知る人ぞ知る、絶品と噂されるギンポの天ぷらを食べるには?

あまり有名ではないので知らない人も多いギンポですが、そのギンポの天ぷらは実に濃厚な味わいをした絶品料理です。昔から江戸前天ぷらにおいては高級なネタとされており、「天ぷらにするために生まれてきた」と職人に言わしめた魚でもあるほど天ぷらと相性がいいと言われています。揚げても身は固くならずふわっと柔らかく、味は旨みたっぷりで、食べた人を虜にしてしまうと噂のギンポとは、一体どのような魚なのでしょうか。

 

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そもそもギンポって何?

普段の生活ではあまり耳にすることのないギンポ。しかし一言でギンポといってもその種類はなんと340種もあります。熱帯魚として飼われるような小さな姿をしているギンポもいる程、さまざまな種類のギンポが存在しています。そんなギンポの中でも食用として美味しい天ぷらのネタとされているのはニシキギンポ科のギンポです。釣り人の中でギンポと呼ばれる魚はニシキギンポではないギンポの場合もありますので、ギンポの存在を知っている方も注意が必要です。今回はこのギンポについて詳しい特徴などご紹介していきます。

ニシキギンポの特徴

15~30cmほどの細長い体を持ち、左右から少し押しつぶしたように平たくなっています。腹びれは小さく目立たないのに対し、背びれは頭の付け根あたりから尾びれまで続きます。体の色は個体差が大きく、茶褐色~暗緑色とさまざまな色をしていますが、尾びれの縁は白くなっています。一見どじょうに似た姿をしており、江戸時代の銀貨である丁銀に似ていたことが名前の由来となり「ギンポ(銀宝)」と呼ばれるようになったと言われています。また、ギンポは背びれの条がすべて棘となっていて触ると痛いことから、各地の漁師の中では「カミソリウオ」「テッキリ(手っ切り)」「ナギナタ」「ナワキリ」など、素手で掴むのをちょっと躊躇ってしまいそうな名でも呼ばれています。

間違われやすいダイナンギンポ

ここで気をつけたいのが、そっくりな姿からニシキギンポとよく間違われるダイナンギンポ。釣りをする方の間では、比較的釣れやすい魚として知られており、一般的にギンポというとダイナンギンポをイメージされることも多いです。こちらのギンポは実はニシキギンポよりもかなり味が劣り、食用には向いていません。
ダイナンギンポとニシキギンポを見分けるには側線に注目します。ダイナンギンポは側線がはっきりとしており、網目の模様をしています。それに対しニシキギンポは側線が薄く、一見側線がないように見えるので、そこで判断します。

 

ギンポを食べてみるには?

釣るのが一番!?

元々ギンポといえば江戸前天ぷらで扱われる江戸前天ぷらが食べれる高級料理店などで食すことができます。しかし近年は水揚げ量が減ってきている事もあり、有名な天ぷら専門店でも目にする機会が減ってきています。供給量自体が少ない事から値段が高くなっており、現在では1キロ当たり1500円以上にもなると言われています。かつては1キロ当たり数百円で取引されていたと言われていますから、どれだけ希少性が高くなってきているかが窺がえます。
元々ギンポが出回る時期は初夏のわずかな時期だけであり、その旬な時期ですら漁獲量が少なく値段も高い事から、残念ながらギンポの天ぷらに出会える確率はかなり少なくなってしまいました。
そんなギンポを食べるには、釣り好きな方にとっては自ら釣り上げるのが早道といえるでしょう。

ギンポの分布地域

生息地は、オホーツク海をのぞく北海道沿岸、青森県から豊後水道の太平洋沿岸、青森県から長崎県の日本海、東シナ海沿岸、瀬戸内海など、日本のあちらこちらに分布しています。しかし旬の時期は春から夏にかけてのわずか1か月ほどとされており、それ以外の季節では見かける機会はほぼ無くなってしまいます。浅い岩場のごろ石の隙間などを好みますが、水深20メートルほどの砂泥底からもギンポが見つかることもあります。

 

ギンポを釣ってみましょう

それでは、具体的なギンポの釣り方についてご説明していきます。

ギンポ釣りの手法と釣り場

浅い岩場の隙間やテトラポットの間に身を潜めているギンポを釣るには、穴釣りが基本です。
穴釣りとは、テトラポットの間やごろ石の隙間など、至るところに空いている、釣りの仕掛けを落とせる場所での釣りの事です。この手法を使い、岩場の影に隠れている事が多い日中の時間帯を狙います。ギンポを釣るのに使う餌は、イソメやゴカイなどの生き餌や魚の切り身です。反応を見て餌を変える事もできるように、2~3種類ほど用意しておくのがいいでしょう。

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