テントマットの役割は断熱と凸凹対策
初めてのキャンプで失敗してしまいがちなのが、テントマットの使い方と選び方です。見た目の判断に頼るだけでは大きな違いに気づきにくく、ついつい、どれを選んでも同じだろうと思い込んでしまいがちです。
目的地にたどり着き、キャンプの用意を始め、選んだテントマットをテントの中に敷いて敷いて横になってみると、思っていたよりも地面の感触がはっきりと感じ取れてしまい、想像していたのとは大分違っていた。そんな苦い経験を耳にすることがあります。
テントマットの役割は、大きく分けて二つあります。一つは、テントを設営した地面の環境がテント内に伝わり難くすること。分かりやすい表現で言えば、凹凸感の緩和です。これが不十分ですと寝ている間に、次第に違和感を覚え、熟睡を妨げる原因となります。
もう一つの役割は、床面からの熱の伝わりを防ぐこと。こちらは断熱材としての役割です。砂地や岩場を避けてテントを設営するとしても、断熱性に配慮しなければ、徐々に体温を奪われて、寒さで夜中に目を覚ますことが少なくありません。
この二つの役割は、どちらか一つに秀でてさえいれば良いと言う訳にはいきません。理想を言えば、断熱効果と凹凸対策の両方が、バランス良く高い水準で整うようにテントマットを選ぶ必要があります。持ち運びを考えると、必要に応じて、2種類以上のテントマットを組み合わせて使うと良いでしょう。
すでに何度か訪れたことのあるキャンプ地であっても、山の天候は変わりやすいものです。自分たちのキャンプ地のすぐ近くを夕立が通り抜けることも考えられます。標高の高さも手伝って、夏場でも朝晩はひんやりと冷え込み、寒さを覚えることも考慮する必要があります。
用意したテントマットの断熱性が低いと、体温が接している床面を通して地面へと奪われてしまい、どうしても眠りが浅くなってします。それは楽しいはずのキャンプの思い出を台無しにしてしまう原因を作ってしまうことにも。
大人であれば、衣類を重ね着することで少々の寒さであれば対応できるとしても、子供を連れてのキャンプとなると、そうも行きません。そのため、翌日まで、ぐっすりと眠れる環境を整えるための準備は、楽しいキャンプの思い出作りに欠かせない重要な要素と言えます。
断熱性能はR値で確認しよう
R値とは、熱抵抗の値を示す言葉です。わかりやすく言えば、熱の伝わりにくさを表す専門の用語です。この値が大きければ、それだけ熱が伝わりにくいことを意味し、断熱材として優れた素材と言えます。
何度かキャンプを体験すれば、経験則からテントマットの品質を把握できるようになるものですが、テントマットの断熱性能については、熱の伝わりにくさを表すR値を確認するように心がけると、より間違いが少なくて済みます。
凸凹対策は素材と厚みがポイント
テントマットのもう一つの役割である床面の凹凸感の緩和は、テントマットに使われている素材と厚みがポイントになります。適度な厚みを保つことができるテントマットであれば、凹凸感を十分に緩和することができます。
しかし、厚みがあるテントマットを選ぶと言うことは、それだけ大きな荷物を運ぶと言うことでもあります。大きなテントマットは、持ち運べる荷物の量を大きく制限させてしまう原因になることも少なくありません。
そのため、持ち運べる荷物の量と相談しながら、適度な厚みのあるテントマットを選ぶと良いでしょう。参加する人数によっては、1枚の大きなテントマットよりも、2枚のコンパクトなテントマットを重ねて使う方が後片付けも、運搬も便利なことがあります。
厚くて大きなテントマットは、快適な眠りを約束してくれる魅力的なキャンプグッズですが、それをキャンプ地へと選ぶべきなのかは、十分に検討した上で決めるべき話です。荷物を運ぶ労力を考えた場合、価格というコストを抑えるのと同じように、労力も節約する判断を選ぶ方が、賢明な対応と呼ばれることがあります。
テントマットの種類別特徴を熟知して間違いのない選択をしよう
一口にテントマットと言っても、キャンプで使われるマットには、目的に応じていくつかの種類があります。テントの中に敷いて使うマットの中で代表的なものは、一般的にエアマット、発泡マット、銀マットと呼ばれる3種類をあげることができます。それぞれの違いと特徴について説明します。
