貝殻を持ったタコ?タコブネの生態と特徴をご紹介

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タコブネの貝殻はインターネットオークションなどで取引されることがあります。欠けなどがあったり小さなものは500円前後、大きなものは1000円ほどで取引されていることがほとんどなのですが、綺麗で大きいものだと高値で取引されることもあります。

タコブネは飼育できる?

小さくて珍しいタコ、となると飼ってみたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。タコブネの飼育については、一般家庭で飼育されていたという例はほとんどありません。暖かい海に生息するということ、肉食性であるということはわかっていますが、飼育に必要な詳しい生態などがまだまだ解明されていません。そして、そもそも購入や採集も難しいために、現時点での飼育は現実的ではないと言えます。まれに漁網にかかったタコブネが水族館で展示されることもありますが、専門施設ですらその飼育期間は1週間ほどと非常に短いのです。

実は食べられる。タコブネの味

やはりタコとなると気になるのがその味。食べたことがある人いわく、味や食感は普通のタコとそう変わらないとのこと。同じく殻を持つアオイガイは少々水っぽいという声もあり、もし食べられる機会があれば普通のタコとの食べ比べをしてみてもいいかもしれません。

タコブネを見られる場所

2000年以降でタコブネの飼育実績がある、アクアワールド大洗水族館(茨城県)さん、新江ノ島水族館(神奈川県)さん、八景島シーパラダイス(神奈川県)さん、鳥羽水族館(三重県)さん、そして世界最大級の水族館と言われる海遊館(大阪府)さんにそれぞれ問い合わせました。しかしいずれの水族館も、今はタコブネの展示はしていないとのことでした(2018年9月現在)。展示自体も年に一度あるかないか、との回答でした。また、まれにダイビングなどでタコブネで出会えることも。タコブネが生息する地域でのダイビングやシュノーケリングの際は是非探してみてください。

他にもいる?変わったタコ

ここまでタコブネについてご紹介してきましたが、タコの仲間にはまだまだ変わった種類がたくさんいます。その一部をご紹介します。

アオイガイ

カイダコとも呼ばれ、アオイガイも自ら貝殻を作り出しすタコの仲間です。こちらも暖かい海で浮遊生活を行います。その殻は細かいプリーツスカートのように繊細で美しいもの。こちらもインターネットオークションなどで殻が取引されています。過去、日本の海岸に大量漂着があったこともあり、タコブネに比べると見ることができる可能性も高いと言えます。

メンダコ

最近知名度が上がってきているメンダコ。普通のタコと違って腕が放射状に広がっているので、泳ぐ姿はまるでパラシュートのよう。深海で生活しているために墨は吐かず、小型の甲殻類などを食べます。耳にも見えるヒレが可愛らしく、グッズ化されることが増えてきています。

ミミックオクトパス

ミミックオクトパスは擬態が得意なタコです。体長は、腕を広げた状態で最大約60cmほどになります。ミノカサゴやクラゲ、ウミヘビ、ヒトデ、カレイなど実にさまざまな生物に擬態しますが、それらは全て遭遇した敵や獲物の種類によって使い分けられます。珍しいタコですが購入・飼育は可能で、販売価格は約1~2万円ほど。

コウモリダコ

暖かい地域の深海に住んでいるコウモリダコ。名前はタコですが、実はタコの祖先である貝から、タコ・イカに分かれる前の姿のまま、昔からいるのではないかと考えられています。うさぎの耳のような大きなヒレと、「タコ」なのに10本ある腕の間には膜がはっており、なかなか不思議な見た目。天敵に遭遇すると強く光ったり、光る粘液(発光雲)を出して追い払いますが、それでもだめだと腕を裏返して丸まってしまうのです。

ヒョウモンダコ

猛毒のタコと名高いヒョウモンダコは、フグの毒と同じテトロドトキシンを唾液に持っています。体長は約10㎝ほど、派手なヒョウ柄と尖った頭で一見可愛らしく思えますが、噛みつかれると死の危険もあります。刺激を受けると体の色が非常に鮮やかになり、その姿は猛毒生物そのもの。暖かい海の浅い場所に生息しているので、もし見かけても絶対に触らないようにしましょう。

タコにまつわる雑学

生でも加熱してもその歯ごたえが特徴のタコ。実は体の90%が筋肉でできていると言われています。そんなタコの知能は非常に高く、腕の一本一本に脳のような働きをする”神経脳”があるために1本1本全く違う動きができるのです。そしてタコは8本の腕があると言われますが、最近の研究では腕が6本で脚が2本であるということがわかりました。2本の脚を移動に使い、6本の腕で食事や周囲を調べたりしています。そうして腕を使う際、右利きや左利きのタコがいて、なんと両利きのタコもいるということがわかっています。

タコブネのまとめ

今回はタコブネについてご紹介させていただきました。珍しく、中々お目にかかることのできないタコブネ。知名度がまだまだ低いため、知っていればきっと驚かれるでしょう。