日生学園の現在は?
厳しい教育のことをスパルタ教育と呼びますが、まさしくその名の通り、1965年に認可された学校法人の日生学園は、日本一厳しい教育で有名でした。1日、数時間の学業を教えるだけでは本物の人間にはなれないという考えで、全寮制にし、24時間厳しい規則の下で生活を行っていました。
それは今から40年程前のことです。今の世の中で、スパルタ教育など聞いたことがありません。また、あったとしても、体罰やパワハラなどと言われ法律で守られていますので、現在スパルタ教育を行うのは難しいことです。
日生学園の現在の名称は青山高等学校
創立50周年を迎え、新たなスタートを切るため2015年、青山高等学校と名称を変更しました。
1965年、青田強学園長から、青田進氏の「進学校時代」に世代交代し、以前のようなスパルタ教育ではなく、大学進学を目指す、学業を重視した教育に現在は変わっています。
日生学園は系列学校が存在する
系列する高等学校が3つ、中学校が1つあります。1966年に三重県伊賀市に開校された日生学園第一高等学校(現・桜丘高等学校)、隣接する日生学園付属中学校(現・桜丘中学校)、1980年に三重県津市に開校された日生学園第二高等学校(現・青山高等学校)、1983年に姫路市夢前町に開校された日生学園第三高等学校(現・自由が丘高等学校)があります。
日生学園付属中学校(現・桜丘中学校)は1982年に日生学園第二高等学校の敷地内にありましたが、1988年に日生学園第一高等学校へ移動しました。
日生学園第一高等学校
現・桜丘高等学校は、桜丘中学校との中高一貫教育を行っています。男女共学の全日制普通科で、国公立難関私大コース・医歯薬コース・総合進学コースがあります。文化系クラブが盛んです。
過去には高校生クイズで、強豪の灘高校と開成高校を倒し優勝したこともある桜丘高等学校は一瞬で有名校になりました。偏差値78もある開成高校を偏差値41が倒したことは奇跡と呼ばれました。
日生学園第二高等学校
現・青山高等学校は、全寮制です。男女共学の全日制普通科で、特進Sコース、特進コース、進学コースがあります。野球部・サッカー部・卓球部・演劇部などのクラブ活動が盛んです。
スポーツに力を入れている第二高等学校からは、元プロ野球選手の鮫島秀旗さんや、プロサッカー選手の千葉和彦さんや尾崎瑛一郎さん、元バスケットボール選手の川畑隼人さんなどが卒業生にいます。この記事で言う、日生学園はこの日生学園第二高等学校のことです。系列学校の中でも一番厳しかったからです。
日生学園第三高等学校
現・自由が丘高等学校は、全寮制です。男子校の全日制普通科で、特進コース、進学コース、総合コースがあります。文武両道を目指していて、国公立への進学に力を入れています。
現在は活動を休止していて、主に食品レビューの動画をアップしていたユーチューバーのたれぞうさんの出身校でもあります。
日生学園の現在は男女共学の全寮制
自立と社会性を基本とした寮教育を英国イートン校をモデルにし、一緒に生活をする仲間との絆を持つことにより、コミュニケーション能力を高められる全寮制を設立当初から現在まで行っています。
全寮制とすることで、ゲームやインターネットなどで時間を無駄にせず、勉強をする環境を作っています。
ブラザーシステム
ブラザーシステムという英国イートン校でも行われている教育方針で、先輩が後輩のサポートをするシステムを導入しています。先輩と後輩でペアを組み、要領が分からない新入生の身の回りの世話をし、また、自分が先輩になった時に、後輩の世話をしていくという教育です。
ハウスマスターやチューター
寮のすべてを管理している教員をハウスマスター呼び、寮生の生活面や精神面をサポートします。また、チューターと呼ばれる教員を寮に常駐し、勉強で分からないことがあれば、夜間でも学習を見てくれるます。
日生学園の現在の偏差値は40前後
偏差値を低めに設定し、勉強が遅れているであろう不登校や引きこもりの生徒が受験しやすくしています。
日生学園の偏差値は38~42程度です。三重県内私立順位は下位の方です。学園長の青田進氏は不登校研究チーム代表として、不登校の生徒を受け入れ、不登校大学推進プログラムというものを立ち上げ、不登校だった生徒を現役で国公立大学へ合格させています。
日生学園の現在の学園行事や修学旅行
現在は学校生活を楽しむための行事を行っています。文化祭行事は色々な役回りに携わり、自分に向いている事を探せるように、年5回開催します。他には、遠足やフェスティバル、キャンプ、クリスマス会などもあり、9月には海外への修学旅行もあります。
スパルタ指導時代には、娯楽を禁止していたため、修学旅行はもちろん、文化祭などもありませんでした。
日生学園の現在の校則も厳しいのか?
