ゲシュタルト崩壊とは?意味や原因、治し方を解説!顔にも起こる?

ゲシュタルト崩壊をご存じでしょうか。みなさんは同じ文字などを見続けていてふとその文字などに違和感を覚えたことはありませんか?その現象にはゲシュタルト崩壊という脳のカラクリが潜んでいるのかもしれません。そんなゲシュタルト崩壊を徹底的に解説していきます。

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ゲシュタルト崩壊とは?意味は?

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例として漢字などの文字を書いていてその形に違和感を持たれた事はありませんか?長時間同じ文字を見ていたり書き続けたりするとゲシュタルト崩壊と呼ばれる現象を起こす事があります。百聞は一見にしかずと言う事で何はともあれ、まずは実際に何が起きるか体験してもらいましょう。

まずは体験してみよう!

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「倍」と言う文字を30秒ほど間じっと見ていてください。左右がおかしくなったり、元の「倍」をひとつの文字に認識できなくなり「あれ?倍ってこんな文字だった?」と首を傾げていませんか。

ゲシュタルト崩壊とは知覚における現象

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一つの漢字を例に取ると「倍」と言う漢字を一つのまとまりからそれぞれの「イ」や「立」「口」などのパーツとしてバラバラに認識してしまう知覚による現象です。全体として捉えるのでは無くパーツ自体に知覚が集中する事で元々の漢字そのものが曖昧になります。

単純な組み合わせの文字ほどゲシュタルト崩壊が起きやすい

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シンプルなパーツで構成されている漢字などに特に起きやすい傾向にあります。例としては「借」や「若」「粉」「倍」などの漢字、平仮名では「た」や「あ」「ね」「ぬ」などに起きやすいです。逆にアルファベットはシンプルなので起きにくいです。余談ですが「ぷ。」などは良く見るとボーリングをしている人のようにも見えます。

視覚的疲労とは異なる

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視覚的疲労とは少し異なり長時間見続けた漢字や同様の構造を持ったものだけに絞られます。本に印刷された文字や紙に書かれた文字を注視してもなります。小学生の時に漢字の書き取りで「あれ?こんな字だったかな」と自分で書いていて不安に思った人も少なくはないでしょう。

ゲシュタルト崩壊しやすい人の特徴

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比較的視覚の鋭い人はゲシュタルト崩壊が起きやすい傾向にあります。本やモニター画面の小さな文字を長時間見つめていると目が疲れているとなりやすくなります。良くない病気と間違われやすいですが、誰にでも起こる事なので病気とは違いますから安心して下さいね。

ゲシュタルト崩壊はなぜ起こるのか?

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文字や図形を一瞬見ただけでも、それがどんな文字やどんな図形なのか判断できるのに、長時間だと全体性の印象を認知できなくなってしまう現象は、最初は失認症の症例として報告されましたが健常な人間にも起こる事が確認されました。

何故起こるかは明確には解明されていない

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心理学的にも医学的にも何故ゲシュタルト崩壊が起こるのかはハッキリとはわかりません。眼球の疲れや視覚情報処理の過程での順応ではなく、全体像を把握するパターンの認知過程において長時間注視することで機能が低下するために起きるのではないかと考えられています。

ゲシュタルト心理学の観点から説明が可能

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全体を細かなパーツに分けてではなく一つの構造として捉えた時に、対象が持つ体制化された構造の特徴を形態化し、現代における認知や知覚の心理学では基本的な考えとするのがゲシュタルト心理学です。人間の内なる精神を部分や要素で捉えるのではなく全体性を持ったまとまりをドイツ語でゲシュタルト(Gestalt:形態)と呼びます。

人間の知覚はゲシュタルト(全体の枠組み)で規定される

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良くある例として、ある文字を見た時に細かなパーツを追わなくともその文字を把握できたり、線が足らなかったり少し位違っていてもその部分に気が向く事無く我々人間の知覚は全体の枠組みで把握しようとする感覚が優先されます。

ゲシュタルトの認識から部分的な認識へ変化することで起こる

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文字を並べて絵として認識させるアスキーアートでは一目見ただけで文字とはわからなくとも、文字を注視する事によって初めて文字で構成されている絵だと気づきます。これは全体的な枠組みよりも、それぞれのパーツを部分的に認識しようとする知覚によるものです。

ゲシュタルト崩壊をじっくり体験してみよう!

