マツカサウオとは?どんな魚?
まつぼっくりによく似た姿をした魚
マツカサウオは、条鰭綱キンメダイ目マツカサウオ科に属する魚類の一種です。魚について明るくない方は、あまりピンと来ないかもしれません。マツカサウオの「マツカサ」とは「まつぼっくり」を意味します。その名の通り、マツカサウオはまつぼっくりのような外観をしています。
また黄色い体に黒い網目のような模様があるので、非常にパイナップルに似ています。そのため英語圏では、パインフィッシュというような呼称があるようです。松ぼっくりも英語ではパインがつきますから、海外も日本と似たような発想で名前をつけているのですね。
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普段あまり見かけることはありませんが、水族館で見ることができるほか通販でも数千円程度で販売されています。食用として美味であることも有名ですが、飼育魚としても人気が高いです。また、実際に泳いでいる姿が見たい方は、日本のダイビングスポットでもその姿を見かけることができます。
マツカサウオは非常に特徴的な見た目をしているので、一目見ただけでもマツカサウオだとわかるでしょう。ただ基本的なルールですが、ダイビングで魚が近くに来ても触ってはいけません。魚の体にも悪影響が及ぶ恐れがありますし、自分がケガをしてしまうかもしれないからです。十分に注意をしましょう。
マツカサウオの生態と特徴
非常に硬い鱗に覆われた魚
動画サイトでマツサカウオを捌いている動画がいくつかアップされていますが、それを見ると非常に厚い鱗で体が覆われていることがわかります。またうろこが固いだけではなく、うろこに棘がついており尾ひれも非常に長くとがっており、これらが体を守るのに役立っています。
尾に向かって棘があるので触る時には注意
またマツサカウオは夜行性であり、日中は岩の影に隠れています。夜になると餌を求めて外に出てきます。餌としてはエビなどの甲殻類を好みます。体が硬いうろこに覆われているためか動きは鈍く、なかなかすばしこい魚を捕まえるのは難しいのでしょう。動きが他の魚に比べてのろい分、防御性は高いです。うろこは固く、尾に向かって棘があり、さらに尾ひれも体の大きさの割に長くとがっているのです。そのため人間は素手で触れるとケガをしてしまうおそれがあります。
マツカサウオの生息地と分布
温暖な地域に幅広く生息
マツカサウオは北海道より南の日本、そして太平洋やオーストラリア付近の海に生息しています。マツカサウオは寒すぎる地域においては生息しておらず、比較的に温暖な地域に生息していることがわかります。日本の水族館では全国的に展示されています。
伊勢でダイビングをすれば出会えるかも
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実際にマツカサウオを見てみたい方も大丈夫です。三重県伊勢のあたりのダイビングスポットでマツカサウオを見ることができます。マツカサウオは比較的ゆっくりと動くので、じっくりと観察することができそうです。幼魚は10mほどの深さのところで見れますが、成魚を見たい方はもっと深くまで潜る必要があります。
マツカサウオは幼魚と成魚ではその体の色が変化します。幼魚の間は黒色の部分が多くそして残りは濃い黄色ですが、成長するにつれて黒色の部分が減少し、また黄色みも薄れてきます。さきほど、成魚のマツカサウオは水中深くにいるといいましたが、それは昼間の話で夜になると餌を求めて比較的浅い場所にも姿を現します。
マツカサウオは発光するの?
あごの部分が発光する
マツカサウオが発光するということを皆様ご存知でしょうか。マツカサウオが発光するというのが発見されたというのは最近のことであり、それも富山県の水族館で発見されました。たまたま富山県の水族館が停電した際に、マツカサウオのあごの部分が発光されているのが見つけられました。
マツカサウオ自体ではなく、あごの下の発光プランクトンが発光している
しかし実はマツカサウオそのものには発光する力はありません。マツカサウオは、あごの部分に発光プランクトンを持っているので、プランクトンの発光作用によりあごの部分が光るのです。発光プランクトンをどういう理由で、あごに持っているのかはいまだに不明ですが、発光のメカニズムについては明らかになっているのです。
写真で見るとはっきりとわかるくらいにマツカサウオのあごの部分が光っているのがわかります。ただ水族館程度の暗さでは、わかりづらいかもしれません。偶然生じた事象によって、マツカサウオの新たな生態が見いだされたことは非常に興味深いですね。
マツカサウオは美味しい?
見た目に反して非常に美味
マツカサウオは、魚にしては独特でパイナップルのような見た目をしています。個性的な見た目に反して、マツカサウオは非常に絶品で美味しいと有名です。実際に食べられた方は少ないことと思いますが、どのような味がするのでしょうか。マツカサウオの大きさは大体10~15cmですが、大きさの割に可食部分は少ないです。
ご飯が進む白身
可食部分が少ない理由としては、有毒性があるというわけではなく固く分厚いうろこに覆われているためです。その分厚いうろこをはぐと、白い身が顔を表します。マツカサウオは脂身が多めで、とろりとした食感を楽しめるようです。とろりとした白身には、ご飯がよく進みそうです。