獲物がかかってもそこで気を抜かずに一気に巻き上げることになります。弓角の針はサイズも小さく、引き寄せるテンションが抜けるとすぐにばれてしまいます。興味を途切れさせないためにも、速い誘いを維持する必要があります。少し強引なくらいのファイトでいきましょう。
弓角で釣れる魚
ターゲットは青物がメイン
弓角で釣れる魚の種類は豊富です。季節回遊魚である青物では、サバ、カツオ、サワラ、アジ、イナダ、メジマグロ、シイラなどがあります。この季節回遊魚については、回遊してくるのを待って、遠投とリールの速巻きで引きあげます。
小魚を食べる魚なら釣れる可能性も
弓角は、小さな獲物をを狙う魚に自分を餌と認識させて誘います。ですので、小魚を食べる魚なら青物以外でも釣れる可能性があります。例えば青物以外の魚ではヒラメ、スズキ、タチウオ、マゴチ、カサゴ、クロダイなどが挙げられます。同じ弓角を使った釣りでも、青物以外の魚に対しては釣り方や仕掛けの作り方も違ってきます。
弓角の仕掛けの作り方
弓角ではトレーラーが必須
弓角を使うには、トレーラーと呼ばれる重りが必須になります。トレーラーには「マウス」と呼ばれるものと、投げ釣りでも使われる「ジェット天秤」を代用することもできます。トレーラーには、フローティングするタイプとシンキングの2種類があります。特にフローティングタイプのトレーラーを使用した場合、トレーラーが海面を音を立てて走っていくので、対象の捕食意欲を増幅して弓角に興味を持たせることができるのです。シンキングは海面から沈めて狙う場合に有効です。
仕掛け
弓角を使う時の仕掛けは、とてもシンプルです。トレーラーの後ろにハリスを2~3mくらい結んで弓角を繋げます。ハリスの長さは長いほうがいい場合もありますが、糸のよじれを最小限に抑えるためにも短めのほうが扱いやすくなります。
弓角のタックル
ロッドの選び方
弓角を遠くへ飛ばすことが必要なため、当然といえば当然ですが遠投性能が高いロッドを選ぶと釣りの成果もあがる傾向にあります。遠投するためには10フィート以上のロッドが好ましいと言われています。
使用するリールは高負荷に耐えられるもの
弓角を飛ばした後は、高速でリールを巻く必要があります。リールには高負荷がかかるため、負荷がかかってもしっかり巻ける大型のリールを使うことになります。投げ釣り専用のリールもおすすめできます。
メインラインは強度を重視
遠投することと、速巻き、高負荷がかかるため強度を重要視しましょう。魚がかかっても力比べで糸を切られてしまうと、せっかくの獲物を逃すことになります。遠投は100mを超えますので、飛距離も必要です。3号あたりが200mあれば十分と言われています。
リーダー、ハリスはある程度の太さが必要
こちらもある程度の太さが必要です。5~7号あたりであれば大丈夫でしょう。ハリスが細すぎると糸がよじれてメインラインやトレーラーに絡まりやすくなるので、注意してください。
弓角でのアクション
弓角にはあまりアクションはいらない
弓角での釣りは、小魚が逃げ惑う様子を再現できれば獲物は誘われてきます。特に高度なアクションは必要なく、遠投とリールの速巻きでトレーラーが海面を波立てて走るようにすることが大切です。上でも述べたとおり投げて巻く、これだけです。ただ、水面下で深度のある場所にいる魚を狙うには、少し沈めてから巻く必要があります。
巻く速度で仕掛けの動きをコントロールする
トレーラーは巻く速度が速ければ海面をすべるように逃げ惑う形になります。青物、つまり回遊魚はどれだけ速く巻きあげても追いついてきますので、遠慮はいりません。全力で巻きましょう。海面で当たりがでないのであれば、トレーラーが少し沈むのを待って、リールもゆるめで巻くことで食いつきを待つような形になります。
弓角でのサーフトローリング
サーフトローリングとは
サーフトローリングとは、サーフ、つまり砂浜で行われるルアーを使った釣りの一種です。通常のルアー釣りと違うところは、投げ竿にトレーラー(重り)をつけ、その先にルアーを仕掛けて投げて、リールを高速で巻き上げることで獲物である魚をキャッチします。100mを超す遠投をするため獲物の守備範囲が広く、また豪快な速巻きからスポーツ性もある釣りです。遠くから一気に引き寄せるパワーファイトも楽しめます。
サーフトローリングは青物に強い
サーフトローリングは青物と呼ばれる季節回遊魚全般に強く、サーフで回遊を待ち構えて遠投と高速巻きで釣りあげます。回遊魚相手なので、餌となる小魚のすばしこさに匹敵するような速巻きが必要です。人間の力では全力で巻き上げても回遊魚は追いついてきますので、その力比べも楽します。少しでもテンションがゆるむと疑似餌だと気づかれますので、全速力でリールを巻きましょう。
弓角のオンシーズン
青物狙いだと、自然と回遊してくる季節がオンシーズンとなります。5月中頃から小さいサイズの回遊が始まります。そこから浜にはだんだんと人が集まり始め、ベストなシーズンは7月から8月にかけてとなります。40cmクラスの魚も狙えるようになり、まさに最高のシーズンと言えるでしょう。9月に入ると青物と浜との距離が離れてくるため人も減ってきますが、釣り自体は11月に入ってから月末までは可能です。ベストシーズンからは外れますが、時期が遅くなるにつれ大物がかかるようになります。50cmクラスの魚を狙うことも可能になります。
まとめ
弓角は昔、海の屈強な釣り師たちが使っていた道具だけに、扱う人間のパワーが重要になってきます。複雑なアクションは必要ありませんが、遠くまで飛ばすにはそれなりに練習が必要です。リールの高速巻きもかなりハードになります。ですが、それこそが弓角の醍醐味とも言えます。小さな弓角が40cmクラスの魚を引っ張ってきたときは、喜びはひとしおといったところでしょうか。力自慢の釣り人には是非チャレンジしてほしい弓角と言えるでしょう。