全員五厘刈りで月1回バリカンで刈られていた男子生徒がいたのはスパルタ指導時代のことですが、他にも数々の厳しい事柄が語られています。現在も当時同様に校則は厳しいのでしょうか。
髪型や服装、生活リズムに関して厳しい
男子は五厘刈りにはしなくても良い程に校則は緩くなっていますが、女子は肩にかかったら髪を結ばなければいけません。生活リズムに関しては寮教育を取り入れていますので規則正しい生活を重視ししています。
1日の生活時間帯が記されていて、クラブ活動や補習、寮での補習や自習などがあり、就寝時間も決まっていますので厳しく指導しています。
月曜日から土曜日まで毎朝マラソン習慣
当時は、学校から寮までの帰り道の6㎞を集団でマラソンさせられていました。しかも、毎日マラソンしているのにプラスして、月1回マラソン大会もありました。
現在では、寮毎に違いはありますが、早朝マラソンを行っています。しかし、以前のような厳しいマラソンではなく、ジョギング程度の軽いものです。マラソン大会も年1回の開催となっています。
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大声で大合唱する習慣
大声を出して全力で歌う指導を行っています。その姿は、スパルタ指導時代の日生学園と変わりがありません。当時は床を磨く時も、返事をするときも、大声を出さなくてはいけませんでした。現在は合唱の時だけの習慣となっています。
だた、大声を出しているわけではなく、異様な光景で、スパルタ指導時代の影響は、現在の合唱だけに残っているとも言われています。
男女交際が発覚したら停学処分
スパルタ教育時代には男女が会話しただけでも退学処分の対象でした。現在では交際発覚した場合は停学処分ですので、緩くなっています。隠れてバレないように付き合うカップルもいます。ただ、男女間で話をしていて誤解されて謹慎処分になる場合もあります。
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礼節や敬語に厳しい
寮教育にある、ブラザーシステムでの先輩と後輩の交流や、ハウスマスター、チューターなどの教員が身近にいる生活の中で礼節や敬語には厳しく、社会性を考えた指導を行っています。
また、通行する車両に立ち止まって礼をするという教育も行っていて、礼の仕方のプリントが配布されているようです。
日生学園の現在は教師と生徒間の信頼関係が記事に!
企業ネットワーク最前線として、日生学園の記事が取り上げられました。日生学園の高校3キャンパス1,200名の内830名が持っているとされるiPhoneは教師と生徒の信頼関係があったからこそ持つことができたのです。
生徒主体のiPhone導入委員会を設置
2012年にスマートフォンの導入を検討した日生学園はiPhoneの導入を決め、iPhone導入委員会を生徒達で作り、インターネットを安全に使用するためのルール(制限等)を生徒と先生でじっくり話し合い、先生達が自由の中にも勉強することがあると考え、生徒を信頼することにより導入することができました。
日生学園の現在の口コミや評判は?