エアマットなら快眠できる
エアマットは、商品のサイズによってはエアーベットとも呼ばれ、使用前に空気を入れて膨らませるタイプのテントマットです。空気の層は熱を伝えにくく、また、他のマットと比べても厚みがあり、快適に眠ることができます。空気を抜くことで、収納時は小さくたたむことができるため、保管や持ち運びの際も、とても便利です。
空気を入れて膨らませる為、専用の空気ボンベを使用する製品や、コンパクトに内蔵している製品があります。また、自動で膨らませることのできるセルフインフレート方式を採用している製品も増えてきており、商品選択の幅が広いテントマットです。
発泡マットは準備が簡単
発泡マットは、断熱性の高い素材で作られたマットです。使用するシーズンに合わせて、様々な厚みの商品が取り揃えられています。折りたたまれている状態から手で拡げて敷くことで、すぐに使い始めることができます。準備に手間と時間がかからず、お手入れも簡単です。
発泡マットは、折りたたむ方法が大きく分けて2種類あります。昔は、巻物のように丸めてザックやリュックサックに固定することが多かったのですが、最近は、折り目に合わせて折りたたむことで、手早く収納し、すぐに展開できるように工夫されている商品が増えています。
定番の銀マットも捨てがたい
いわゆる銀マットは、自身の体熱をアルミニウム面が反射することで暖かさを保つ仕組みのマットです。本来の使用方法としては、アルミニウムを使用したシート部分を下にして使います。すると、アルミニウム面が体温を緩やかに反射しながら、弾力性のある面が体重を分散することで、床面の凹凸感の緩和につながります。
少し変わった使い方としては、冬場や、寒さを感じる時に、銀マットの表裏をひっくり返して、アルミニウム面を上にして使う方法があります。この場合、より直接的に体温を反射することになる為、テント内での寒さの緩和に役立ちます。
テントマット以外の便利な道具
テントマットとは、テントを張り終えてからテント内に敷くマットを指す言葉ですが、テントを設営する場所の環境によっては、テントを張る前にグランドシートを敷き、グランドシートの上にテントが載るように設営することがあります。
意外と便利なグランドシート
地面に直接テントを張るのではなく、グランドシートを使用してテントを設営することで、地面上の鋭利な石や氷、プラスチックのゴミなどによってテント床面の生地が傷つくのを防ぎ、水分や草、泥などの落としにくい汚れが付着するのを抑制する効果が期待できます。
グランドシートのメリット
グランドシートを使用することで、汚れ移りの心配をすることなくテントの撤収ができるようになるため、テントの撤収から移動後の再設営までの時間が短時間でできるようになります。また、急な天候の変化による雨への対策としても有効で、テント生地への雨の染み込みを防ぐ効果を期待することができます。
グランドシートの代用品
とても便利なグランドシートですが、汚れが目立つと使い続けることに抵抗感を覚えますし、そもそも、テント床面の傷防止を目的に使用するため、グランドシートそのものが傷ついてしまうことがあります。
そこでグランドシートの代用品となるのが、いわゆるブルーシートです。ブルーシートは防水性も期待することができるため、テントの床面のサイズを測って、少し大きめのブルーシートを購入することで、グランドシートの代用品として扱うことができます。
最近は、名称ブルーシートであっても、青ではない色で作られたブルーシートが販売されています。自分のテントにちょうど良いサイズのグランドシートが見つからない場合には、少し大きめのブルーシートをハサミなどでカットして、色合いを合わせて自作することができます。
長く使うことを考えるなら、比較的厚手のブルーシートを選びましょう。厚手の方が重くなりますが、その分、傷に強くなります。新たにブルーシートを購入して自作する場合には、ブルーシートの重さを表す単位が#3000以上の値を持つブルーシートを選ぶと良いでしょう。
テントマットを使うときの注意点
