ウミタナゴの食べ方とレシピをご紹介!釣りや仕掛けもご紹介

防波堤で釣りをしているとよくウミタナゴが釣れます。さほど大きくもなく、見た目も地味で何より美味しくなさそう、ということで釣れてもリリースされる方が多いようです。そんな人気の無いウミタナゴですが、調理次第では美味しく食べられる魚で、その生態から縁起のいい魚とも言われています。今日はそんなウミタナゴの特徴や調理法をご紹介します。

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はじめまして。 週末はよく山にこもっています。 父の影響から学生時代はフライフィッシングをしていました。 あると便利なキャンプ用品やおすすめキャンプ飯、アウトドアグッズを紹介していきます!
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ウミタナゴってどんな魚?

そもそもウミタナゴはどのような魚なのでしょうか。池などに生息しているタナゴの種類なのでしょうか?実はあまり知らないウミタナゴについて、まずはじっくり見ていきましょう。

ウミタナゴはスズキの仲間

淡水に住む、コイの仲間であるタナゴに似ているためウミタナゴという名前なのですが、実はスズキの仲間です。ただ、スズキとは違いウミタナゴは卵胎生の魚になります。

卵胎生とは、藻などに卵を産み付けるのではなくお腹の中で卵を孵化させ、ある程度の大きさになってから稚魚を生む事で、ウミタナゴだけでなくメバルやカサゴも卵胎生の魚です。東北の方では子宝に恵まれる、と縁起のいい魚として食べられています。

ウミタナゴは日本各地に生息している

藻などの多い、浅い海に生息しています。北海道中部から山口県にかけての日本海側、そして東北地方から愛媛県あたりまでの太平洋側とかなり広い範囲で生息しています。日本だけでなく朝鮮半島や中国周辺にも生息しています。

ウミタナゴは淡泊な味が特徴

ウミタナゴは白身魚でかなり淡泊な味をしています。先ほども触れましたが、ウミタナゴは卵胎生の魚なのでお腹の中で稚魚を育てている状態ですと子供に栄養を取られてしまっているので味は落ちます。ですがその子供の味はかなり美味しく絶品だそうですよ!

ウミタナゴを食べよう!捌き方をご紹介

最近は切り身になって売られていることもあり魚をさばく機会が少なくなってしまいました。今回ご紹介する捌き方はウミタナゴ以外の魚でも使えますので知っていて損はありません。

①ウミタナゴの鱗をとる

まずは鱗を落とします。ウミタナゴの鱗は比較的薄く、細かいので包丁の背を使って取ることもできますが、鱗落としがある方が便利です。胸ヒレや腹ヒレの付近は取りにくいのできっちり落としていきましょう。

②ウミタナゴの頭を落として内臓をとる

次に頭を切り落とします。胸ビレと腹びれの付け根を結ぶように包丁をいれザクッと頭を落とします。その後、腹びれを落とし、内臓を取りのぞきます。この際、血や内臓の一部などが残ってしまうと生臭みの元になってしまいますので綺麗に洗って取り除きます。必要なら歯ブラシでこすり綺麗にします。

③ウミタナゴを三枚におろす

まず尻ヒレを落とし、その次に背骨にそって包丁をいれ三枚におろします。背びれの付け根から背骨にそって包丁を入れ、お腹側、最後に尾の付け根から包丁を入れておろしていきます。できましたらこれをひっくり返して身を2面、骨の計3枚になるようおろしていきます。

ウミタナゴ料理の食べ方とレシピをご紹介|刺身

釣りたての新鮮なウミタナゴでしたら是非刺身を試してみましょう。釣りたてならではの味を楽しむことができます。

ウミタナゴと言えば刺身

ウミタナゴの身はかなり淡泊な味をしています。スズキの仲間ではあるのですが、スズキのように刺身にするとコリコリした歯ごたえはなく、逆にやわらかく、口の中でとろけるような甘みがあります。

特に夏のスズキは脂がのっており、その脂が独特の臭みを持っているため刺身にした後から大量の水で刺身を洗い脂を流す「アライ」という食べ方がありますが、ウミタナゴはクセが少なくかなり繊細な味をしていますので、洗わずそのまま食べることができます。

ウミタナゴの刺身のレシピ

3枚におろした後、皮を引き身を一口大にそぎ切りで切っていきます。普通にわさび醤油で食べるのも美味しいのですが、生臭みが気になる方はシソを千切りにして一緒に食べると美味しいです。カイワレ大根を添えると色味も綺麗で味のアクセントにもなりますよ。

