ウミケムシって何?その生態や特徴、刺された時の対処法までをご紹介

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また、他にも天敵としてあげられるのが、ベラなどの魚です。あっさりと食べられてしまうようですが、ベラは、種類も豊富で、ウミケムシと同じ10cmくらいのもいるので、もしかすると、勝率の見込みは、種類によっては五分五分といったところでしょう。

海中以外にも天敵

ウミケムシの天敵は、海中だけではありません。陸にも天敵はいます。昼間は石に隠れて生活もするウミケムシなので、海の引き潮の関係で、石に張り付き、そのまま逃げ遅れてしまえぼ、襲ってくれと言っているようなものです。その隙に鳥が現れればひとたまりもありません。すぐに餌食となり一瞬で捕らわれてしまいます。

この外での天敵は、海以上に360度逃げ場を失っているのですから、他の虫に比べると、天敵はかなり多く存在することになります。

ウミケムシの体毛のもう一つの役割

ウミケムシは毒を持っている

ウミケムシは、体の側面をふわふわとした柔らかな体毛で覆われていますが、時にその体毛はウミケムシ自身を守るために、立派な凶器ともなります。
普段は柔らかいその体毛にも、コンプラニンと呼ばれる毒を持っていて、身の危険を感じると、ただの体毛が毒針へと早変わりします。しかし、この毒針はいかにも見た目が針と分かるような固い針ではなく、柔らかいので、周囲の目を欺けるので厄介なところです。

海毛虫にさされた時の症状

ウミケムシに刺されたら要注意

ウミケムシに刺されたことがある人はどのくらいいるのでしょうか。もしかしたら、海釣りに行く人は、ゴカイと間違えて触ってしまって刺されたことがあるかもしれないが、刺されると注意が必要なので、症状を先に知っておいた方が得策にはなるでしょう。

症状

ウミケムシに刺されると、まず症状として最初に出るのが激しい痛みです。刺されると、その刺された患部は赤く膨れ上がり、そして膨れ上がるのと同時に少しずつ、かゆみも伴って症状として出てきます。その痛み、腫れ、かゆみは、長いと1週間は続きます。これは例えれるとすれば、まるで親知らずの痛みと腫れのところを、さらに追い討ちかのごとく、蚊に刺されて痒くなるような感覚かもしれません。

刺される可能性大の場所

人間で最も刺される可能性の高い部位が手です。何も考えずに、ウミケムシを手袋もせずに触ると、毒針はすぐに折れ、毒針に触れた手も、素手ならすぐに毒が入り、痛みは長引いてしまいます。普段、釣りへ行く時や、水槽を扱う時、素手で作業することが多いとは思いますが、そこに危険な毒を持ったウミケムシがいることを頭の片隅に入れておくことは、毒針に刺されないための賢明な対策になるでしょう。

海毛虫に刺された時の対処法

必要なのはガムテープ

ウミケムシに刺された時、そこに毒針が刺さります。なのでまずは、その毒針を取り除かないといけません。取り除くのに使うのが、ガムテープなどの粘着質のあるものです。それを使い、優しく取り除いていきます。乱暴に扱うと、毒針がまた違うとこに刺さったり、素手で扱い毒針が刺さっているところを擦ってしまうと、毒が広範囲に広がるので、慎重に扱う必要があります。全ての毒針を取り除けたら、次は、その部分を水で洗い流して消毒をします。これが、ウミケムシに刺された時にすぐさまできる応急処置になります。

医療機関も受診しましょう

しかし、あくまでも応急処置ですので、刺された時の痛みは続きますし、応急処置後も、毒は消えているわけではないのです。ですので、毒を早く出して症状を消すためにも、近場で診てもらえる医療機関へ行きましょう。

海毛虫を釣ってしまう??

釣り人は特に注意

キスやカレイを釣りに行く人は、よく釣りの万能エサのゴカイをエサとしてよく使うことがあると思いますが、ゴカイをエサに釣りをするなら、ウミケムシに注意する必要があります。ウミケムシのエサとする食べ物が、ゴカイだからです。釣りのエサとして、ゴカイを海中に投げ入れたら、浮いてきたゴカイを 見つけて、パクリとウミケムシが飛びついてしまうかもしれません。そして、腕に重さと振動を感じて引き上げてみたら、ゴカイが釣れた、いや、これはウミケムシだという具合に、頭を混乱させてしまうことも出てきます。実際、ゴカイをエサにすると、ウミケムシを釣ってしまったということは、釣り人の間ではよくある話のようです。

素手では触るな、危険

もし、仮にウミケムシを釣ってしまったら、その時は、一番注意しなければならないのが、素手では触らないということです。毒針を潜めているウミケムシなので、いつただの体毛が毒針になるか、こちらは警戒しなければならないのです。毒針が刺さってしまったら、魚を釣るために出かけたのが、全てウミケムシの毒針を抜くための1日に早変わりしてしまうのですから。

ウミケムシを釣らない工夫があります

ウミケムシを釣らないようにする工夫としてできることが一つあります。それは、竿を投げて魚が食いつくまでに、こまめにエサを動かせば、ウミケムシ釣りから逃れる可能性が高まるようです。こちらは、費用がプラスでかかるわけでもないので、釣りに行く際は、試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

知識とそれに伴う道具を持っておこう

海と無縁の人でも、海に行く際や、釣りをしに海に行く機会がある人は、何が釣りたいだとか、何をエサにすると釣れやすいだとか、どこで釣れるという釣りの知識よりも先に、海での危険の一つである、ウミケムシのことを知っておきましょう。そして、毒針に刺されても、冷静に対処できるよう、最低限のガムテープや軍手、また、ピンセットなどを持参して、海へ出向きましょう。少し荷物にはなりますが、あるかないかで、刺されたらかなりその後の対処と痛みの期間に影響します。備えあれば憂いなしの言葉に習い、楽しい釣りや海へのお出かけが、そのまま楽しいままで記憶に残るよう、準備万端で出かけましょう。