テントマットは、表と裏を意識して使う必要のある道具です。最近では、表と裏で素材を変えて、暑い時と寒い時の両方に対応できるように工夫しているメーカーが増えてきています。どの順番で敷いて、どちらを表面に使えば熟睡できる環境に近づけることができるのかを考えながら使う必要があります。
テントマットは最低でも2種類以上を合わせて使おう
用意したテントマットに十分な厚みがあり、かつ、明け方になっても寒さを感じることなく眠れそうという状況を除いては、テントマットは2種類以上を用意し、上下に重ねて使うと凹凸感が大きく緩和されるため、安心感が増します。
その際、いわゆる銀マットを先に敷いてから、他のマットを銀マットの上に敷くようにすると、より暖かく快適に眠れる環境を整えることができます。一般的に、銀マットはアルミニウム面を下に敷いて使用します。
キャンプには快適性重視のエアマットがおすすめ
エアマットはマットの内側に厚い空気の層を含むため、他のマットと比べても、とても高い断熱性を誇ります。また、厚みがあるため、床面の影響を受けにくく、応答感が緩和されるため、熟睡できる環境を整えやすいマットと言えます。
登山や長期使用予定なら厚手の銀マットがおすすめ
銀マットは耐久性が高く、使い方を工夫することでテント内の空気が冷えるのを防ぎ、暖かく過ごすことができる便利なマットです。そのため、自分が背負える荷物の量が限られる登山や、ある程度の長期間をキャンプで過ごさなければならない場合には、厚手の銀マットがおすすめです。
最近では、防寒用に3畳用から4畳用の大きさの銀マットがリビング向けに販売されていたり、災害時の緊急対応にも銀マットの有用性が再認識され、各地で行われる避難訓練で活躍する姿が見られます。軽量かつ、コンパクトに畳むことのできる銀マットは、ジュータンやカーペットの下に敷いて使うことで、家庭用に常備しても重宝します。
おすすめのテントマット(エアマット)6選!
オートキャンプ場のように整備されたキャンプ地であっても、テントを張る床面の状況によっては、眠ろうとして体を横にすると、地面から伝わる凹凸感が気になってしまうことがあります。そんな凹凸感を大きく緩和し、熟睡できる環境を作りやすい、おすすめのエアマットを紹介します。
おすすめのテントマット①「KOOLSEN エアーベッド」
いくつか種類のあるKOOLSENのエアーマット(エアーベッド)には、幾つか種類があります。販売時期によっても異なるため、重量に対して、膨らませた際の大きさを基準に、空気を入れた際の厚みを参考に選ぶと良いでしょう。
KOOLSEN エアーベッドのスペック
縦の長さが枕部分を含めて約190cmあり、畳んだ時の大きさと膨らませた際の大きさのバランスが良いエアーマットと言えます。また、横に連結できるように作られており、テント内でのズレを防ぎながら、並べて利用することができるように作られています。
- 大きさ:縦187cm × 横67cm
- 厚み:空気を入れた状態で約2.8cm
- 重量:約1.6kg
- 収納時:38cm × 17cm
- 素材:190Tポリエステル
- 付属品:補修シール付、収納袋
- 保証期間:1年
「KOOLSEN エアーベッド」は小さく折りたためて運べるのが魅力
より厚みのある枕部分を除いて、バルブを開くとおよそ10分前後で自動的に膨らむ仕組みです。撥水と防水加工が施された本体は汚れに強く、1年間の保証付です。マットを二つ折りにすることで丈が小さく、空気が抜きやすくなり、簡単に畳むことができます。
5回ほどキャンプ場で使用しました。
枕の不安定感は、百均などで売っている旅行用エア枕を併用すると頭が安定しました。
空気漏れもなく、地面からの冷気の遮断は抜群です。(引用:Amazon)
おすすめのテントマット②「YACONE エアーマット」
YACONE エアーマットは、持ち運びを考慮した軽量設計ながら、空気を入れて膨らませた際に適度な厚みがあります。また、通気性と撥水性に優れた素材が使用されているため、使用後のお手入れが簡単にできます。
YACONE エアーマットのスペック
膨らませた際の縦の長さが程よい大きさのため、車中泊はもちろんのこと、少し小さめのテントでも利用することができます。横に連結して使えるように設計されており、テント内でのズレを防ぎながら、いくつか並べて利用することもできるように作られています。
