台所以外でも家事の合間に飲酒するようになる

最近は、若い女性の一人暮らしが増加しました。一人暮らしのため休日には家の中に自分以外はいません。また既婚者でも舅姑との同居世帯は減少しているため、専業主婦は日中一人です。

このような環境は、場所や人目を気にせず飲酒する行為に繋がりやすいです。つまり、女性が好きな時間に好きな場所でお酒を飲める環境が整っているのです。

このような背景から最近では台所や料理中に限らず、家事全般をしながら家の中で飲酒する人をキッチンドランカーと呼ぶようになりました。

英語ではキッチンドランカーとは言わない

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日本だけでなく、海外にも台所で料理や家事をしながら依存的に飲酒する女性は多くいます。

しかし、このような女性を英語圏では「kitchen drunker」や「kitchen drinker」とは言いません。

drinkerは、名詞で「酒飲み」や「飲む人」の意味で、drunkerは形容詞で「ますます酔って」という意味を持ちます。

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英語圏では「アルコール依存症」に対する言葉には「alcoholic」がすでにあるため、アルコール依存症の主婦のことは「alcoholic housewife」と言います。

男性で主夫のアルコール依存症は「alcoholia househusband 」 と言います。

キッチンドランカーの人の特徴とは?セルフチェックしてみよう

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キッチンドランカーの定義について見てきました。これを見て、「そういえば、休日は家事をしながら昼酒をしているな」など、心当たりがあるかもしれません。

しかし、家事をしながら、お酒を飲むことが、即キッチンドランカーになることはありません。こちらで、セルフチェックをご紹介します。

セルフチェック①無意識のうちにどんどんお酒を飲んでいないか

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ストレス発散のために「1本だけにしよう」や「夕食の時だけ少し飲もう」と決めても、その量をはるかに越えた飲酒をよくする場合、アルコールに依存的になっている可能性があります。

お酒の量をコントロールできていません。無意識にこのような状態によくなる人は、キッチンドランカーの可能性があります。

セルフチェック②主食を食べずにおつまみだけで晩酌していないか

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主食の炭水化物を摂ると、お腹が一杯になりアルコールが飲めないからという理由などで、常におかずだけでお酒を飲んでいる場合は、要注意です。

本来の食事より飲酒を優先している状態です。飲酒の優先頻度が以前にもまして高くなっているようであれば、キッチンドランカーの可能性もあるでしょう。

セルフチェック③飲まない間イライラや不安を感じていないか

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普段依存的な対象を急に断つと、イライラしたり不安になったりします。いわゆる禁断症状です。

アルコールを飲まないでいると、イライラして周囲に当たり散らしたり、不安になって感情的になったり泣いたりするのは、キッチンドランカーの傾向が見られます。

このような禁断症状のストレスを専門機関に相談しないまま一人で抱えているとリバウンドで余計に飲んでしまうことがあります。

セルフチェック④飲んでいる時や飲んだ後の記憶はあるか

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飲酒中や飲酒後に、記憶を失うことをブラックアウトと言います。例えば「お酒を飲んだ後、片付けをしたか覚えていない」や「どうやって寝室に行ったか記憶にない」はブラックアウトです。

この状態は、血中アルコール濃度が0.15%を超えると起きると言われています。ビールなら中瓶5本程度、日本酒なら4合程度の飲酒量に相当し、これは適量飲酒の4倍にあたります。

たまに羽目を外すのとは違い、度々お酒で記憶がなくなるようなら、適量をはるかに越えた飲酒をしていることになります。

セルフチェック⑤朝から飲んでいないか

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朝から夜にかけて、専業主婦は買い物に出たり育児をしたりなど何かと用事を済ませます。その際にお酒を飲んでいては物事がはかどりません。

それなのに、朝から衝動を抑えられずストレスを感じて飲む場合は、依存症の傾向があります。飲んでいたらその後の効率が悪くなるとわかっていながらの朝からの飲酒は、理性より欲求が勝っている状態です。 

セルフチェック⑥暴力的になっていないか

お酒を飲み、適量であれば気分が晴れたり、ほろ酔い気分で心地よくなったりします。これは、普段理性を司っている脳の新皮質が麻痺し、喜怒哀楽の感情がストレートに出てくるからです。

気分が良くなる程度であればストレス解消になり楽しいお酒ですが、それ以上になると次は暴力的になります。もしくは大声で怒鳴ったり、ふらついたりといった症状が出ます。

ここまでになると度を越した飲酒量です。もし、日々の飲酒で暴力や大声、ふらつきが出ていれば、それは飲み過ぎです。その量を辞められないなら、キッチンドランカーの可能性が高まります。

セルフチェック⑦お酒飲んだ後に罪悪感を感じていないか

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飲酒後に「本当はお酒を辞めたいのにまた飲んてましまった」「飲まないと約束したのに隠れ飲みし、申し訳ない」と深く後悔し、罪悪感を抱く場合もキッチンドランカーの可能性があります。

「辞めたくても辞められない」は依存症の典型で脳が病的変異を起こしていることも考えられます。もしこの状況が続いているようであれば、早めの治療がおすすめです。

あてはまるようであれば早めに病院へ!