現在は校則も緩くなりました。でも、他の高校と同じで良いところもあれば、悪いところもあります。人間の感じ方の違いで意見も色々ですが、口コミをまとめましたのでご紹介します。
日生学園の現在の良いところ
数多い評判は、制服が可愛い(カッコいい)ということ。帰省する際には自慢したいために持って帰る生徒もいます。また、いじめられて不登校になった生徒が在籍していますので、陰口を言うくらいで、いじめは殆どありません。
不登校や引きこもりの生徒を受け入れていますので、立ち直って、勉強し、大学へ行こうと考え入学できるところは良いところです。頑張り次第で、希望の大学へ行くこともできます。全寮制なので、勉強する空間を自然と作れます。周りの生徒と共に、寮に返って夜まで勉強するという環境は自宅の1人部屋にいるより、環境としては、良いと思われます。
日生学園の現在の悪いところ
学費がとても高いです。私立高校ですので、入学手続き時に約55万円、1年生の授業料等で約95万円、教科書、制服代に約27万円など、また、海外への修学旅行にもお金がかかります。
食事が美味しくない、敷地が広すぎて移動に時間がかかる、設備が古くて汚い、オープンキャンパスの時の印象と違いがあるなどと悪く言われています。
日本一のスパルタ指導で有名に!過去の日生学園とは?
日本一厳しいということですが、そのスパルタ指導の内容が気になるところです。厳しくて怖いと聞くと余計に見たくなります。一般の高校生が耐えられる厳しさなのでしょうか。
日生学園の学園長は青田強
創立者の青田強氏は、もう亡くなられていますが、1965年当時、今と同様に他の高校に入れない不登校生はもちろん、手に負えない不良生徒なども受け入れ、「一流の人間を育てる」と語った青田強氏は生徒の親から絶大な信頼がありました。
生徒の受ける印象も様々で、厳しくて最低だと言う人もいれば、敬愛と感謝しかない、あの厳しさは叱咤激励だったんだと言う人もいます。学校に入ったことで自分の子供が良くなったと青田強氏を信頼する親が多くいました。現在、グランドの一番高いところに青田強氏の銅像が立てられています。そんな厳しい指導だったとしても、相当なカリスマ性があることが分かります。
名前を書けば合格?偏差値は39
当時は校内暴力などが多く問題視された時代だったので、問題児でも入学できる学校として偏差値を下げていました。入試の問題も小学生レベルでしたが、その解答を書いたとしても、名前さえ書いていれば合格でき、入学してから厳しく指導していました。
当時の日生学園にも女子がいた
女子生徒は2割程いました。女子生徒も寮に住んで男子生徒と同様に生活を送っていましたが、男子寮と女子寮は分かれていて、男女で会うことはありませんでした。男子同様にスパルタ指導をされていたと言われています。
日生学園が日本一のスパルタ指導といわれた理由
当時の日生学園の寮では、理事長の青田強氏考案の心行という精神鍛錬が行われていました。心行とは、朝一心に床を磨き、雑念を取り、集中心を養うとこで、本物の人間になれるとし、精一杯「ワッショイ」と大声を出し、雑巾で10分間床を磨くことで汗が出て、心がすっと空になり無心になれるというものです。
正式名は全力心行と言い、相撲の四股立ちのように足を広げ床を磨きます。その場で磨くやり方と、前進しながら磨くやり方、磨きながら反対方向へ向くやり方の3種類あります。
刑務所とよばれる全寮制、朝は4時起き
日生学園の寮では、朝は4時に起き、水曜日と日曜日は7時起きです。「全力時代」と呼ばれている通り、何でも全力で行います。まず、朝起きたら全力で走って整列し、心行を行います。床磨きのほかに、素手でトイレを磨きます。その姿はまさしく、刑務所並みです。
その他には雨が降っても雪が降っても傘の使用を禁止することや、40度以上の高熱が出ても病院には連れて行ってもらえず、市販薬を渡されるなど、行きすぎた指導が行われていました。
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