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ここまでで大まかな概要がご理解いただけたかと思います。これから3本の動画をご覧になってもらいながら、じっくりと体験してみましょう。「絶対にならないぞ!」と構えるクイズものではないので、落ち着いてリラックスしてじっと文字を見つめて下さいね。

ゲシュタルト崩壊体験①「勇」

どうでしたか?「勇」と言う文字を最後まで一文字として認識し続ける事ができましたか?「マ」と「男」または「マ」と「田」と「力」にパーツごとに分割して認識してしまった方も少なくないでしょう。次にもうちょっとシンプルな漢字をご紹介します。

ゲシュタルト崩壊体験②「必」

人によってはそれぞれのパーツが動いて見えてしまう事もある「必」と言う漢字でしたがいかがだったでしょうか。良く知っているはずの漢字なのに違和感を感じた方も多いでしょう。次の動画のようにたくさん羅列されると余計に認識が甘く曖昧になる傾向がありますのでご覧ください。

ゲシュタルト崩壊体験②「怠」

「怠」の漢字を羅列する事によってより文字の認識が曖昧になってくる動画でしたがいかがでしょうか。「ム」と「口」と「心」にパーツがバラバラに認識されましたか?場合によっては「心」すらバラバラに見えてしまったかも知れませんね。さらにこれらの漢字以外にも例があるので事項でご紹介します。

日常でゲシュタルト崩壊が起こる例

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漢字や平仮名などの文字を注視する事でゲシュタルト崩壊を起こし文字に対する認識が曖昧になりますが、いつ起こると言うものでも無く日常生活で普段目にするものでも起きる例も報告されています。

普通に見えていたものに違和感が生じる

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代表的な例としては今までご紹介したような、文字をパーツごとに認識してしまう例です。普段見慣れている本棚の本の背表紙や人の顔などでもずっと見続けていると起こる事があり、何度も聴いたはずの曲でもイントロや歌詞に違和感を覚え、さらに聴き続けているとより崩壊が進みリズムやメロディでさえあやふやに認識されます。

漢字がバラバラになる

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一つの漢字を注視すると全体がパーツごとにバラバラになり把握できなくなりますが、起こりやすい漢字と起こりにくい漢字が存在します。読みが異なっても同じ構造を持つ漢字には起こりやすく、同一の読みで且つ一つのパーツは同じでも構造が異なる漢字には起きにくいのです。

簡単な漢字をド忘れしてしまう

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特に漢字では顕著にその例が現れやすく、我々は全体の形を漠然と認識しつつ漢字を読む事が多いです。偏や部首で漢字を捉えてしまうと全体を認識するための知覚がエラーを起こして簡単な漢字ですらド忘れする事が良くあります。昨今SNSやインターネットで文字入力すると自動変換されるのも原因の一つだと考えられます。

同じ文字を書くと分からなくなる

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書類などで同じ文字を何度も続いて書かなければならない場合に、簡単な文字でもその文字が本当に正しいのか疑問に思ってしまう事があります。これは同じ文字を何度も書き続けたことによって文字の全体像が見失われパーツごとに認識し直してしまったためです。皆さんも経験があるでしょうが漢字の書き取りなどが良い例です。

会話が一部分単語の羅列に感じる

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会話などでも長く話を聞いていると会話に使われている言葉が意味を持たない音の羅列に認識されてしまい、言葉としての意味そのものが消失してしまう事もあり会話の内容が認識できなくなります。焦っている時や怒られている時などに良く起こる現象ですが、わざと意識して聞きたくない時などに便利な使い方だとも言えます。

人の顔にもゲシュタルト崩壊は起こる

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漢字やひらがな、文章だけに起こるとは限りません。知っている人の顔を見てその人の顔に違和感を感じたら顔によるゲシュタルト崩壊が起きています。また、顔を注視する事によって目や鼻、口などに違和感が感じられ顔として認識できなくなる例も挙げられます。

他にも色々なところでゲシュタルト崩壊は起こる

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漢字やひらがな、顔などの視覚的要素の全体像が失われパーツごとに認識する事のみで起こる現象では無い事に前項で触れましたが、その他のゲシュタルト崩壊を紹介します。

鏡に向かって「お前は誰だ」

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第二次大戦中に、人格をコントロールする実験と言う名目でナチスがユダヤ人被験者に一日数回に渡り数ヶ月間行ったとされる、鏡に向かって「お前は誰だ」と話しかけさせ精神状態の変化を記録したと言うもの。被験者は10日目に判断力が鈍り始め自分を認識できないほどに自我が崩壊しついには発狂したとされる2chで有名な怖い話です。

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