看板も含めこの流域の本性を垣間見たところで、ではなぜここまで危険といわれるのか。看板でも示唆されている危険はなぜもたらされているのか、その理由についてご覧に入れましょう。
ヤコブの井戸は深くなるにつれ水流が増している
なぜそこまで看板まで設置してその危険性をさらさないといけないのか、その一つ目の理由として水流が関係します。看板には書かれていませんが、ヤコブの井戸の中ではひどい水流が撒き起きているのです。
無数に広がる横穴のおかげで生み出されるこの水流は、深度を増すごとに大きくなり、ある部分では水面にはい戻ることが不可能なレベルに達するところもあるそうです。
ヤコブの井戸の深部は0度近くまで水温が下がっている
あまりにも危険な理由はその他にもあります。その一つが湖内にあふれかえっている水の温度です。通常の水面温度はやや暖かい温度で、温泉化の如く暖かく感じるそうです。
しかし、ひとたび内部に身を沈めていくと、深度が増すごとに徐々に水温が下がっていくそうなのです。そして最深部に至れば、なんと0度近くまで温度は下がってしまうのだとか。
上記でもふれたように、戻ることすらもかなわない水流に巻き込まれ水温0度になるようなポイントに引きずり込まれれば、人の体では決して耐えることができないという訳です。
ヤコブの井戸から生還したダイバーの恐怖の証言
恐れおののくような危険性を携えた危険極まりない難所ですが、実体験して生還したダイバーの方などももちろんいます。そしてその人の声では、恐ろしい現象を聴くことができます。
以前その穴に沈み一命をとりとめたその方によると、まるで誰かに引っ張られているような強い力を感じたともいうのです。看板には確かに詳しくまでは理由は言及されていません。
しかし、ここまで看板で記さずとも佇む看板と周囲のほの暗い空気とメッセージ性のある文章を見れば、ヤコブの井戸の真骨頂ともいえる真の恐ろしさを肌で感じることができるでしょう。
ヤコブの井戸と名づけられたのはなぜ?
真に恐ろしきは穴の作りとそれによる人を決して逃がさない巧妙な罠のような環境だということが分かりましたが、しかしなぜこのような仰々しい名を冠することになっていたのでしょうか。
ヤコブの井戸は新約聖書に出てくる井戸
物々しい名前であるヤコブの井戸ですが、もともとは新約聖書の中でも登場する有名な井戸となります。新約聖書内ではヨルダン川西岸地区に位置するものとして書かれています。