ウミケムシって何?
海毛虫という名前
ウミケムシって、初めて聞く方もいるかもしれないですが、ウミケムシは、漢字で書くと、海毛虫。漢字を見れば想像つきますね。その漢字の通り、ウミケムシは、海にいる毛虫のことです。
ウミケムシはミミズやゴカイの仲間
仲間としては、ウミケムシは、細長くひも状である環形動物門ウミケムシ科に属する生物の総称です。ミミズやヒル、海釣りの万能エサであるゴカイもその仲間になります。ウミケムシは、ウミケムシ目ウミケムシ科に属するので、あくまでも仲間であり、ゴカイやミミズとは違います。ウミケムシは知らなくても、ミミズならどんな虫か、想像のつく方も多いのではないかと思います。その仲間なので、見た目はその想像通りになります。
ウミケムシの動きと種類
想像すると、結構気持ち悪い得体の知れない生物ですね。動き方も、ゴカイとそっくりで、くねくねと体をくねらせて泳ぎます。ウミケムシは、実に種類が沢山おり、100種類以上が今までに確認されています。中でも代表的なのは、ハナオレウミケムシやセスジウミケムシ、セナジリウミケムシです。 見た目が本当にゴカイそっくりのものもいるので、注意が必要です。
ウミケムシの見た目や特徴
ウミケムシの大きさ
ウミケムシの大きさは、足と体の付け根の区別がなく、頭以外はほとんどゴカイと同じ大きさになります。ゴカイもそうですが、大きさは平均で10cm以下の大きさですが、あの細長い形状で、10cmで想像すると、かなり長いです。10cmでも長いですが、ウミケムシの種類によっては、30cmあるウミケムシもいるようです。
ウミケムシの色
色は、赤を基調とした色で、そこにうじゃうじゃと側面に毛が生えています。その側面に生えた毛は、危険から 身を守るために生えていますが、危険を察知すると、固くなり、危険な毒針へと変わります。
ウミケムシの口と呼吸の仕方
ウミケムシの口は、思ってるより大きく、細長い体の端側にあるのですが、例えば、その端側のみを顔として考えた時、顔がほとんど口と言えるほど、口を開いた時は、大きく開きます。
呼吸を行う場所は、エラもしくは皮膚なので、この大きな口を見れる機会は、エサを食べる時に、獲物を捕らえる時のみになりそうです。
ウミケムシの生きる世界
生息地
ウミケムシは日本では本州中部以南、海外だと太平洋南西部、インド洋に多く見られます。ウミケムシは、比較的暖かい海が好きで、京都府の宮津湾辺りにも多く見られるのですが、最近では、温暖化の影響もあり、山形県で発見された例もあると言われています。
ウミケムシは、温暖化の影響で、多く目撃されるようになってきたわけですが、年々、温暖化が肌で分かる変化として感じられるほどに進んでいるので、これからもっと、ウミケムシの住む生息地域は、広がっていくのではないかと思われます。
ウミケムシの活動の仕方
ウミケムシは、夜行性で、基本普段昼間の時間帯などは、海底の砂の中や石の陰に身を隠して生活をしていますが、エサを見つけたら、砂の中からでも顔は覗かせているので、飛び出してエサを捉えます。また、夜になると活発になって動き出します。スピードは、ゴカイよりもかなり速いスピードで泳ぎます。
ウミケムシが食べるもの
ウミケムシは仲間をたべてしまう?!
ウミケムシは、肉食で主に食べるのは、ゴカイだそうです。ウミケムシは、種類で言えば、ゴカイの仲間なのにも関わらず、ゴカイを食べるという、何とも奇妙な生き物です。本当に仲間なのか、疑問に思うくらいです。ウミケムシの種類にもよりますが、ゴカイとウミケムシは、同じくらいの大きさなので、自分と同じくらいの獲物を捕らえるということは、それだけ口や、体全体の吸引力と力がゴカイよりは上だというわけです。
ウミケムシは言いようによってはお掃除係
また、食べるのは、ゴカイのみには止まらず、釣りの定番エサとしても知られる、エビのような形態の小さいオキアミや小魚はペロリと一瞬で丸飲みしてしまう早さで食してしまいます。
砂中のデトリタス(生物の死骸や排泄物)や食べ残しも食べ、砂中の病原菌を駆除してくれるので、水槽で生物を飼う際にも、上手く付き合っていけば、とてもいい役割をしてくれます。
ウミケムシの天敵
毒よりも勝る強い生き物
毒を持っているウミケムシですが、ウミケムシは意外と天敵は多く、だからこそ、毒で身を守る必要があり、毒を持っているのかもしれません。エビやカニなどの甲殻類が、代表的なウミケムシの天敵に当たります。中でもよく耳にするのが、アロークラブです。
アロークラブは、性質が荒いので、同種間では激しく争うようですが、食としているのは、ウミケムシのようです。
オキアミも、エビの形態ではあるけれども、オキアミはウミケムシが食べれてしまうので、甲殻類でも、体の大きさや力の強さがこの肉食の世界には大きく関係していそうです。