知る人ぞ知る、絶品と噂されるギンポの天ぷらを食べるには?

15~30cmほどの細長い体を持ち、左右から少し押しつぶしたように平たくなっています。腹びれは小さく目立たないのに対し、背びれは頭の付け根あたりから尾びれまで続きます。体の色は個体差が大きく、茶褐色~暗緑色とさまざまな色をしていますが、尾びれの縁は白くなっています。一見どじょうに似た姿をしており、江戸時代の銀貨である丁銀に似ていたことが名前の由来となり「ギンポ(銀宝)」と呼ばれるようになったと言われています。また、ギンポは背びれの条がすべて棘となっていて触ると痛いことから、各地の漁師の中では「カミソリウオ」「テッキリ(手っ切り)」「ナギナタ」「ナワキリ」など、素手で掴むのをちょっと躊躇ってしまいそうな名でも呼ばれています。

間違われやすいダイナンギンポ

ここで気をつけたいのが、そっくりな姿からニシキギンポとよく間違われるダイナンギンポ。釣りをする方の間では、比較的釣れやすい魚として知られており、一般的にギンポというとダイナンギンポをイメージされることも多いです。こちらのギンポは実はニシキギンポよりもかなり味が劣り、食用には向いていません。
ダイナンギンポとニシキギンポを見分けるには側線に注目します。ダイナンギンポは側線がはっきりとしており、網目の模様をしています。それに対しニシキギンポは側線が薄く、一見側線がないように見えるので、そこで判断します。

 

ギンポを食べてみるには?

釣るのが一番!?

元々ギンポといえば江戸前天ぷらで扱われる江戸前天ぷらが食べれる高級料理店などで食すことができます。しかし近年は水揚げ量が減ってきている事もあり、有名な天ぷら専門店でも目にする機会が減ってきています。供給量自体が少ない事から値段が高くなっており、現在では1キロ当たり1500円以上にもなると言われています。かつては1キロ当たり数百円で取引されていたと言われていますから、どれだけ希少性が高くなってきているかが窺がえます。
元々ギンポが出回る時期は初夏のわずかな時期だけであり、その旬な時期ですら漁獲量が少なく値段も高い事から、残念ながらギンポの天ぷらに出会える確率はかなり少なくなってしまいました。
そんなギンポを食べるには、釣り好きな方にとっては自ら釣り上げるのが早道といえるでしょう。

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