- 大きさ:縦183cm × 横62cm
- 厚み:空気を入れた状態で約5.0cm
- 重量:約1.5kg
- 収納時:幅64cm
- 素材:75Dタフタ
- 付属品:収納袋
「YACONE エアーマット」は横につなげて広がるのが魅力
より厚みのある枕部分を除いて、バルブを開くとおよそ10分前後で自動的に膨らむ仕組みです。撥水と防水加工が施された本体は汚れに強く、1年間の保証付です。マットを二つ折りにすることで、簡単に畳むことができます。
作りは結構しっかりしているので、安心して寝転がれます。
折りたたむと運びやすい大きさまで小さくなるので便利です。(引用:Amazon)
おすすめのテントマット③「Camel エアーマット」
フタコブラクダがトレードマークのCamel エアーマットです。大人二人が余裕を持って寝られるダブルベットサイズほどの大きさながら軽量で、コンパクトに畳むことができるため、オートキャンプでは重宝する一品です。
Camel エアーマットのスペック
縦が195cmと、日常生活に使用しているベッドのサイズとほとんど同じ長さがあります。横幅も130cmと十分な広さがあります。大きさに応じて、膨らむまでには時間がかかりますが、ガスノズルを緩めることで自動的に膨らみ始めるため、手間いらずです。
- 大きさ:縦195cm × 横130cm
- 厚み:空気を入れた状態で約2.5cm
- 重量:約2.8kg
- 素材:100%PVCポリエステル繊維と高反発性のスポンジ充填材
- 付属品:補修用パッチキット、収納袋
- 品質保証:出荷前に72時間の漏れ検査を実施
「Camel エアーマット」は家族キャンプで大活躍
とにかく大きくて、生地全体が撥水加工されており、素材の防水性能も手伝って汚れがつきにくく、総じて、使いやすいエアーマットです。子供づれでの家族キャンプや、お花見の席では、とても頼りになるテントマットです。
値段もリーズナブルで、寝心地よし(しかし、腰が悪い人や、車中泊の人は、もう少し厚みのある物の方がよいかも!?)。
セッティングも、バルブをゆるめるだけなので、簡単です。ただ、片付ける時、2枚くっついているのでしっかり空気を抜こうと思う方は、少し手間がかかります。(引用:Amazon)
おすすめのテントマット④「KingCamp エアーマット KM3597」
背の高い方でも、不便さを感じることなく使うことのできるKingCampのエアーマットです。KM3597は、空気を入れて膨らませた状態で約2mの長さのあるロングタイプで、ゆったりと足を伸ばして快適に眠ることができます。
KingCamp エアーマット KM3597のスペック
使用する環境に合わせて、縦幅と横幅の異なるモデルが数種類用意されています。使用感の好みによる所ですが、全体的に平らなフラット構造で、枕部分は空気で膨らませるよりも、クッションの効いた素材を好む方むけのエアーマットと言えます。
- 大きさ:縦198cm × 横63cm
- 厚み:空気を入れた状態で約5.0cm
- 重量:約2.0kg
- 収納時:67cm × 15cm
- 素材加工:耐スクラッチ摩耗性の高い特殊加工、滑り止め加工、防水加工を採用
- 付属品:補修シール付、キャリーバッグ
- 保証期間:1年
「KingCamp エアーマット KM3597」はロングサイズ対応が魅力
膨らませる量と、その時の日照量にもよりますが、バルブを開くとおよそ5分から20分前後で自動的に膨らむ時間の短さと、縦に長く使うことのできる大きさが魅力のエアーマットです。床面の凹凸感も緩和できる空気の層の厚さと、最新素材による高耐久性能のバランスの良さがポイントです。
試しに使用してみた所、30分程度で完全に膨らみました。
寝心地もとても良く、空気漏れなどもありません。
枕部もやや高めなクッションが内蔵してあり、良い感じ。(引用:Amazon)
おすすめのテントマット⑤「SGODDE エアーマット」
厚みが自慢のSGODDEのエアーマット(エアーベッド)です。特別な道具を用意する必要はなく、手や足でバルブを押して空気を入れることができる他、ポンプを使っての空気入れにも対応しています。