  ウミタナゴの刺身の注意点

スーパーで買ってくる魚であっても寄生虫をすべて処理できているとはかぎりません。ましてや釣ってくる魚は、たくさんの寄生虫がついている可能性があります。ウミタナゴにつく寄生虫の内、気を付けなければいけないのはアニサキスと呼ばれる透明なミミズのような寄生虫です。

胃液の酸にも耐えられるので生きたまま食べると胃壁に食いつき激しい腹痛を引き起こします。特に一度アニサキスを食べた事がある方はアレルギーを起こす可能性がありますので注意が必要です。不安な方は後ほどご紹介する塩焼きなどで火を通すか、なめろうのように細かく刻みましょう。

ウミタナゴ料理の食べ方とレシピをご紹介|なめろう

「食べ終わったあとお皿をなめてしまいたいくらい美味しいから」「魚の身を滑らかになるまでたたくから」とも言われているなめろうは、もともと漁師さんたちが船の上で食べていた料理です。

新鮮なほどやわらかいウミタナゴ。もし、おろしている時に身が崩れてしまったらなめろうにしてしまいましょう。おかずとしてだけでなくお酒のお供にもピッタリです。

ウミタナゴが新鮮な状態ならなめろう

ウミタナゴの身は新鮮であるほど軟らかいため3枚におろしたり、皮を引いたりする際に身が崩れてしまうことがあります。なめろうは味噌や薬味と一緒にたたいてしまうので気になりません。

味噌は赤でも白でもどちらでもかまいませんが、白みそのように甘味が強い味噌よりは赤味噌など辛味が強い味噌の方が向いています。もし味噌がなければ醤油でも代用できます。

ウミタナゴのなめろうのレシピ

作り方はいたって簡単です。3枚におろしたら骨を取りましょう。小骨が残ってしまうと口当たりが悪くなってしまいます。お好みの薬味をあらかじめ小さく切っておき、味噌とウミタナゴの身を一緒に包丁で粘りがでるまでたたきます。

味が淡泊なのでネギ、紫蘇、ショウガがよく合います。ショウガは市販のチューブの物でも大丈夫です。

ウミタナゴ料理の食べ方とレシピをご紹介|煮つけ

白身魚といえば煮つけが美味しいですね。3枚におろさないため下処理は簡単です。ウミタナゴだけでなく他の白身魚でも同じように煮つけることができますので覚えておくと便利です。

ウミタナゴは煮つけに最適

スズキの仲間であるウミタナゴは煮つけで食べても、もちろん美味しく食べられます。3枚におろしてからに煮つけても大丈夫ですが、小ぶりな魚になるので頭から煮つけてしまいましょう。

下処理の際、鱗を落としたあと頭は切り落とさずお尻の穴から包丁を入れ腹びれまで切れ目を入れます。そこから内臓を取り出し綺麗に洗います。ここで血が残ってしまうと生臭くなってしまいますので綺麗に洗い流し背中にバツに切れ目を入れます。

ウミタナゴの煮つけのレシピ

鍋に1cmくらいお湯を沸かし、ウミタナゴを入れます。霜降りといいますが、生臭みをとり、身をふっくらやわらかく煮ることができます。ウミタナゴを鍋にいれたら蓋をし、表面が白くなったら取り出します。

フライパンに醤油:酒:みりん:水を1:1:1:3の比率で合わせ沸騰させます。魚の大きさや数にもよりますが、醤油、酒、みりんを100ccずつ、水を300ccが一番わかりやすいです。生臭み消しショウガのスライスやネギの青い部分を入れます。なければ梅干でも代用できますし鷹の爪を入れると少しピリ辛にできます。

甘めに仕上げたい場合はここにコーヒーのガムシロップを1~2個入れます。普通の砂糖よりも分子が細かいため甘味が入りやすくおすすめです。必ず沸騰させてから魚を入れます。

ウミタナゴ料理の食べ方とレシピをご紹介|塩焼き

刺身や煮つけはもちろんのこと、塩焼きでも美味しく食べることができます。シンプルにウミタナゴそのものの味を堪能するなら塩焼きが一番です。特に秋口に釣れた、旬のウミタナゴは脂ものっているので塩焼きにするだけでもとても美味しく料理することができます。

ウミタナゴの塩焼きは簡単

塩焼きの場合も下処理は煮つけの時と同じです。3枚におろし、切り身として塩焼きにするのも美味しいのですが頭は落とさずそのまま塩焼きにするほうがジューシーに仕上がります。

ウミタナゴの塩焼きのレシピ

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