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セルフチェックをしてみて、不安な点があれば早めに病院へ行き、相談しましょう。診断できるのはお医者さんだけですし、もしキッチンドランカーであっても専門家の手を借りて回復できます。

キッチンドランカーの原因は?

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キッチンドランカーになりやすいのは40代の女性です。なぜこの年代に固まるのかその原因をご紹介します。

寂しさからキッチンドランカーへ

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女性は結婚や育児などで、社会との交流が疎遠になりがちです。話相手は旦那以外にはありません。しかし、旦那も日々仕事で忙しく、奥さんの話をゆっくり聞くゆとりをほとんど持てません。

このような環境で女性が理解されないストレスや寂しさを募らせ、それを紛らわすためにお酒を飲みはじめます。それが常態化すると依存症となります。

ストレスからキッチンドランカーへ

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ちょうど40代くらいは、育児、家事、パートなどの仕事が重なる時期です。まだ子供が小さいと一緒にいなければならない時も多く、一人でゆっくりする時間が持てません。

子供の相手をしつつ家事もしなければならず、大変です。これにパートなど外の仕事も加わると、家の外でも中でも女性は目一杯働くことになり、ストレスを抱えます。

しかし、そのストレスを外で発散できないため、手軽に始められ家事をしながらの、ながら飲酒を始めてしまうのです。

夫婦関係の破綻からキッチンドランカーへ

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パートナーとの関係の破綻から飲酒にのめり込む人もいます。本当はパートナーとの関係を修復するのがベストですが、それができないため代償行動として飲酒を始めてしまいます。

孤独になるとキッチンドランカーになりやすい?

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育児が終わり、子供の手が離れると女性には急に時間ができます。

その時間を何か趣味などに充てれると良いのですが、育児や家庭を守ることだけをしてきた女性にとって急に趣味を見つけろというのも無理な話です。

そして、つい暇潰し感覚で空いている時間に一人で飲み始めてしまいます。一人飲みは制止する人が周りにがいないため徐々に増量し、キッチンドランカーになってしまいます。

酒に強い人はキッチンドランカーになりやすい

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キッチンドランカーになる傾向は、お酒に強い人の方が高いです。お酒に弱い人は酔ったら人に迷惑をかけるとの思いから、お酒を自粛したがります。

しかし、お酒に強い場合は「少々飲んでも酔わない」「人に迷惑をかけなければ大丈夫」といった思いから気軽に飲酒します。

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それが繰り返されると、ますますお酒に強くなり適量を超えた飲酒を毎日するようになります。

しかし、お酒にいくら強く酔わなくても、人間が生涯に代謝できるアルコール量は決まっています。これを越えると体を損ねる原因となります。

台所に立つ男性もキッチンドランカーになり得る

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以前は主婦と言えば女性でしたが、最近では料理をはじめ家事一切を担当する男性・専業主夫も増えています。男性は女性以上に一度家の中に閉じ籠ると外に出ようとしません。

そして、それがストレスやフラストレーションを生み発散のために飲酒する主夫がいます。少し前までは、キッチンドランカーは女性限定でしたが、近年は専業主夫も含んでいます。

キッチンドランカーは体への悪影響も多い

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キッチンドランカーでも暴力や暴言などがなく人に迷惑をかけないタイプもいます。しかし、たとえ人に迷惑をかけなくても過度の飲酒は体を蝕みます。

また男性よりも女性の方がアルコールの負の影響が早く出ますので、キッチンドランカーの女性は早めの対策が必要です。こちらの項目でアルコールの体への影響について見てみましょう。

お腹の胎児に障害が残る場合も

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妊婦が妊娠に気付かないまま、お酒を飲んでいると胎児にアルコールの影響が出ます。胎児はアルコールを自分では代謝できません。

このため、母体を通じて胎児にアルコール成分が入った場合、胎児が胎児性アルコールスペクトラム障害を引き起こす可能性がかなり高まります。この障害が出ると、胎児に軽度から重度の知能の遅れが出ます。

予防法は妊婦が飲酒を控える以外にはありません。妊娠を考えている女性は絶対にアルコールを避けましょう。もし、妊娠を考えているのに現在キッチンドランカーの恐れがある場合は、早めに専門家へ相談しましょう。

女性は肝臓障害を引き起こしやすい

生涯に代謝できるアルコール量は男性が500kg、女性の250kgと言われています。女性は男性の約半分しかアルコールを消費できないことが分かります。

アルコールの250kgや500kgはどれくらいの量かというと、ビールの中びん4本や日本酒の4合にはアルコールが約0.1kg入っています。

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仮に、瓶ビール4本を毎日飲んでいたら、男性は14年、女性では7年で限界値のアルコールを摂取することになります。限界を越えてアルコールを摂取すると、最後は肝硬変や肝がんを引き起こし、命に関わります。

この点からいっても、キッチンドランカーは危険です。

生理不順や肥満体型になる傾向も

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過度のアルコールはホルモンバランスを崩し、食欲を暴走させます。ホルモンバランスが崩れると、生理不順など体全体のバランスが崩れます。

また、アルコール自体が食欲を造船させますし、アルコールそのもののカロリーも低くはありません。このため、キッチンドランカーになると摂取カロリーが増え、肥満の恐れが出てきます。

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